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"辺境"なきプロレス観戦〜2022年5月のプロレス観戦で浮かんだ、私なりの感想について〜

はじめに〜『シェンゲン協定』とプロレス観戦〜

2022.5.24、私は後楽園ホールにいた。

新日本プロレスが贈るジュニアヘビー級の祭典『BEST OF THE SUPER Jr』

全10試合がリーグ公式戦というラインナップは、オープニングからメインまで徹頭徹尾、熱気を帯びる内容となった。

後楽園3連戦初日となったこの日のメインイベントは『エル・デスペラードvsエル・リンダマン(GLEAT)』。


メインで前IWGPジュニアヘビー級王者に勝利したリンダマンは、試合後のリングでこんな言葉を残した。

エル・リンダマン「別にGLEATのファンが新日本を見に来ても構わないし、新日本のファンが他の団体に言ったっていいわけだろ?他の団体のファンがNEW JAPAN WORLD見てもいいだろう。別に国と国との間みたいにパスポートが必要なわけでもないし、プロレスファンにはシェンゲン協定だって必要ないだろう。シェンゲン協定が分からねえかオメーら馬鹿だから!(笑)要はそういうことだ。リンダマンがBOSJの主役になるってこと分かったよな?」

2022.5.25 バトル・ニュースより


『シェンゲン協定』というワードを知らなかった不勉強な私は、聞き慣れぬ言葉をグーグルで調べた。

(最初、"しんけんきょうてい"かと思っていたくらいだ…)


そこに出てきた検索結果を辿ると、このような文が記されていた。

シェンゲン協定に参加する国々(シェンゲン領域)での国境管理を廃止し、シェンゲン領域外から域内に入る渡航者に対し、共通のビザの発給基準を定めたものです。

(中略)

領域内では、EU市民であるかEU域外国の人であるかにかかわらず、パスポートなしでの自由な移動が原則的に認められます。(とはいえ、公的な身分証明書であるパスポートは常に所持することをお勧めします。)シェンゲン領域に入域・出域する際には国境検査を受けますが、いったん域内に入ると域内の国境を超える際には検査を受けません。

2019.7.18 H.I.S. 『長期のヨーロッパ旅行で注意すべき「シェンゲン協定」ってなに?』より


つまり、協定に参加している国の領域内であれば、国境検査が必要ないのだという。


その意味を知って、私はふと、今年5月の観戦スケジュールが頭に思い浮かんだのであった…。


「協定や縛りが無い良さ」を実感した、2022年5月

2022年5月、私は自主興行やアマチュアプロレスも含め、16大会に足を運んだ。

月内に複数回足を運んだDDTやスターダムを除くと、14団体を観戦したことになる(行き過ぎ…)

1日 DDTプロレスリング 横浜武道館
2日 HEAT-UP 後楽園ホール
3日 プロレスリングFREEDOMS 横浜武道館
4日 アイスリボン 横浜武道館
5日 大日本プロレス 横浜武道館
7日 天龍プロジェクト 北沢タウンホール
15日 スターダム 後楽園ホール
18日 GLEAT 後楽園ホール
20日 NOMADs 新宿FACE
21日 プロレスリング・ノア 大田区総合体育館
22日 DDTプロレスリング 後楽園ホール
24日 新日本プロレス 後楽園ホール
26日 我闘雲舞 新宿FACE
28日 スターダム 大田区総合体育館
29日 OPG 津田沼PARCO屋上
30日 PPP 新木場1stRING

有り難いことに、2022年はコロナ禍以降初めて、ゴールデンウィーク中の緊急事態宣言等による興行の延期・中止が生じなかった。
その為、期間中は各団体がこぞって関東に興行を固めてきた印象がある。
(故に、どこに行けばよいか懊悩する機会も増えた訳ですが…)

2022.5.3 プロレスリングFREEDOMS横浜武道館大会
蛍光灯が使えない状況で魅せる、デスマッチの壮絶さは圧巻でした!
(写真は『正岡大介vs杉浦透』)
会場中の熱気が凄まじかった、2022.5.5 大日本プロレス横浜武道館大会
メインの『岡林裕二vs関本大介』を筆頭に、現時点で2022年個人的ベスト興行と言い切れる内容!


一つの団体を見る楽しみは最近になって感じつつあるけれど、一つだけを推すのは、私にとって息苦しさを感じてしまう。

2022年5月の観戦スケジュールを通じて、その事を改めて実感した次第だ。


故に、前述したような"国境検査"がプロレス観戦に無くて、本当に良かったと思う。
そんなものがあったら、今頃私は面倒くさくなって、他の団体に行くことなんて無かっただろうから(笑)。

今の私はNOAHが好きな方だけど、ライバル団体にあたる新日本プロレスは嫌いじゃないし、女子プロレスにも、アマチュアプロレスにも面白さを感じている。

私にとって中々行けていない団体はあるけれど、それは団体の魅力の無さとか内容への不満云々ではなく、時間とお金などのリソースによる所が圧倒的に大きい…。


勿論、沢山観に行く事そのものが偉いとかでは決して無い。
(楽しくて見に行っている結果が、そうなっただけ)

ただ、もし仮に、色々な所を観るにあたって(国境検査とはいかないまでも、)ハードルを感じている方がいらっしゃるのであれば、そんなものは感じる必要が無いということは、声を大にして言いたいのです。

色々見てみると、最推し団体の良さは勿論のこと、他団体に対して、最推しに無い違った良さを感じたりできるから。
それが私にとって、色々見る事で感じる一番の面白みかもしれない。


でも、観戦スケジュールの詰めすぎは良くない

一方で、今年5月の観戦ペースを振り返った時に、「観戦に行き過ぎるのも色々と良くない」事も改めて実感した。

金銭面とか体力面(疲労)とかもあるけれど、一番は「楽しいと感じた思い出」を私の中で消化したり、振り返ったりする余裕が無くなったからだ。


5月は有難い事に、色々なフォロワー様と大会後に食事の場を通じて、大会や試合の感想戦を行う機会が多かった。


そこで、私個人の感想を話したり、他の方と意見交換したりする機会はあったものの、"私自身の感想や意見"をnoteやBlogに書き記すタイミングは、この間逃し続けていたように思う。


大会の感想を写真等で振り返る間もなく次の観戦が訪れ、やがて日は経ち、感想を出すタイミングと鮮度を逃す…。
こんなサイクルの繰り返しに身を置いていた。

Twitterのツイートとして残せば、後日検索して振り返りの材料には出来るけれど、そういう自分自身の感想や意見を集積させる場と、それを創るための時間は確保しておきたい。
その大切さを、今になって痛いほど感じるようになった。

自分自身の目で見て、肌で感じた体験は、日々の中で薄れゆくものだから…。
私の中でnoteやBlogは、そうした体験を集積させ、留めておく為のプラットフォームでもある。

2022.5.29 OPG津田沼PARCO大会より
津田沼PARCO屋上に設けられた特設リング上でのイベントプロレスは、有料興行では味わえない開放感と空気が生み出されていた。


まとめ~"自分の直感は正しい"のススメ~

最近の私にとって一番悩ましいのは、興行戦争だ。

土日祝日に限らず、最近では平日に注目興行が複数被る事も増えてきた。
故に、配信等で見逃し視聴は出来ても、生観戦の場をどこに置くか、非常に懊悩するようになった。

2022.5.4は、春輝つくしが引退したアイスリボン横浜武道館の真裏で、約2年2ヶ月ぶりとなる我闘雲舞の有観客興行が開催された。興行戦争はつらいよ…。


でも、そんな時こそ、「面白そう」、「楽しそう」だと思う自分の直感を信じる事にしている。
上手く説明は出来ないけれど、私の場合、直感から運命的な瞬間に遭遇する機会は多かった。

冒頭の5.24新日本プロレス後楽園ホール大会に行くキッカケは、フォロワー様の話す「この選手やカードが面白い」というプレゼンだった。
話の中で出てきたアレックス・ゼインを生で見れて、心から良かったと思っている。


自分が気になったところを優先して行ってみる。
これは、誰にも侵されることのない、尊くも素晴らしい選択だ。

そういうパーソナルの積み重ねが、他の誰でもない私を形成し、人生を豊かにしていくと信じて…。

何気ないけれど、2022年5月に私が感じた事でした。


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