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令和4年のGO ACTION〜第二十回・心が『NOAH』と叫びたがってるんだ~

はじめに

2020.7.19後楽園ホール大会。

新型コロナウイルス禍による無観客試合期間を経て、プロレスリング・ノアが約4ヶ月ぶりの有観客興行2Daysを開催した2日目。


この日のメインで勝利したGHCヘビー級王者・潮崎豪は、試合後にマイクを握ると、自らの代名詞である『I am NOAH』を観客と共に叫ぼうとした。


しかし、この日は観客席からの声出しは禁止。

素で失念していたと思われる潮崎を、中嶋勝彦らが苦笑しながら止めて、結局『I am NOAH』は選手が叫ぶ形で終了した。




振り返れば、『2020年の潮崎豪』は、声援禁止の会場と共にあったように思う。

潮崎は2020年1月にGHCヘビー級王座を戴冠したものの、同年3月の初防衛戦を無観客試合で迎えて以降、潮崎を始めとした選手達は観衆の声援を背に受けて闘えない環境を強いられた。


有観客興行再開以降も、声出し禁止の環境の中で、ベストバウト級の激闘を積み重ねていった潮崎。


しかし、彼の代名詞となった『I am NOAH』を、王者時代に観客が叫ぶ機会は訪れなかった…。



事が動いたのは、2022年に入ってから。

プロレス初進出となる10.30有明アリーナ大会にて、NOAHの興行では約2年半ぶりに声出し応援解禁が発表されたのである。


かつてディファ有明があった、NOAHの聖地・有明への帰還。

発表後の週刊プロレス表紙や大会コマーシャルには潮崎が起用され、私も「遂に『I am NOAH』を会場で叫べるかもしれない」事へのワクワク感で胸がいっぱいになっていた。



サプライズは突然に

しかし、有明大会のカードに、潮崎豪の名前は無かった。


2022.9.3プロレスリング・ノア大阪大会。


清宮海斗の優勝で幕を閉じた『N-1 VICTORY 2022』の裏で、潮崎はこの試合を最後に欠場を発表。


声出し応援可能な有明大会までに、試合復帰することは叶わなかった。




迎えた有明大会当日…。

大会前、潮崎の欠場を惜しむ声も多く聞かれる中、会場はABEMA中継のスタートから、声出し応援に向けた機運が高まっていた。


「それでは、大会が始まる前に、皆さん全員で『NOAH』と叫びたいと思います。ステージに御注目ください!」


放送席にいた塩野潤二アナウンサーの紹介から、会場に突如として流れ出す『ENFONCER』の調べ。

やって来たのは、欠場中の潮崎豪だった。


会場中に自然発生する潮崎コールは、ファンが彼の事を待っていた何よりの証でもあった。


「NOAHが有明に帰ってきました。そして、みんなの声もNOAHに帰ってきます。2年半振りに、皆さんと一緒に、声を出して叫ぶ時が来ました!」

「これから自分があの言葉を叫びます。皆さんも一緒に、腹の底から声を出してください!行きますよ!」

「I am NOAH! We are NOAH!まだまだ声出るでしょ!?出ますよね!」


思わず、無我夢中で『潮崎!』、『NOAH!』と叫んでしまった私。

イベントプロレスを除くと、こんなに声出し応援有りの大会で前のめりになる感覚は、本当に久しぶりの事だった。

きっと、私は無意識のうちに、身体の細胞レベルで『I am NOAH』という言葉を欲していたのかもしれない。


ステージから観客を煽る潮崎の姿は、4階スタンド席から見ても、眩いばかりに輝いていた。


まとめ

会場で『NOAH』の大合唱が出来た事への喜びを禁じ得なかった、NOAH有明アリーナ大会。


しかし、まだ、私には叶っていないことがある。
大会のメインを潮崎が締めて『I am NOAH』を叫び、ファンもシンガロングする光景だ。

有明のオープニングで、2年半越しに待ちわびていた思いをありったけ叫んだからこそ、それに対する渇望がより強いものへと変わった。


この日、潮崎が着ていたTシャツには、こう記されていた。

『I AM NOAH COME BACK COMING SOON』


潮崎がいつ復帰するか未だ分からないけれど、12月には遂に後楽園ホールでも声援が解禁されることになった。



『I AM NOAH COME BACK COMING SOON』の言葉を信じて、次は試合で『NOAH』と叫びたい私なのでした…。



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