設計事務所にとっての「営業」とは?
こんにちは。
本日は、大晦日です。ブログを開設して少ししか経っておりませんが、色々な方にご覧いただき、ポジティブな感想を頂き、驚くと共に感謝を感じております。来年の皆様の活躍をお祈りするとともに、それに少しでも役立つ内容を書けたらと思っている次第です。引き続きどうぞ宜しくお願いいたします。
先程、twitterを眺めていたのですが、その中で「営業」について書いてあるという本が話題になっているというのを目にしたんです。その時、設計事務所の営業をテーマに少し文章が書けるかなと思って、ブログを書き始めてみました。
「営業」という言葉。建築学生時代には、ちょっと怖いくらいのイメージでした。その時のイメージは、いわゆる訪問営業(企業や会社にアポなしで訪問して自社の製品を売り込む)みたいなもので、それに必要とされる度胸・メンタルやスキルを想像しては、恐れおののいていました。。(笑)
実際に、組織事務所に就職して、最初の年は、様々なメーカーさんの訪問営業の話を聞く事も新人の仕事でしたので、様々な方々の話を聞きました。この時は、営業を受ける方でしたが、短時間で自社の製品をPRすること、数多の競合の中から選んで貰うという事の難しさを、逆の立場からですが、感じたものです。。
ともかく、学生時代・社会人初期時代には、「営業」というものは、難しくて・怖いものだと思い込んでいました。
時代が流れ、様々な経験をして、自身で事業を立ち上げる経験をした今、私自身の「営業」に対するイメージはだいぶ変わっています。
今思うと昔の自分が思っていた「営業」って凄く狭い視点での手法の話だったんだなあと思いました。より視野を広げてみると、様々な営業のやり方があり、さらにインターネットの普及した今では、本当に無数のバリエーションの営業法があるなあとも思うのです。
では、私が、現在イメージしている「営業」を、別の言葉で表してみると
「自身とお客さん(になるかもしれない人)が接する場を拡大していくこと」
といえるような気がします。
モノを売るために直接的に説明したり、企業を訪問したりするのは、その一部であって営業の本質ではないのではと思うのです。
例えば、建築設計を生業とする人がいるとします、その人が、色々なイベントに出かけていく、そして、色々な人と出会い話をする。もしくは自身でイベントを企画してしまう。また、ウェブサイトを開設したり、SNSを利用したりして、自身の趣味や仕事、考えを発信していく、そしてそこで人とのつながりを拡大していく。このような実際に自身の仕事の説明をしなくても、人との繋がりを意識的に拡大していくことが、回り回って自身の仕事に繋がってくる。
それが、私が考えている営業のイメージです。
これは、一部では、昔ながらの方法と言えると思います。ただ、違うのは、インターネットを使用する事ができる現在では、現実の場とは異なる手法で、お客さんになるかもしれない人との繋がりを拡大することができるということだと思います。
多くの人が、twitterやfacebookの投稿を眺めるのに一日の多くの時間を割いている時代です。そして、ほとんどの人が何かを探す際にgoogleで検索する時代です。自身の存在を、それらを上手く活用して、日常的に発信していくことは、確実に、自身とお客さん(になるかもしれない人)との接点を増やしていくのに効果があると思います。
後半の「接する場を拡大していく」という事について、もう少し書いてみたいと思います。これは、ウェブサイトの用語で例えるとすれば、自身への「流入経路」を増やすということになるでしょうか。
ウェブサイトであるアーキテクチャーフォトを例に挙げてみますと、google検索、yahoo検索でのサイトへのユーザーの流入は勿論のこと、twitter、facebookでも情報を発信する事で、アーキテクチャーフォトへのユーザーの流入経路を沢山作るように意識しています。また、twitterアカウントは、オンラインショップのもの、求人サイトのものも別に存在しており、それらを閲覧してくださっている方が、アーキテクチャーフォトに訪問してくれるという事も考えられるわけです。つまり、意識的に情報の発信する場を増やしていき、様々な人が、最終的に、アーキテクチャーフォトにたどり着く仕組みをつくる事で、多くの人に見てもらう事ができるようになるわけです。(それぞれのチェネルでユーザー層は異なりますから。)
これは、ウェブの仕組みを例に書きましたが、現実の世界でもそのようなチャンネルを増やすことは可能ですし、インターネット・SNS・ブログを活用して、情報発信に意識的になる事で、自身への複数の流入経路をつくることができると思うのです。
誰が言っていたのか失念してしまったのですが、「最高の営業マンとは、それが必要になった時に、その人の隣にいることができる人のこと」というニュアンスの言葉が、私の中に凄く印象に残っています。
つまり、設計者を例にすると、建築物を建てたいとある人の頭に浮かんだ時に、その人の隣にいることができるか、もしくはその人の頭の中にまず思い浮かんで貰えるのか。という事だと思います。
リアルな場で隣にいる事はかなり難しいと思いますが、SNS上では、比較的それが可能なのではとも思ったりします。そして、流入経路をたくさん作っておくほどに、そう思ってくれる人は増えるはずです。
是非、インターネットを活用して、自身への流入経路を増やすことに意識的になってみてください。それが回り回って素晴らしい「営業」になるのではと思います。
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2018/2/22追記。
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