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見ていない配信で首が回らない話


はじめに

2020年春の新型コロナウイルス禍以降、プロレス界で拡大したものがある。
動画等による、大会の配信環境だ。

緊急事態宣言を受けて、全国各地でスポーツや音楽といった娯楽が無観客での開催を強いられる中、プロレスも例外なくその煽りを受けた。

そんな状況でも、2020年3月末~2020年初夏にかけて各団体が無観客でも興行を配信し続けた事で、生観戦に復帰できるまでの約3ヶ月間を乗り越えることが出来た。

そして、3年以上経った今では、コロナ禍では禁じられていた声出し応援も会場で解禁され、座席の間隔も無くなり、以前に近いところまでルールが戻ってきた。


それでもコロナ禍を経て、私の中で非常にもどかしい問題が浮上してしまった。

未視聴の配信が溜まり過ぎて、最早首が回らない状態なのである。


「未視聴が溜まるから」新規契約しづらいジレンマ

私が動画配信サービスに加入したのは、先述のコロナ禍の事だった。

当時、現地で見に行こうとしていたDDTプロレスリングの『田中将斗vs坂口征夫』の一戦が、緊急事態宣言によって開催中止となり、後日無観客試合として配信される事が決まった為、動画配信サービス・『WRESTLE UNIVERSE(以下:WU)』に加入したのである。
当時、親が契約していたケーブルテレビで、CSのプロレス専門番組を視聴できる環境にはあったが、自分の手で配信サービスと契約したのは、この時が初めてであった。


以来、現在に至るまでWUを契約し続けているのだが、自粛期間中の当時より、リアルタイムで視聴していない大会は、後で見返す機会をいつしか失っていた。
新しい配信コンテンツが次々に充実してくるからである。

契約したサービスだけでなく、YouTubeで無料配信されていた大会も同様だ。

我闘曇舞(ガトームーヴ)が配信限定団体としてコロナ禍直後から始動させた『チョコレートプロレス(通称:ChocoPro)』も、始動当初は追うようにしていたものの、いつしか大会を追えなくなっていた。これは、完全に私の体力の問題である。


約2時間前後で3~4試合程度のコンテンツが、週に2~3大会のペースで配信されていたものの、リアルタイムで視聴を逃してしまうと、そこから次の大会までに視聴していないと「最新の大会があるから、それ見れば良いかな」と諦めてしまう(良くない…)。

それに、仕事帰りで家事や炊事をやるとなれば、尚更時間は削られる。
当時、平日は職場と自宅の往復で終わってしまい、休日も外に出てやることがない時期だったとはいえ、リアルタイム以外でプロレスを掘り下げる時間が増えた訳でもなかった。


個人的に野球やサッカーなどはスコアなどの結果が常に表示される分経過が把握しやすい一方で、プロレスに関しては一度視聴し始めると、試合途中から見ても状況が把握しづらい面がある。
ある意味プロレスは映画やドラマに近くて、(何かしながら見る)【ながら見】がしにくいコンテンツなのかもしれない…。

自粛期間中の時点で、既に未視聴分の配信が溜まっている状態ではあったが、緊急事態宣言が明けて現地観戦が再開できるようになった2020年初夏以降、私は「見逃したコンテンツをある程度見返して視聴する」ことを完全に諦めてしまった。

WUでは、DDTプロレスリング、プロレスリング・ノア、東京女子プロレス、ガンバレ☆プロレスの4団体を視聴できるのだが、毎週必ず生配信or約3日後の録画配信が行われる関係上、次の配信が追加されるか、自分が生観戦に行くかの前に視聴しておかないと、すぐさま埋もれてしまう感覚がある。

しかし、現地観戦を軸にしてしまうと、休日に未視聴分の配信を消化するのも億劫になりがちで、次第に見ない配信済の大会が貯まってしまう有様だ。

複数の動画配信サービスと契約しているなら未だしも、1つ契約してるだけでこのような状況を迎えている。その上、私の自宅にはTVが無いので、プロレス以外に視聴している番組がある訳でも無いのに…。

故に、私はNEW JAPAN WORLD(新日本プロレス)、全日本プロレスTV(全日本プロレス)、DRAGON GATE NETWORK(DRAGON GATE)といった団体の動画配信サービスだけでなく、Netflix、Amazonプライム、U-NEXTといったプロレス以外の配信サービスにも契約していない。

私は、これらの団体や運営元が嫌いなのではない。
今の私の状況では、サービスに契約しても視聴出来ない可能性が高いからだ。この辺りが非常にもどかしい…。


まとめ

プロレス界では、コロナ禍によって配信サービスが一気に拡充し始めた。

その一方で、見逃してしまった大会に関しては、メインイベントやタイトルマッチなど、大会の目玉になりそうなポイントしか押さえなくなっていた私がいる。
これでは要所は捉えられても、大会全体の評価や空気感などは、頭からケツまで見た時と感想を異なるものにしてしまう。

なので、毎大会で試合をキッチリレビューしているファンの方に凄みを感じずにはいられないのである。
私も過去に大会レビューを個人ブログに載せていた事もあるが、リアルタイムで捌かないと鮮度は落ちてしまうし、レビューに持っていかれる労力も少なくないという実感があるから。


でも、この辺りのリズムまで無理してしまうのも良くない気がしている。

生活の全てをプロレスだけで埋めてしまうには、まだ人生は長い(と思いたい…)。

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