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亜鉛不足と爪の斑点


1.亜鉛不足と爪の白い斑点

5月に無性に牡蠣が食べたくなって、牡蠣のオイル炒めを食べた日があったのです。
翌日、通勤途中にふと爪を見ると、爪に白い斑点が💦!!
こんなの何十年ぶりだろう。小中学生の頃だったか、大学生の頃だったか、たま~に爪に白い斑点が出たことがあった気がする。

爪の白い斑点って亜鉛不足のサイン。本当かななんて思っていたら、10日後くらいに久しぶりに風邪をひいたのよね。
数日ぐずついたけれど、分子栄養学で学んだ知識総動員でしっかり栄養盛って回復。嗅覚も味覚も問題なし。
亜鉛は、コロナの重症化と関連があるということなので、気をつけて摂っていたから、そろそろ満ちていると思ったのだけれどね。
子どもの頃も爪に白い斑点ができた記憶があるところを見ると、きっと亜鉛が不足しやすい体質なのだろうな。
この爪の斑点は、いくら栄養盛っても、爪が伸びて、斑点が爪の先まで動いて、切らないと消えなかったな~、子どもの頃の記憶が蘇ってきました。

15日経過ごとの斑点移動


意識して亜鉛を摂るようにして、1か月半くらい爪とともに爪の先にゆっくり移動していく亜鉛不足の斑点を観察していました☺。①が初めて斑点を見つけた時。②③と徐々に上方に向かう斑点。④は爪の先の白い部分に近づいた最後の斑点☺
結局今回は2か月くらいかかって斑点部分の爪を切ることができました。

2.亜鉛の摂取基準と亜鉛の多い食材

「日本人の食事摂取基準(2020年版)では1日の摂取の推奨量は18~74歳の男性で11mg、75歳以上の男性で10mg、18歳以上の女性で8mg」[1]と言われています。やはり、牡蠣が一番効率よく摂れそうですね。

以下、「亜鉛で元気、 亜鉛を含む食品」[2]に上げられている、取り入れやすい亜鉛含有食品です。

牡蠣 60 g / 5粒 7.9 mg
豚レバー 70 g 4.8 mg
牛肩肉(赤肉、生) 70 g 4.0 mg
牛レバー 70 g 2.7 mg
鶏レバー 70 g 2.3 mg
ほたて貝(生) 60 g / 3個 1.6 mg
うなぎ 80 g / 半尾 1.1 mg
米飯(精白米) 150 g / 茶碗1杯 0.9 mg
木綿豆腐 150 g / 半丁 0.9 mg
納豆 40 g / 1パック 0.8 mg
煮干し 10 g / 5尾 0.7 mg
アーモンド(フライ) 15 g / 10尾 0.7 mg
卵黄 16 g / 1個 0.7 mg

亜鉛は、割と食卓に上りやすい食材から摂れますね。ただ、それぞれの食品の亜鉛含有量は非常に少ないから、意識していろいろな食品を摂るといいですね。

3.亜鉛の効力

それにしても、亜鉛って凄いミネラル🥰
日本生活習慣予防協会[3]によると、「亜鉛は免疫機能に必須」「亜鉛はコロナウイルスの複製を阻害」「亜鉛が風邪や肺炎を予防・改善する」「医薬品が亜鉛を低下させる」「亜鉛不足ではCOVID-19が重症化し予後不良となる」とあるように、亜鉛は感染症対策に外せない重要なミネラル❣️
亜鉛は抜け毛、脱毛(円形脱毛症)や、生殖機能、成長期の低身長などにも影響を及ぼす栄養素でもあり、胃腸とも密接な関係があります。
抜け毛や脱毛で思い出すのは、中学生の頃、友人が授業中髪を触っていたら、やたらと髪の毛が抜けると言って、「白血病かもしれない!」と涙声になっていたこと。白血病どころか、今も元気にぴんぴんしているこの友人。当時は、亜鉛不足だったのかもしれません。
有沢洋子(2001)[4]によれば、亜鉛は昔から「キズ薬として使われてきた」[4]のだそう。また、亜鉛には発がんを抑制する働きもあるし、「インシュリンの働きを持続させる力もある」ため、糖尿病にも亜鉛不足の要因が絡んでいるとのこと。また。「亜鉛は中枢神経系の機能にも深くかかわ」るミネラルで、ビタミンAとともに、眼にも大いに関係しているということ。さらには、免疫力や花粉症などのアレルギー改善にも効果を奏するミネラルなのだそうです。
また、カルシウムがイライラを抑えると言われてきましたが、実は「カルシウムが細胞に入っていく際に必要なミネラル」が亜鉛だから、イライラやキレるような人は亜鉛不足の可能性もあるのですね。
さらに、脳の発育や、記憶力にも亜鉛不足は影響があるということ。なぜなら「海馬に多量の亜鉛が含まれている」うえ「大脳皮質や松果体」[4]にも多く含まれているからだそう。

安藤麻希子先生(マッキー先生)[5]は、特に子どもの亜鉛不足について、Instagramでたくさんの情報を発信しています。
[5]https://www.instagram.com/dr.makiko_ando
例えば、亜鉛欠乏と不登校、発達障害と亜鉛、貧血と亜鉛、腸活と亜鉛など。子どもの頃からの亜鉛摂取の大切さがわかりますね。
また、テケ女(鉄欠乏女子)の情報発信をされている奥平智之先生[6]によれば「亜鉛は『ビタミンDサポーター』だから、「ビタミンDの効果を発揮させるのに」亜鉛が大切とのこと。そして「ストレスが多い人に亜鉛欠乏が多い」そう。「亜鉛が欠乏しているとビタミンDが欠乏しやすくなる」し「亜鉛をキチンと補給しているとビタミンDの血中濃度も上がってくる」とのこと。
コロナの重症化は亜鉛不足とビタミンD不足の方だったという情報がありましたが、亜鉛とビタミンDとの関連がわかると納得ですね。
ふ~っ💦
亜鉛って、本当にありとあらゆる面に影響を及ぼす大切なミネラルですね。
でも不足している人が多いそうなので、充分に満たしておきたいですね。

4.亜鉛阻害要因

亜鉛不足だと、本当に免疫力が下がると実感してます。うっかりすると口内が荒れます。
亜鉛は摂取しにくいミネラルとはいえ、それにしても、なんだか最近、亜鉛の消耗が激しい気がするのです。
夏だから、亜鉛は発汗で排泄もありそうだし、腸が整っていなければ、消化吸収できず便と一緒に排泄されてしまいます。アルコールの多飲や激しい運動でも亜鉛は消耗するし、成長期は亜鉛の消費が激しいですね。
また、「コーヒー、オレンジジュース、カルシウム、未精製の小麦や種子等の穀類・豆類に多く含まれる「フィチン酸」」[7]が亜鉛の吸収を阻害するのですね。
さらに、有沢洋子[4]亜鉛によれば抗生物質、抗リウマチ剤、抗甲状腺剤、降圧剤、筋弛緩剤および抗パーキンソン剤、血管拡張剤、鎮吐剤などは亜鉛の働きを阻害する薬もあるそうです。

さらに、有沢洋子[4]によれば、欧米人は亜鉛を「肉やチーズから摂取」しているので亜鉛不足になりにくいけれど、「和食はもともと亜鉛が摂りにくい食文化」なのだそう。しかも、その少ない亜鉛はご飯から摂取していたけれど、パン食になってきたことで、より亜鉛が減少しているのだそう。
パン食は、パンに含まれるフィチン酸という食品添加物が亜鉛の吸収を妨げているという背景もあるといいます。フィチン剤以外にも添加物にも「亜鉛の吸収や働きを妨害する」[4]ものがたくさんあるということ。
亜鉛は、もともと摂りにくいうえ、消耗が激しいミネラルであること。さらにミネラルが抜けた加工食品を摂ることや、ミネラルを阻害する添加物の摂取でも現代人のミネラル不足、亜鉛不足に拍車がかかっているのですね。
亜鉛はやっぱり意識して積極的に摂取した方がいいですね。

5.亜鉛摂取の経験談

ある友人は、亜鉛で風邪を回復したけれど、何でもないのに亜鉛摂ったら吐き気が酷かったそう。過剰もダメね。ただし、もし空腹時に亜鉛を摂って吐き気をもよおしたのであれば、「胃の粘膜に直接亜鉛がついて反応を起こす事なので問題ない」[4]そうなので、その辺りも気をつけてみると良さそうです。
また、別の友人は海外から帰国して酷い下痢が続いたため、いろいろ調べて亜鉛を摂ったら、下痢の小児に亜鉛を投与する[8](これかな)という情報を見つけ、小児が亜鉛を摂るなら、大人だって大丈夫だと思い、亜鉛を摂取してすぐに治ったとのこと。亜鉛は腸で酵素の活性化を促すうえ、免疫機能にも関係しているから、下痢に効果があるのかな。
日頃から自分の体の傾向を知っておくことや、亜鉛不足の症状を知っておくことなどが重要ですね。

6.追記 亜鉛と鉄の関係

亜鉛不足の症状がイライラや、被害妄想、怒りっぽいとか、貧血など、鉄不足の症状と似ているなと思っていたのですが、鉄と亜鉛にも強い関係があるのですね。
坂尻ら(2020)[9]によれば「鉄欠乏貧血の多くは亜鉛欠乏を併発していることが報告されている」のだそうで、「亜鉛欠乏状態になると生体内の鉄が利用しにくくなり、鉄欠欠乏貧血になると考えられる」として「鉄代謝機構に亜鉛が直接かかわる」ことを発見し、「鉄の移動に亜鉛が関与している」ことを明らかにしたということです。亜鉛と鉄の関係を知ると、いろいろ納得です。
ミネラルはブラザーイオンと呼ばれるものもあり、相互に働くものだということがよくわかります。
また2型糖尿病と亜鉛濃度に関する研究では、「2型糖尿病患者の平均血清亜鉛濃度は健常対照より有意に低い」[10]ことが明らかになったそう。なるほど、亜鉛不足は血糖にも影響があったわけね。
お子様の亜鉛不足に関しては、「小児科医が教える『亜鉛不足の子ども』が増加中! 長期的な不調の原因に」[11]も参考になりそうです。

7.おまけ―亜鉛以外の風邪や感染症の初期対策(ビタミンC)

風邪や感染症対策や、初期症状にはビタミンCを一時間おきに1g、下痢寸前まで摂る方法は何度も試してうまくいっています。
ビタミンCを摂る方法は、数年前に、出張の前に酷い風邪をひき、出張が危ぶまれたとき、薬をもらいに近所の耳鼻科に行ったところ、先生に、ビタミンC点滴やってみますかと言われたことがきっかけでした。
先生は、「私は、冬は毎週点滴をしている」というようなことをおっしゃっていて、試しにビタミンC点滴をしてもらったら、なんと速攻元気になって、翌日からの出張に行くことができたのです。
その時に、あー、お医者さんは、インフルの時期も休まず、うつされずに営業(診察)できるのは、ビタミンC点滴という武器を持っていたからだったのか・・・と納得しました。
そして、毎回風邪のたびに点滴してもらうわけにもいかないため、ビタミンCのサプリを摂るようになったのです。
風邪をひきかけた時、チャンス!と思って、1時間おきにビタミンC1000㎎を飲んで6~10g位飲むと、たいてい翌日には治ります。(これは、精神科医の藤川徳美先生もおっしゃっている方法でもあります。)
ビタミンCで初期対応ができるようになってからは、めったに風邪をひくことがなくなり、風邪で医者にかかることはなくなりました。

他にビタミンB群で治すという方もいらっしゃるようだし、亜鉛やビタミンDを摂る方、葛根湯を飲む方もいらっしゃいます。個体差がありますね。
いろいろ試して、風邪くらいは自分で治せる体にしておけるといいですね。

では、今日も良い一日を!


参考文献

[1]亜鉛の働きと1日の摂取量『健康長寿ネット』
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-zn-cu.html
[2]「亜鉛を含む食品」『ノーベルファーマ』
https://www.aendegenki.jp/%E4%BA%9C%E9%89%9B%E3%82%92%E5%90%AB%E3%82%80%E9%A3%9F%E5%93%81/
[3]『日本生活習慣病予防協会』
https://seikatsusyukanbyo.com/main/opinion/011.php
[4]有沢祥子(2001)『信じられないほどの効果が出る!必須ミネラル「亜鉛」超健康法』
[5]マッキー先生の分子栄養学
https://www.instagram.com/dr.makiko_ando
https://www.instagram.com/p/CubxUv6OINb/?img_index=1
[6]テケ女
https://www.facebook.com/mentalhealth.net
[7] 低亜鉛血症―亜鉛が不足する原因
[8]小児における下痢の治療を目的とした経口亜鉛補給
https://www.cochrane.org/ja/CD005436/INFECTN_xiao-er-niokeruxia-li-nozhi-liao-womu-de-tositajing-kou-ya-qian-bu-gei?fbclid=IwAR0y7JI9155Y5WDyHguvbZbUPtyLgAtSI5DAYuF5qCJCqvAPE3WEOKHvpAkhttps://www.nobelpharma.co.jp/general/lowzinc/02/
[9]坂尻 徹也(2020)『 鉄欠乏性貧血症に関わるタンパク質間相互作用ならびに亜鉛との関連性の解明』
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18K11133/?fbclid=IwAR1karSrgYgmMH2f-zV_gW6QOWFSyBm1ec2DKvGHLrGKXup-nsJueQ3SUkE
[10]Hirokazu@hirokazupapi
https://twitter.com/hirokazupapi/status/1709010549722447938?s=06

[11]DIAMOND online (20230210) 伊藤明子【小児科医が教える】「亜鉛不足の子ども」が増加中! 長期的な不調の原因に
https://diamond.jp/articles/-/317402?fbclid=IwAR1J1yyqFQs_5WzhOhK3N_qsNzvZgqA2Dn7EZgLJ63ppBWUGDXgOFG4tCCI


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