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アジフライの極み@吉池食堂 越後の白ワインの清らかな柑橘香

御徒町の吉池食堂へ。定期的に会っている友人とのサシ飲み。
初訪問のお店で、吉池ビルなる一階に鮮魚売り場 吉池があり、2-7階にユニクロなどが入っていて、8階が複数のレストラン、そして9階に再び吉池。ここ吉池食堂で今回の夕飯を。
魚介で財を成した吉池さんが御徒町にビルを一棟ぶっ立てたのだろうか、オサカナロマンに溢れるなどと想像しながらホームページを見てみる。大正9年(1920年)に創業者が、東京都港区赤羽橋に鮮魚小売店を開始、昭和 8年(1933年)に 現在地に鉄筋地上5階、地下1階の本店ビルを新築し、総合食品・日用品の販売及び食堂経営を開始、とある。なんと90年も今の御徒町駅の近くに同じ業態で商売を続けている。

今回は一階に寄り道出来なかったが、次回は鮮魚売り場を拝みに来たい。一階にはユニクロの一部が同居しているようだが、鮮魚とファッションの共存も見てみたい。

予約席が埋まっていたので、早めに訪問して整理券をもらう。15分ほど待つと席に通された。渇きに渇いた喉を生ビール キリン一番搾り(650円)で潤しつつ、前菜はお刺身を注文。ビールはすぐに空になり、ハーフボトルの白ワインを。
お刺身は四点盛りで(1,200円)、自分の好みで選べる。6,7種類の選択肢があったような。オジサン2人でおでこを突き合わせて熟考のうえ、コハダ、マダイ、マグロ、カンパチをチョイス。タッチパネルからも注文できるので、スタッフを困らせずにじっくり選べる。

ハーフボトルで注文したワインは新潟のもの。

越後ワイナリー, 雪季, 白, 1,500円(ハーフボトル。レストラン価格)

越後ワイナリーは1975年創業。栽培品種はメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ケルナー、セーベル。徹底して欧米品種!日本ワインの父、川上善兵衛さんのお膝元の新潟で彼が開発したマスカット・ベーリーAを栽培していないのは徹底的。
ワイナリーは、雪室貯蔵を中心に考えた構造になっている。雪室は地上2階、地下1階分の高さで、開閉式の屋根から直接雪を入れることができ、最大250トンの雪を貯蔵できる。年間を通じて雪室貯蔵庫は約5℃、木樽熟成庫は約15℃に保たれワインに適した環境で熟成される。

雪室の様子。越後ワイナリーのホームページより
雪室の様子。越後ワイナリーのホームページより

ワインの香りは軽快でフレッシュ、爽やかな柑橘香を含む。ほのかにブドウらしい甘さとこぎみよい酸味のバランスが心地よい。
お刺身四点盛りに合わせる。生臭みが立ちそうなネタにも清らかでたおやかな果実味がすっと寄り添う。なかでもマダイの上品な脂、微かな甘みとの相性が素晴らしい。マダイは皮の近くの身の残し方が絶妙。赤色のフレーバーが強い部分は、磯臭さや鉄分を感じさせるが、ほどよく混じるとアクセントになって風味に奥行きが生まれる。この素晴らしい皮目の残し方のマダイの刺身に、ワインのフレッシュな柑橘香と微かな甘みが最高!

コハダ。身の繊維がきゅっと引き締まっていて、噛めば噛むほどに旨味と磯の香りがジンワリと広がる。フレッシュで快活な果実味のワインがちょうどよい。相性: ★★★☆☆
マダイ。上品な脂にワインの爽やかな柑橘と酸味が調和。相性: ★★★★☆
マグロ。ワインの微かな甘みが赤身のフレーバーに寄り添う。相性: ★★★☆☆
カンパチ。脂がトロトロでとろけるような身!ワインの酸味が余韻を引き締める。相性: ★★★☆☆

続いて”こまい一夜干し”(480円)。

タラ科の魚で氷下魚と書いて”こまい”と読む。名前の由来はアイヌ語で「小さな音の出る魚」の 意味。氷の張った低水温で産卵する為、漁獲方法も北海道では 氷の下に網を入れて行う事から「 氷下魚 」 と漢字が充てられたとされる。北海道全沿岸、青森県から宮城県の太平洋沿岸、青森県から山口県の日本海沿岸で獲れる。

干されて焼かれて風味が凝縮していて味が濃厚。添えられたマヨと合わせてもしっかりバランスする力強さ。噛むほどに旨味と甘みが広がるワンダーランド。ワインの清らかな酸味が寄り添い、余韻をリフレッシュ。相性: ★★★☆☆

そして、メインディッシュはアジフライ(850円)。

真上から
別の角度から

どでかくて分厚い!しかも2枚!出来立て熱々、サックサクの衣、脂が豊かで余韻にクリーミーなニュアンスすら残す。アジフライの極み!これは毎日でも食べたい。アジのたっぷりの脂とマヨのパワーにはワインはやや負けてしまうが、それでもキュッと絞ったレモンのように酸味が心地よく絡む。次のひと口、次の一杯が進む。相性: ★★★☆☆

白ワインがなくなったので、赤ワインのハーフボトルを注文(1,500円)。

同じく越後ワイナリー。メルロー品種100%造られる。海外産の典型的なメルローとは大きく異なる軽快な色調。味わいもチャーミングな果実味を残し、フレッシュで軽快な赤ワイン。お魚食堂にふさわしき赤ワイン!
と言いつつ、ひと通りお魚を食べた後だったので餃子と。

新潟もち豚餃子(650円)。カリカリの皮をかじると溢れる肉汁、そこに間髪を入れずにこぎみよい酸味の効いた赤ワインを流し込む!最高の〆でした。

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