プヲタが初めてLOVEBITESのライブに行った話
はじめに
2024年夏、お盆休みを利用して父の故郷である熊本県を訪れた際、私の宿泊先のホテルに向かうドライブ中に父がこのような話を持ち出した。
私は、素っ気ない風に父に返した。
本当にその通りなのだから、それ以上世辞で取り繕ってもバレてしまう。
父からそう返された時に、「父と子で聴いてる音楽は違うけど、互いに好きな音楽を謳歌してるんやね」と、気恥ずかしくも血は隠せないんだと思い、笑みが溢れたのは覚えている。
2024.9.1
上記の回想シーンから、今回noteで記事を書き起こそうと思った動機は他の何でもない。
この日、私が観に行ったLOVEBITESのライブが、人生観を変えるくらい素晴らしい内容だったからである。
何故私がこのライブを観に行こうと思ったのか?
キッカケは、2日前の2024.8.30深夜に遡る。
ふと、翌日のプロレス観戦が楽しみすぎて寝付けなかった私は、ふと、実父やSNSのフォロワー様が前々から名前を挙げていたLOVEBITESのことを思い出した。
そこで、Spotifyで名前を検索して、再生ランキングの一番上にあった曲を聴いた。
Spotifyは得てして、リリースされたばかりの音源が再生回数の合計が多い曲よりランキングの上に来ることがある。
ただ、私の場合これが奏効した。
「うわあ、かっこいい…。1回ライブに行ってみたいな。」
そんなことを思っていた時、週末の日曜にワンマンライブが開催されるという情報を目にした。
調べてみたら、現在絶賛ワールドツアー中のLOVEBITESが、2024年中に日本国内でフルセット仕様でライブを行うのは9.1がラストなのだという。
幸いにもチケットは売り切れておらず、私には9.1の夜に予定も入っていなかった。
私はプロレスを観に行くのが好きだけど、プロレスは興行数も1バンドのライブに比べれば回数も多いし、おおよその年間スケジュールや開催タイミングも決まっている。だから、先々の予定も立てやすい感覚がある。
でも、ライブの場合、開催スケジュールも新譜リリースやツアーによって時期も変動してくる故に、【今は今しかない】という思いが個人的にはどうしても強くなってしまうし、行こうと思った時には売り切れているパターンもしばしばある。
最終的には「思い立ったが吉日!」ということで、勢いそのままにライブのチケットを購入した。
そんな感じのキッカケで今回LOVEBITESのライブに行ったので、私は今回予習らしい予習は全くしていないし、ライブ映像も一切見ていない。
そもそも、普段私が聴いている音楽で、ヘヴィメタルにカテゴライズされるバンドやアーティストは少ないので、その辺りのジャンルにも正直疎い。
(強いて挙げるなら、筋肉少女帯くらいだろうか?)
だから、この記事の『プヲタが初めてLOVEBITESのライブに行った話』なんてタイトルも決してウソではない(苦笑)。
でも、今回のライブがこんなにも楽しいものでなかったら、きっと私は今回noteで記事を書こうと思うことすら無かっただろう。
これから以下に記していくことは、しがないプロレスファンの私が、予備知識も殆ど無い状態でLOVEBITESのライブを観に行った感想になる。
また行きたいね、ライブ…。
①「スゴい事に金を払う喜び」
前述のように、私はLOVEBITESの曲を初めて聴いたのがライブの2日前で、ヘヴィメタルのことも一切知らないような状態だった。
知っている曲も、ライブで演奏された2割にも満たない。
それでも「ライブが楽しかった!」と言い切れる理由は幾つかあって、一番はまず「人間が刻苦して生み出したスゴいものに金を払って観る喜びは、どんなジャンルにも当てはまる」ということを、ライブを見ていてビシビシ感じたことだ。
それは演奏技術の巧さだったり、安定して隙の無いパフォーマンスだったりもあるのだろうけど、単純にもう、音楽や演劇、芸術、格闘技やプロレスにも通じてくる【予備知識が無くとも、見た人を「スゴい」と圧倒させてしまう】素晴らしさ。
これに尽きる。
恐らくだけど、ヘヴィメタルやLOVEBITESを知らなくても、生で演劇、舞台、ミュージカル、音楽、格闘技、プロレスetcのいずれかを見ている人ほど、ライブ初見でも刺さるものがあるんじゃないかと私は思う。
"金を払って観る喜び"というものの原理原則が、このライブに詰まっていた。
その例が少しでも伝わると良いなと私が思ったシーンが、こちら。
唯一撮影OKが出された『Soldier Stands Solitarily』の生演奏は、スマートフォン画質の短い動画でもハッキリ分かる、ボーカルのハイトーンと楽器隊の凄まじい演奏。
特にドラムなんて、2本の手と2本の脚しかないのに、千手観音かと思うくらい音数が人間離れしていて圧巻の一言。
このパフォーマンスが、ライブのオープニングからラストまで終始安定して出力されているのだから、最早恐ろしさすら感じた。
※2023年のライブ映像も凄まじい…。
②WWE日本公演に通じる「予備知識0でも楽しい」
メンバーによる演奏のスゴさも去ることながら、予備知識0でも楽しめる雰囲気がライブ中の会場に充満していたことも、個人的には外せないトピックだった。
開演直後に観客席から自然発生したLOVEBITESコール。
ボーカルが常に観客を先導し、煽っていく心地よさ。
曲は分からないけど、とにかく伝わるカッコ良さ。
思えば、今年私が初めて見に行ったWWEの日本公演も、そんな空間だった。
選手の名前や入場曲、必殺技を知らなくても、選手や観客が楽しむ姿に自然とノリノリになれる瞬間。
LOVEBITESのライブ中も、MCでメンバー同士のトークを挟むことは無くともボーカルの人が合間合間で客席を煽り続け、ドラム以外の楽器隊も常にステージを動き続けながら観客に視線を送っていく。
誰かがソロプレイでステージ前方に飛び出せば、空いたステージの左右を他のメンバーが埋めるように入り、客席を煽る範囲もキッチリとカバー。
計算されているようで自然な動きを、演奏しながらやってのける凄み!
スマホのライトを点けるようボーカルが呼びかけたシーンの、この一体感もハンパなかった。
まさに観客参加型…!
ライブ後半には、メンバーがアリーナ席に降りて演奏する場面があったのだけど、演者が客に触れられる距離まで近づいても、客はボーカルがハイタッチに向かうまで触りに行かなかったのだ。
こうしたワンシーンも、バンドとファンの間に積み重ねられていった信頼関係無くして成し得ない光景だと私は感じた。
演者もファンもカッコいいな、マジで。
③"東京ドームのオカダ・カズチカ"みたいな、大規模会場での存在感
今回ライブを開催した東京ガーデンシアターは、LOVEBITESの日本公演では過去最大規模ということだったが、ライブを見ていても正直とてもそのようには思えなかった。
何故ならば、後方の席から見ていてもメンバーの演奏や熱量が届く、圧倒的な存在感があったから。
私の座っていた席はバルコニー席でも一番遠い方に位置していたけれど、ステージと席との距離の遠さがネックやハンデに感じることは、ただの一度もなかった。
この存在感の大きさや、後方にいても伝わってくるオーラみたいなものは、大会場でライブを行うアーティスト特有のものかもしれない。
そんな時、ライブを見ながらプロレスファンの私が想起していたのは、東京ドームで見るオカダ・カズチカ(現:AEW)の姿であった。
新日本プロレス所属時代には年1回の東京ドーム大会で毎年のようにメインイベンターを務め上げ、2023年2月に行われた武藤敬司引退興行のセミファイナルでもプロレスリング・ノア主催大会ながら外敵という立場で存在感を示したレスラーなのだが、LOVEBITESの面々を見ていると、大会場に負けないオカダの圧倒的存在感を想起してしまったほどに堂々たるパフォーマンスだった。
それは、場慣れしているとか華があるとかではなく、【後方の一人ひとりにも届かせる】力強さから来るものだと私は思う。
実際、最初に演奏された3曲の時点で、私は「チケット代7,700円の元を全額回収してしまった…」と感じたし、隣にいた観客は目元を何度も何度も拭っていた。
最後方にいても、客のハートを射抜いてしまうスゴさ。
だから、LOVEBITESが今回以上の規模(アリーナ、ドームetc)で単独公演をやることになったとしても、私は驚かない。
(寧ろ、進出してくれ…!)
まとめ
予備知識が一切無い状態でライブを観に行くのは、意外と勇気が要るものだ。
会場で盛り上がれる曲やコールアンドレスポンスを知る事もなく、誰かと何かを共有するのにハンデが生じるからだと、ライブの前まで私は勝手に思っていた。
でも、勇気を出して、私の一時のノリと勢いだけでLOVEBITESのライブを観に行って本当に良かったと思っている。
予備知識0の方が、寧ろ演者のスゴさをハッキリ体感できた気がするし、スゴいパフォーマンスは知識や経験による楽しみ方をも超越するチカラがあったから。
今回、初めて観に行ったLOVEBITESのライブが、バンド最大規模にして過去最多曲数のライブだったことも非常に運が良かったと思わずにはいられない。
前述の通り、ヘヴィメタルは知らない私だけれども、今回のLOVEBITESキッカケで「ヘヴィメタルを聴こうかな!」と思わされたほど、私の人生観に強い影響を与えてくるライブだった。
だから、以前からバンドの存在をSNSでレコメンドしていたフォロワー様と、何気ない親子の会話でレコメンドしてくれた実父に感謝…。
国内のフルセットライブは2025年以降で無いと見れないのがもどかしい。
またライブに行きたい!!!
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