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クライアントに感謝すること。竹原義二さんの感動的なスピーチ

昨日参加させて頂いた内覧会で伺った、建築家・竹原義二さんのスピーチが感動的でした。

私は、竹原さんのその風貌や完成した緊張感のある建築から、言わば「巨匠」のようなイメージを想像していましたし、その巨匠が話す内容は非常に建築的・思想的なものであるのではと、勝手に思い込んでいました。

当日の、竹原さんのスピーチは、その建築についての技術的な指摘・批評から始まりました。様々なディテールを竹原さんの豊富な経験により批評。ここまでは、イメージ通りだなと感じていました。
その後、施工者への労いを語った後、竹原さんが、最後に最も時間を割き、熱く語ったのは、この建築が実現する事になったクライアントへの「絶賛」だったのでした。
様々な計画やディテールが実現したことは、全て、クライアントがそれに価値を感じ受け入れてくれたからであること。それを、凄く心のこもった言葉で熱く語られて、スピーチは終わりました。

(スピーチ後もクライアントご夫妻に、感謝を伝える竹原さんの姿が、そこにはありました。)

私は、巨匠である、あの竹原さんが、クライアントに、熱く感謝の言葉を投げかける様子を見ていて、本当に感動してしまいました。

そして、改めて「建築」というものがクライアントの理解や勇気によって実現しているのだと再確認し、それをしっかりと言葉にして伝える義務があるのだなと感じました。

素晴らしい建築を実現したのは、建築家の構想の力でもありますが、それと同時にそれを理解してくれたクライアントの力でもあるわけです。

私は、これからそのようなクライアントと話す機会があった際には、建築を実現してくれたことへの感謝を伝えていこうと思いました。

私だけではなく、同じように考え、その感謝を伝える人たちが増えていくことで、建築の周辺にいる人たちが、建築を建てることが価値のあるものだと、より認識してくれるようになるのではないかと思ったりもしました。それは、回り回って、建築を生業とする私たち自身を助けてくれることになるのかなあとも思いました。

皆さんも、是非、「建築」の周辺にいる方々に、感謝を伝えてみてください!

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この内覧会は、静岡県浜松市で行われました。学生が主体となり賃貸集合住宅の内装改修を計画し、竹原義二・天内大樹・木村吉成・中村紀章・平野和洋という建築関係者達のワークショップを経て、実現させるという試みでした。

この企画は、浜松の企業「株式会社Re・lation」の発案から始まったもののようで、その企画に賛同した建築家たちが、講師として、参加し、実施案については、中村×建築設計事務所がサポートしたとの事です。

出来あがった内装2件も非常に興味深いもので、そこに関わった建築学生が、生き生きと説明している様子も素晴らしいものでした。

私たちは、設計の周辺におられて、建築家の活動をバックアップしてくれている株式会社Re・lationさんのような企業にも感謝をしなければいけないのだなあとも思っていました。(実際に伝えさせていただきました!)

こちらですが、2017/3/5に一般内覧会があるようなので、ご興味あれば是非訪れてみてください。
http://architecturephoto.net/59137/

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