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2年半切磋琢磨してきた仲間をスタンドから見るとどのような光景が……(高知高校OB 桑原理人インタビュー)

父の背中を追いかけて入学を決意

――野球を始めたきっかけを教えてください
 僕の父の話になるのですが父が高知高校の野球部出身で、僕も小学3年生から野球を始めました。中学校に進学する時に地元の公立中に行くか迷ってたのですが、高校は高知高校に行くと決めていたのでどうせ行くなら付属の中学校から6年間行こうと考えて、付属の中学校からそのまま高知高校に行って野球をしていました。

365日毎日頭の中は野球の事でいっぱい

――当時の高校時代で掲げていた目標は何でしたか?
 僕たちが掲げてた目標は夏の甲子園で優勝することです。

――その目標を掲げていた当時の思いや練習への姿勢について教えてください
 勝つために全員が一致した目的を持っていて、そのためにプライベートの日でも遊びに行くんじゃなく身体のケアに時間を注ぐなどしていました。練習中も友達とか関係なくキツく言い合って、厳しく取り組みながらやっていたと思います。

――当時目標を目指していた中で印象に残っていることやエピソードなど教えてください
 高校2年の時に県大会で早期敗退してしまい、当時のキャプテンだったやつが「野球をやめる」と言い出してチームが真っ二つになってしまいました。そこから僕らも戻ってきやすい環境づくりをして、彼が戻ってきてくれて、そこから練習により一層励むようになりました。そのエピソードがやっぱり夏の独自大会を優勝できた大きなターニングポイントだったと思います。

小学生からの目標が無くなり「何も考えたくない」日々が続いた

――5月20日に夏の甲子園中止の発表がありましたが、その時率直に思ったことを教えて下さい
 3月の選抜甲子園がなくなり仲間内でノリの感じで「これ夏もないんじゃない?」って話していました。しかしいざ本当に無くなった時は、最後の夏に頑張るために中学校から頑張ってきて、甲子園が小学校からの目標でもあったので、本当に何も考えられないというか何も考えたくないような感情になりました。

――夏の中止が決まった時当時はチームメイトとどういうお話をされましたか?
 あまり覚えてないんですけど、多分全員感情は同じだと思います。本当に何のためにやってきたんだろうみたいな考えだったと思うので、あまり話した記憶がないですね。

――当時監督さんやコーチの方々にかけられた言葉はありますか?
 コロナと関係なく前から言われていたのですが、「高校野球で終わりではない」「甲子園が全てではない」と言われたのが心に残っています。

――各都道府県で独自大会が開催される運びとなりましたが、開催を聞いた時はどういった心境でしたか?
 素直に率直に嬉しかったです。

――チームメイトの皆さんと大会開催に関してなにか話したことなどはありましたか?
 僕ら当時の3年生は28人いて、僕を含めた4人は甲子園がなくなった時に受験の道に専念しました。率直に頑張って欲しい嬉しさ半分、自分もみんなと練習したい悔しさ半分すごく葛藤してる時期でした。

スタンドから見える仲間の最後の雄姿

――独自大会は計5試合ありましが、桑原さん自身は球場に足を運ばれましか?
 僕は1試合期末テストで行けなかったんですけど、それ以外の試合は観戦しました。

――スタンドから試合を見て印象に残ったことはありますか?
 僕の中学の時からやっていたメンバーが高校で3人ほど他校に進んでおり、2回戦で対戦した追手前高校、準決勝で対戦した岡豊高校にはそのかつての仲間がいたため印象に残っています。準々決勝で対戦した高知中央高校は秋の大会でコールド負けした相手で印象に残っていますし、どの試合も印象に残っています。

――決勝では甲子園常連の明徳義塾高校に3対2で勝利しましたが、優勝を見届けた瞬間はどうでしたか?
 そこまで行くと率直に嬉しかったです。自分も優勝した気持ちになり嬉しかったです。

――独自大会は3年生だけでの出場だったと思いますが、スタンドから見られて今までご自身が一緒に切磋琢磨してきた3年生の選手たちが出てるのはどう言った心境でしたか?
 今だから言えることなんですけど、やはり同じようにやってきた仲間が必死に頑張っている姿を見て僕も受験の方でも励みになりましたし、すごく嬉しかったです。だけどやはり自分がそっちに行けない悔しさ、選んだのは自分なんですけど本当に葛藤がありすごく感情的にも落ち着かないような時期でした。

2年越しに再集結し同世代の方々に勇気を届ける

――あの夏を取り戻せのプロジェクトを聞いたときはどういったお気持ちでしたか?
 率直に嬉しかったです。また仲間と集まって野球できるなら、なんでも嬉しいという気持ちになりました。

――当時のチームメイトの皆さんはどういった反応でしたか?
 野球部のLINEグループにこの企画を送ったところ皆がすごく賛同してくれて、それなら出ようと応募させていただきました。

――このプロジェクトでの目標を教えてください
 僕らの世代はコロナの影響をタイムリーに食らっている世代なので、そういうところで唯一春夏甲子園無かったのでそこで出れなかったやれなかった代の野球部がそういったプロジェクト参加して甲子園で野球をやるために頑張る姿を見せニュースとか口コミSNSで広がれば僕ら世代で元気をもらえる人もいるのでそういう人たちに向けて活動していきたいと思います。

――最後に応援してくださってる方々へ意気込みをお願いします
 まず、この場を設けてくれた関係者の方々には感謝しています。
 僕らの世代は甲子園に挑戦すら許されませんでした。こうやって2年後に再集結して頑張ってる姿を見せることで、絶対に僕らと同世代の方々に勇気を届けられると思います。そういった方々の背中を少しでも押せるような活動にしていけたらと思いながら、大会で勝ち進み頑張っていきたいなと思います。


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