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Septeni Japan代表・清水雄介と話す「セプテーニと新規事業と私」(#01)

この企画について

セプテーニグループのカルチャーの中でも特徴的なのは、新規事業コンテストのgen-tenをはじめとする、新規事業創出プロジェクト。gen-tenを通過したアイデアは、セプテーニグループ内の新規事業支援会社である「セプテーニ・インキュベート」にて事業化の準備を進め、グループ内に多数在籍する事業立ち上げや経営の経験者からのアドバイスも得ながら、事業化を目指していきます。

↑ 最新の新規事業コンテストgen-tenに関する記事

そんなセプテーニグループの新規事業について、より理解を深めてもらうために始まったのが今回のミニラジオ企画。グループのコーポレートデザイン室長として、そして新規事業コンテスト gen-tenの企画運営者としてカルチャーの浸透を担う加来幸樹(サインコサイン)と、セプテーニ・インキュベートで多様な新規事業創出を支援する斉藤彼野人(以下:彼野人)の2名がパーソナリティーを務めます。

タイトルは「セプテーニと新規事業と私」。セプテーニグループ × 新規事業というテーマに関係の深いゲストを招き、様々な角度からセプテーニグループと新規事業、そして「あなた」の関係性や可能性を探り、解き明かしていくことを目指す音声番組です。

初回である今回は、セプテーニグループの中でも最大規模のデジタルマーケティング事業を担うSepteni Japan株式会社の責任者、清水雄介。グループ内では最も新規事業と縁遠い気もする同社ですが、彼(以下:雄介)の考えとはいかに。

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株式会社セプテーニおよびSepteni Japan株式会社
代表取締役社長 清水 雄介

※ラジオ本編はセプテーニグループ内限定での公開ですが、グループ外のみなさまにもセプテーニが力を入れる新規事業への取り組みについてお伝えすべく、この記事ではラジオの内容を一部編集してお届けいたします。


オープニングトーク


加来:
みなさんこんにちは。はじまりました「セプテーニと新規事業と私」。初回のゲストは、セプテーニグループの最大勢力、Septeni Japanの代表取締役社長 清水雄介さんです。


雄介:
今日はよろしくお願いします。楽しそうな企画に呼んでくれてありがとうございます。


加来:
他己紹介をすると、雄介くんと僕は2006年セプテーニ新卒入社の同期。当時、セプテーニが今よりもっとベンチャー的な企業だったとき、その中でもさらに新設の金融クライアント専任の部門に新卒で配属された数少ない一人が雄介くん。キャリアのスタートから新規事業的だなという印象でした。

さらに我々の入社した2006年あたりって、インターネット広告が盛り上がり始めていたときなので、扱う商材やオリエンも常に目新しくて。スマホとかSNSとか、PR・キャンペーン的なデジタル広告予算もどんどん増えていったりとか。そんな環境の中で雄介くんは、既存事業の中でも新規事業的なキャリアを積んできたのかなと。

そうして現在はグループの中でも、新規事業を生み出すコンテストの中で審査員の常連です。そしてなにより、新規事業の責任者を輩出していく確率が、一番高い部門の責任者なので。なかなか普段は聞けないジレンマなどがあるんじゃないかなと思って、今回お呼びしました。

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↑ パーソナリティ・加来 幸樹(サインコサイン)


彼野人:
なるほど、そういう意図があったんですね(笑)。
gen-tenサロンの参加者ってほとんどがセプテーニ・ジャパンから来ているので、責任者である雄介さんから見てどういう考えを持っているのかを聞きたくて、僕は呼びたいと思っていました。

加来:
彼野人くんはいまはセプテーニ・インキュベート所属ですが、新卒のキャリアスタートは当時の雄介くんの部署だったという師弟関係ですね。


彼野人:
僕が1年目のとき、1on1で「新規事業やりたいです」と言ったら背中を押してもらえたんです。それでgen-tenに出場しました!もう7〜8年くらい前ですけど。

雄介:
彼野人が新規事業チャレンジするときの上司だったんだよね。

加来:
ということで、いろんな切り口で話していけたらなと思っています。

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↑ パーソナリティ・斉藤 彼野人(セプテーニ・インキュベート)


新規事業は、育成のための手段じゃない


加来:
早速なのですが、2006年入社の雄介くんは、ずばり今セプテーニグループにおける新規事業をどんな風に考えていますか?


雄介:
3つあります。1つ目は、象徴的なものとしての存在。この概念とか取り組みがないと、グループらしさが根底からなくなる。セプテーニにおいてはすごく象徴的なものです。

一方で、2つ目は、決して「育成の場」になってほしくないなと思っています。グループのアイデンティティとして、商人つまり経営者を生み出すための共同体がセプテーニグループであり、ひとつの手段が新規事業ってことはなんの違和感もなく整合性が取れます。ただし、人が成長する手段は必ずしも新規事業でなくても良いし、これを育成の場と捉えてしまうと、一番大事な個人としての資質が欠損してしまうなと。グループにおいては、育成の場ではない。これはグループが新しいフェーズを迎えている今だからこそ、抑えておきたいポイントです。

そして3つ目。セプテーニグループだけに限らず新規事業は挑戦なので、全ての人が新規事業という概念を持つべきだと思っています。


彼野人:
良いこと言うなあ。


加来:
象徴っていうのは僕もそう思います。ここがグループのアイデンティティだなって気持ちは、日に日に強くなっていく。

一方で育成の場にしないってことで言うと、雄介くんはいま、どういう人が新規事業やるべきだと思う?


雄介:
育成の場じゃないっていうのは棘のある表現なので、補足しますね。
長年この制度を動かしていると若干感じるのは、現在のジョブや環境を変えるために、新規事業をやっているケースも少なからずあるのではないかということ。もちろんみんながそうじゃないけれど。

現在の仕事に不満がある中で、この会社は身近に新規事業があることもあって、切り替えるための手段として新規事業をチョイスしてしまっている可能性もあるかもしれないなと。

ただ不満の解消のために、何かを変え“ざるを得ない”と思ってトライする人は絶対ダメ。gen-tenの審査員をさせてもらっているとき、最初に見るのは、この人は“ざるを得ない”人なのかどうか。プランコンテストだけなら通すかもしれないけど、責任者には選べないですね。

だから反対に新規事業をやってほしい人は、シンプルにめちゃくちゃ意志を持っている人。こうありたい、なりたい、こうしたい。って。

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ゲスト・清水 雄介(Septeni Japan)


彼野人:
環境を変えたい!ってことの目的に使ってほしくないですよね。


雄介:
そう。目の前のことから逃げる人は、きっと成功しない。目の前のものから一度でも逃げたら……いや、人生は逃げてもいいんですけど。でもその手段に新規事業をやっても、そのタイミングでは成功しない。たとえ一発あたっても、続かない。


アントレプレナーシップの「姿勢」と「行動」


加来:
Septeni Japanは会社の規模が非常に大きいですが、それでも強い意志のあるメンバーはいるなって思いますか。


雄介:
そうだね。Septeni Japanのメンバーは、むちゃくちゃ魅力的で、優秀。なんで魅力的かっていうと、意志があるからなんですよ。

むしろ全員に新規事業にトライできる資質があるのが、魅力の源泉。新規事業を考えるにあたって、意志を持っている人がいるかいないかでいうと、全員そんな資質を持っているのがSepteni Japanかなと。


加来:
では代表としての立場から見て、意志さえあればSepteni Japanのメンバーが新規事業にチャレンジすることを心から歓迎して応援できるのか。それとも3つ目の考え方として言っていた、新規事業は概念として、姿勢として持っておけば良いので(独立しないでほしい)ということなのかはどちらですか。


雄介:
結論で言うと両方。後者の概念的なものっていうのは、冒頭に話した通り、皆が持ち合わせるもの。


彼野人:
アントレプレナーシップってことですよね。

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セプテーニグループのミッション「ひとりひとりのアントレプレナーシップで世界を元気に」


雄介:
まさにそう。アントレプレナーシップなんて僕たちが涎が出るくらい好きな言葉だと思うんですけど(笑)。

つまり今持ち合わせているカードの中ではまかないきれないものを、飛び越えて挑戦していこうぜっていうものなので。概念的なものは全員が持ち合わせているべきである。

その上で、行動的なアントレプレナーシップで言うと、全員が自分がやりたいものを手がけていく世界は、理想であり残酷だなと思います。

何者でもないAくんが新たなチャレンジをするときに、ベットできる規模や期待は限りなく少なくて。一方でいま彼野人くんが新たに事業を起こそうと思ったら、当然規模や期待は大きくなる。で、後者のほうが、僕は手がけていくべきだなと思っています。

つまり行動としての新規事業をやれる人、もしくはやれる機会や、規模感っていうのは、その人に応じて変わるものだと思います。


加来:
雄介くんは、応援するかどうかっていうときも、そこを見ているってことですよね。いついつ誰々に抜けられたら困るなってことではなく。その人の意志を実現する行動として、新規事業が相応しいかどうかを見極めている。その上で後押しするか、止めるかを判断していると。


雄介:
止めることは基本的にはないんですけど、なぜお前がやるの?なんでそれなの?ってことには突っ込みます。僕みたいなやつがフィルターにいすぎると良くはないと思うんですけど、ひとりくらいは必要な存在かなと。

無条件では良いものは生まれないし、僕みたいなものの壁を越えられないものは、世の中に出て行ったところで大したものにはならないだろうと思います。


エース人材の独立を、どう捉える?


彼野人:
少数の人材をどうアサインしていくか、グループ全体を考えたときには非常に難しい経営判断じゃないですか。中堅とかエースクラスの中で、デジタルマーケティングをやってもらいたい人材が「新規事業やりたいです」というと、送り出す側からすると手放しにくいなって話があると思います。そのあたりはどうですか。

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雄介:
中堅やエースクラスのような、活躍してくれている人材が新規事業に挑戦するのは、ちゃんと連動しているなと思っていて。

新規事業に限らず新しい挑戦において、一定の経験なり実績は必要だと思うんです。もちろん鶏と卵どっちが先かじゃないですけど、実績がないと新規事業ができないならいつまでもできないし、っていうのもあるので、境目は曖昧ですけど。ただエース層が挑戦するのは結構合理的なんじゃないかとは思います。


加来:
すごい、柔軟ですね。予想以上に。もっと経営者目線と個人の目線とを分けて考えているのかなって勝手に想像していたので、滑らかで素晴らしいなってただ感心してしまいます。


彼野人:
それを聞いて改めて思ったのは、結局のところ「やりたい」っていう人間って止められないなって。チャレンジする覚悟を決めちゃった人材って、その時点でもう会社の中に閉じ込められないんですよね。


雄介:
それはもう、人と向き合っていく上での原理原則だなと思っていて。人の意志を、他人が止めるなんてことは基本的に許されないんですよ。

その上で僕が意識しているのは、再チャレンジのしやすさ。Septeni Japan内で新規事業をやるのか、セプテーニ・インキュベートで独立するのかという部分です。どちらが良いという話じゃなくて、セプテーニ・インキュベートに行くほうがやっぱり、不退転の覚悟が必要になってきます。成果が出なくてももちろんキャリアや人生が終わるわけじゃないけど、次はどうするんだって。

だから事業内の新規事業においては、挑戦を博打にしない。失敗してもこれだったら死なないなって環境をつくることが、Septeni Japanの責任者としての役割だと捉えています。


既存事業と新規事業の循環で、失敗できる環境づくり


彼野人:

すごく大事な仕組みですよね。やっぱり新規事業やるときに、本人に対しても会社に対しても、経験値が貯まるフィールドを選ぶことって大事だと思っていて。

セプテーニ・インキュベート内でやる新規事業は基本的にデジタルマーケティングから離れた領域になる場合が多いんですけど、本人に対しては、10年戦えるフィールドなのかってことを結構求めていて。ブロックチェーンがダメだったから、D2Cやりますみたいな切り替え方をしていると、知識も経験も全然溜まっていかない。

そういう意味では、経験値の貯まりやすさは事業内新規事業のほうが、回転数は上げやすいですよね。


雄介:
そうだと思う。そんなにいろいろピボットしながら、とんでもない距離感を出すような挑戦を続けられる人っていうのは、やっぱり限られた人しかいない。

でもじゃあ挑戦が限られた人にだけ与えられた特権かっていうと、もちろんそうではないので。個人のスキルの幅がある中でいかに挑戦の数を増やしていくかっていうのが、事業責任者の勝負だと思っているし。


加来:
失敗できる環境づくりっていうのは、まさに重要。セプテーニ・インキュベートの中においても、うまくいかなくても経験値が貯まる後押しをしていくのが、僕たちであって。さらにその経験値を得た人材に、例えばSepteni Japanの中で相応しいポジションをつくって、また次のチャレンジをつくっていく。そういうことを一緒にやっていけると良いよね。

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雄介:
まさにそう。革新を遂げていくためには、同じドメインの人や中身以外のものを、いかに取り込んで掛け合わせるかっていうのが重要じゃないですか。ただ新規事業を起こすだけではなく、新たなエッセンスを既存の事業にインストールしていくためにも、セプテーニ・インキュベートっていうセクターは絶対に必要だと思うんですよ。

だから僕たち既存事業の責任者としては、セプテーニ・インキュベートで失敗したことから得られた学びを、「あー、Septeni Japanで還元したい!」って思ってもらえるように。事業としての魅力をあげていくっていうのが必須科目だと思っています。それを頑張りますってことを、今日は皆さんに伝えておこうと思って(笑)。


彼野人:
意思表明(笑)。


雄介:
なんかすごく偉そうに話しちゃったんですけど、新たな挑戦をした後、なかなか既存事業に戻らないっていうのは、魅力がないのかなって。だとしたらそこはちゃんと目を背けずに。そこの魅力が上がっていけば、セプテーニ・インキュベートと良い循環が埋めるんじゃないかなと思っています。頑張ります。


加来:
素晴らしいですね、ありがとうございます。これを聞いている人がぜひ、セプテーニと新規事業と私の「私」の中に自分も入るし、ここで話しているそれぞれも入っていると感じてもらえればと思います。

あらためて、ひとりひとりがアントレプレナーシップを発揮していけば、世界も元気になるんじゃないかなと。良い気持ちになる数十分でした。


彼野人:
今日話を聞いて、やっぱりいつどこでチャレンジするのかは関係ないなって、改めて思えました。ただ注意しなきゃいけないのは、自然発生的に意志を固めたり、挑戦のフィールドを決められたりするタイミングってなかなかないので。そのタイミングを用意してあげるのがいまは新規事業コンテスト・gen-tenなんですが、あれほど大袈裟じゃない形で、もう少し自分の方向性や可能性を探索できる場があれば良いなと。興味があるからちょっと走ってみたいなというときに、後押しできるようなことをやっていきたいなと思いました。

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雄介:
2人とも今日はありがとうございました。やっぱりセプテーニグループにおいて新規事業はすごく象徴的なもので、本質的なものだと思います。一方で、挑戦に酔っちゃダメだなとも思っていて。ちゃんと価値を生むことが仕事なので、挑戦という行為だけに酔うのは良くない。

それが前提にあった上で、今後多くの挑戦が生まれることを願っているし、みなさんとそういう舞台をつくりたいなと思っています。

「セプテーニと新規事業と私」のテーマから遠いように思える僕でも、それくらい近い距離感で新規事業を捉えているってことは、今日再認識できました。


加来:
ありがとうございました。次回もまたゲストを呼んで、話を聞いていきます。ぜひチェックしてください。聞いてくださったみなさん、ありがとうございました。


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