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スパイシーさと軽快さと


タイトル:陽気なギャングの日常と襲撃
著者:伊坂幸太郎
出版:祥伝社文庫

中途半端。実に中途半端である。
どうしてこんな真ん中の巻から買ってしまったのか。

実はこれ、Amazonで古本で買った。
Amazonって言うのはシリーズ化していたり、
ほかのユーザーが一緒に買った本をセット購入しないかを
大抵お勧めしてくれる。

でも私はこれ一冊だけ買った。大変後悔している。
下調べなしで買ったのも後悔している。
シリーズ化しているのは知っていた。
伊坂幸太郎は、シリーズとして出しているものや、
ぱっと見そうじゃないものでも、
前作、前々作あたりに出てくる登場人物がしれっと登場しだすことも多い。

ギャングシリーズは3作ある。
1作目から登場する主人公4人組だけではなく、
1作目でドンパチやっていた登場人物たちの事をさらっと出してくる。
あとがきにある伊坂幸太郎氏の「1作目から順番に読んでください」
との熱量のある一言は、
できたら前書きで書いてほしかったくらいだ。

中間巻のギャングたちは、誘拐された嘘を見抜く能力を持つ成瀬の
部下の彼女である社長令嬢を救い出すために、
横浜にある裏カジノに潜入するストーリーになっている。
これだけ見たら結構ベタじゃない?でも、違うんだな。

この社長令嬢の良子さんの親父さんは、
地方の小型の薬局の近くに大型のドラッグストアを建てて潰してしまう。
よくある話だけど、そのせいで不幸になっている人は何人もいるはずで、
実際良子さんを誘拐した犯人は親父さんである筒井社長を恨んでいた。

そしてこの良子さんはとにもかくにも世間知らずで、
犯人を助けてあげたいとも思っている。
優しいんだけど世間知らずの箱入り娘。
普通に生きてたら金持ちアピールしてるわけでもないのに、
愚鈍なセリフにイラっとする。

ストーリーの流れはいつもの伊坂ワールド独特の、
疾走感と快活なセリフの展開の中に、スパイシーな爽快感を覚える。

映画のワイルドスピードを思い起こさせるかっこよさは、
ページをめくる手が止まらず、昨日半日で全部読みました。
結構古い作品だけど、全然色あせない。
ジャケ買いした私を褒めたくなるような一冊だった。

伊坂幸太郎を読んでみたいならぜひ買って。
あ、もちろん1作目の『陽気なギャングが地球を回す』からね。
Amazonで送料の方が高いくらいの値段で買えるから!


PS:現在書き終わりが午前9時。これから仕事を開始します。
なんだか今回の記事の執筆は好調だなぁ。
自分のプロットとシナリオも上手い事書けそうです。

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