サービスとしてのレファレンス(参照)

(※ChatGTPを使って、本文を350文字に要約してみました)

20年前、スイスの現代建築が日本で注目され、建築における「参照」の概念を知りました。ペーター・メルクリの建築は過去の建築物を参照し、自身の作品を建築の歴史に位置づけていました。現代建築は過去の建築を解釈し、提示することで歴史とつながります。

最近は、地域の文化や特性を参照することが増えています。例えば、MVRDVの上海のブルガリ店舗は中国の翡翠から着想し、へザウィック・スタジオは日本の暖簾を参照してデザインしました。

これは建築を社会に向けたサービスと捉える観点で、地域の要素を参照することが有効だと考えられます。日本国内でも、ninkipen!の今津さんが店舗の内装で施主の人柄を参照し、空間を設計しています。

建築には商品の側面もあり、現代は建築家がサービスを提供する時代に変化しています。参照の概念も進化していると言えるかしれません。

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(※ここから本文です)

いつも読んでいただき誠にありがとうございます。今日も少し、今までにぼんやりと感じていたことが、少しクリアになる感覚があったので、少し書き綴ってみたいと思います。いつもの乱文をご容赦ください。

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ぼくが学生時代だった、20年くらい前、スイスの現代建築がその最前線として日本でも紹介されていました。恐らくその時代に学んだのだと記憶していますが、建築における「参照」という概念を知りました。

ぼくはペーター・メルクリの建築が好きだったので、そのスタジオで行われる指導について書かれたブログや書籍を読み漁っていました。その中で、設計課題等の最初に、自身がこれから設計しようとする、まだ頭の中にある建築を具現化するためのヒントとなる過去の建築物などを事例としてあつめ、それを設計の出発点としたり、議論の対象にしたりしている事を知りました。

それ以前は、アイデアとはゼロからオリジナリティを生み出すというような考え方について触れる機会が多く、参照の考え方には非常に感銘を受けたように記憶しています。そういう建築のつくり方もあったのだなと。

そして、メルクリの建築を見ていると、過去の古典的建築物を意図的に参照する事によって、自身の作品を建築の歴史の中に位置づけることが出来るという事が分かりました。

現代において建築とつくり、それを建築として評価するというのは、少なからず、歴史の最前線の第一歩を進めるという事が必要であり、その方法論のひとつとして、過去の建築を読み解き、現代的に解釈して、提示するという方法があるのだと思います。

この視点は、何か才能とかセンスのような概念とは少し違っていて、何か論理性のような物を感じたのか、当時の僕はこの「参照」という概念に魅了されました。

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ここまでに、学生時代の話を書いてきましたが、メディアを生業とし、様々な世界的建築家の作品を、自社メディアで特集するようになったのですが、最近で、違った視点での「参照」をよく目にすることに自覚的になりました。

OMA、MVRDV、BIGなどのスターアーキテクトと呼ばれるファームの文章を読んでいると気づくことがあります。

それは、自身の作品のアイデアソースや参照元として、その建築が建てられる地域の地形や、固有の文化、嗜好性などを説明する事が非常に多いのです。

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