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ピンチのときに、無くなるもの

「かわいそうだけど、網膜剥離です。紹介状を書くから、明日、朝一で大きな病院を受診してください。今から予約とりますね。」

え、なに?モウマクハクリ…??
目が疲れてんのかなと思って病院にきたけど、そんなヤバそうなやつだとは思ってもみなかった。え、網膜剥離って目がどうなるやつだっけ…??

ってか、朝一は行けないよ。仕事あるもん。

――あのぅ、夕方以降なら行けるのですが、その時間で予約とれますか?

「いえ、朝一番で行ってください。もう、そういう状況じゃないです」

・・・

これは、先月私の身におきたことです。
そういう状況じゃないっていうのは、私に選ぶ余地はない状況ってこと。

ピンチの時って、選択肢が無くなるのだなぁと学んだ出来事でした。

もちろん当時はそんなこと考える余裕もなく、ただただ動揺するだけ。入院し、手術を受け、横になりながらぼんやりと回復を待っている間にふと思い至ったことです。

思い返せば、病気が見つかったその後も選べないことの連続。入院・手術の日程も、術式も、全身麻酔をすることも、言われたことを承諾していくしかないことばかり。

「いちばん早く押さえられる手術の日程が、来週の火曜日です。前日から入院してもらいます。どうしますか?」

どうしますか?って言われてもさ、なるべく早いほうがいいってさっき言ってたじゃん、その日程でやってもらうしかないよね。他に選びようがない。むしろ、失明する前に見つかって手術できるんだから、感謝すべきことなんだよねきっと。今は絶望しか感じないけど。

そっか。
だから選ぶ余地があるうちに手を打つのが大事なんだなと、いまさらながら思ったのでした。

気になることがあったときに早めに病院に行けば、何かあったとしても選ぶ余裕がある。
たとえば私の目は完全に網膜がはがれていたので大きな手術が必要だったけど、はがれる前の段階で発見できれば日帰りの簡単な手術ができた。仕事を休まずにすむ日程を選んで治療できたかもしれないんだ。

作れる選択肢もある

早めに動くことで選択肢を広げられるほかに、選択肢をいくつか作っておくことも人生のピンチを救ってくれると再確認しました。

私は、出社が必要なパートの仕事と、家でできる個人事業の仕事をしています。

今回の入院、手術、療養で約1ヵ月は動ける状態ではなくなりました。しかも、急に。

幸いなことに、パート先もクライアントもみんな、「こっちのことは気にしなくていいから、しっかり療養してきて!」と送り出してくれて。これは本当にありがたかった…!

だけど、働けないということは、それだけ収入が減ることを意味します。

たとえばパートは病気休暇になるから、その間は無給です。(いや、働き始めて2ヵ月しか経っていないから、休暇とらせてもらえるだけありがたいのよ。試用期間だったら解雇されてもおかしくないもの。)

個人でやっているライティングの仕事も、稼働できなければ収入はありません。(これだって、「しっかり療養してきてください。待っています」と言ってくれるのは、本当に恵まれていること。)

だけど、私にはブログ運営で入ってくる収入があります。これは、1ヵ月くらい何もしなくても入ってくる収入。あと、わずかだけれど電子書籍の印税もあったわ。

収入源を複数持っておくことで、「1ヶ月の収入ゼロ」というピンチを回避できました。

で、大事なのはここから。
もしもこれが全治3カ月以上の病気やケガだったら、さすがにパートは首になっていたんじゃないかなと思います。でも私には「個人で働く」という選択肢があるので、「大大大ピンチ!」ではなく「ちょっと困った!でもなんとかなるか」で済む。

選択肢が少なくなればなるほど、ピンチの度合いは高くなるから。

そもそも、パートと個人事業を組み合わせているのも、人生の選択肢を広げるために選んだ働き方なんですね。
病気で働けなくなった夫の代わりに働くにあたって、個人事業だけよりも組織にも属していた方がリスクを減らせるかなと思って。雇用保険などの社会保障が充実するからね。

みんなが健康で望む仕事を続けられるのがいちばんだけれど、何があるかわからないのが人生。選択肢を増やす行動がピンチを減らすと心に刻んで生きていきましょー!


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