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わからないことはそのままに

メンタル疾患になり、「会社に近づくと吐き気がする」という趣旨の発言をある番組で聞いた。
その時、その言葉にどうしようもなく共感してしまい、涙が出た。

私の場合、仕事でなく、夫婦関係というプライベートで心のバランスが崩れたのだが、
ある特定の場所に近づくと吐き気や頭痛に襲われるという症状は同じだった。

頭では「大丈夫」だと思っているのに、体の症状は止められない。
「自分の心って、こんなにナイーブだったっけ?」と思いながら、なかなか当時は体の不調を受け入れられなかった。

最終的に私は離婚という選択をするわけだけど、この経験を通して私は、「自分のことをびっくりするくらいわかっていなかった」、そして「わからないことを無理に解釈するのではなく、わからないままにしておくことって大事」ということを学んだ。

今思えば、夫婦関係というのは1つのキッカケであって、その前から私は自分の中にある、いくつかの要素を抑え込んで、ないものにしようとしながら生きていたんだと思う。
それが夫婦関係を通して表出し、心と身体に衝撃を与えたのだ。
夫が受けた衝撃もすごく大きかったと思うし、彼に対しては今でも申し訳ない気持ちになる。

すっかり昔の出来事だと思っていたけれど、番組を聴きながら涙を流したということは、あの体験は私にしっかり刻み込まれているみたいだ。

今も、何かを抑え込みながら生きているのかもしれない。
それはわからない。
でもあの時と違うのは、自分はあまりにも自分のことがわかっていないということを少しはわかっていることだと思う。

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