フットワークを向上させる第1歩「Hip Lock」とは

noteを御覧頂きありがとうございます。
テニス・ソフトテニス専門トレーナーとして兵庫県西宮市を拠点に全国で活動する
ReMake代表のこもりん（＠TennisATkomorin）です。

今回はテニス・ソフトテニス競技に必要なSAQ（Speed/Agility/Quickness）を向上させる要素の1つ「Hip Lock」について解説していきます。

【コート内を素早く移動／方向転換する第1歩のエクササイズ】

逆クロスに振られたボールをストレートパッシングした後にクロスオーバーもしくはキャリオカステップを用いるのですが、カッティングする際には進行方向側の骨盤をコントロールする必要があります。 pic.twitter.com/jLDWt9iEyC

— 小森拓実@テニス・ソフトテニス専門トレーナー (@TennisATkomorin) May 10, 2021

本noteを読んで頂くことで以下の要素を獲得することが出来ます。

●競技に必要なフットワーク技術を学ぶことが出来る
●競技とトレーニングを繋ぐ架け橋が出来る
●パフォーマンス向上だけでなく股関節周囲のケガの予防ができる

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私の詳細はTwitterやInstagram、ホームページを見て頂ければいいのですが、お忙しい方のために纏めるとこんな感じです。

▶アスレティックトレーナー7年目（累計30000名以上のクライアントを指導）
▶整形外科に5年勤務し、整形疾患（ケガ）に対するリハビリを指導
▶テニス・ソフトテニスに限定し全カテゴリー（小-大学生・実業団・プロ）の選手を対象にチーム・個人契約をし指導にあたる
▶指導者専門家対象にトレーニング技術を全国で教えている
▶SNSを活用し、テニス・ソフトテニスに必要なトレーニングの知識を配信
▶パーソナルトレーニングジムPilates & Conditioning Lab ReMakeを開業し
経営者としても活動
▶テニス・ソフトテニスで活躍する選手が「痛みやケガなくテニスが出来るよう」に講習会やオンライン上で学べるプラットフォームを作っている　etc…

※2021年5月現在

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【更新履歴】
●2021年5月　初版リリース　¥500-

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はじめに

テニス競技ではゲームの中で多方向へのスプリント/カッティング動作が多用されますが、その多くが片脚での接地/離地の繰り返しかと思われます。

ランニングやジャンプなど片脚で行われる動作/状況に応じた動きを改善するためにバーベルなどを用いた両脚でのスクワットをトレーニング現場では頻繁に使用する姿を見ますが、これら両側のトレーニングだけでは競技パフォーマンスを向上させることは難しいと考えます。

実際、トレーニングに転移が自動的に行われない理由は簡単に説明できます。 2つの運動パターンの間には重要な違いがあり、これは中枢神経系によってまったく異なる方法で運動制御される可能性があるからです。

片脚離地時には両脚離地時とは異なり、膝と股関節の伸展だけでなく股関節の外転動作（Hip Lock）も含まれます。この外転動作にはかなりの力が必要で、両脚離地時で発生する動作ではありません。

又片脚でのトレーニングが有用な理由として、多くの反射（踏み直り反射・交叉性伸展反射・足底反射など）などの支援で脊髄レベルでの反射を用いることでより大きな力を発生させることができるからです。

それでは早速以下より本題に移ろうかと思います。

Hip Lockとは

Hip Lockとは片足立ちをした際に、軸足の股関節周りの筋肉を共収縮させ、地面から受ける大きな外力から骨盤（股関節）を保護する動きになります。

Lock position: push off always ending in cocontraction, important attractor in running pic.twitter.com/uJlnnhg6Wl

— Frans Bosch (@FransBoschBook) November 13, 2015

Hip Lock時には

●支持脚（軸脚）の骨盤安定
●遊脚側（挙上脚）の骨盤挙上・前傾

が生じています。

Hip Lock時の解剖学的メカニズム

Hip Lockの際に軸脚側の骨盤を安定、遊脚側の骨盤を挙上・前傾させる筋肉は中殿筋という筋肉になります。

歩行や片足立ちなどバランス機能に関わる筋肉として有名ですが、主な作用は股関節外転作用ですが、その他にも様々な作用があります。

先ずは筋肉の走行を確認しましょう。

（Visible bodyより画像引用）

起始：腸骨の臀筋面（腸骨稜の下方で前臀筋線と後臀筋線の間）
停止：大腿骨の大転子の外側面
作用：股関節（筋全体）外転、前額面における骨盤の安定
　　　股関節（前部線維）屈曲、内旋
　　　股関節（後部繊維）伸展、外旋
支配神経：上臀神経（L4-S1）
（プロメテウス解剖学アトラス　解剖学総論・運動器系第2版）

中殿筋はOKCでは股関節外転作用として働きますが、CKC（例：歩行における立脚中期・片足立ちなど）では骨盤を水平、もしくは遊脚側への挙上作用を持ちます。