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~不安にとらわれないために~第7章 見て見ぬふりする方法

不安を見て見ぬふりするには、フォーカスを変えることです。
第2章でシロクマの実験の話をしました。「シロクマのことを考えないで下さい」と言われると、シロクマのことが頭から離れなくなるので、シロクマ以外のものに意識を向ければいいという話でしたね。
この章では3つの方法を紹介します。

一つ目は運動です。
頭から身体へフォーカスを変えます。
運動はなんでもいいです。走ることでも、ダンスでも、球技でも大丈夫です。大切なのは身体の動きに没頭すること。運動しながら不安のことをボーッと考えているような状態はダメ。身体の動きに集中です。
息が切れるくらい、汗が流れるくらい動ければ、不安にとらわれている状態から脱することができているはずです。

二つ目は呼吸法です。
頭から呼吸へフォーカスを変えます。
ゆっくり深い呼吸をすることが重要です。なぜなら、不安にとらわれているときは、身体は無意識に緊張モードになっています。自律神経でいうと交感神経が優位になっている状態です。この交感神経優位のとき、呼吸は浅く早くなります。この交感神経優位の状態を副交感神経優位にするには、ゆっくり深い呼吸をすることです。そうすれば、身体は緊張モードからリラックスモードに変わります。
深い呼吸というと腹式呼吸を思い浮かべるでしょうが、不安にとらわれている人は胸式呼吸から改善したほうがいいでしょう。理由としては、不安になると頭がうな垂れ、背中が丸まっている猫背が基本姿勢になるものです。そうなると、肺を肋骨で取り囲んでいる胸郭がスムーズに動かなくなり呼吸が浅くなります。
やり方としては、胸を膨らませて息を吸います。胸郭を上げます。3秒。
その状態で息を止めます。3秒。
胸郭を下げながら息を吐きます。細く長く吐きましょう。7秒。
これを10回繰り返しましょう。
集中してできれば、頭は空っぽになっているはずです。いつでもどこでも出来るのが利点です。

三つ目は手先を使った作業です。
頭から手先へフォーカスを変えます。
手芸、編み物、プラモデル作り、切り絵、写経など。一般的に趣味と言われるものですね。指先をよく使う作業であればなんでも大丈夫です。そして、それをやっていると時間があっという間に過ぎてしまうというのが理想です。また、運動のときと同じですが、不安について考えながらやるのではなく、手先に集中するのが大切です。そういう意味では、針やハサミ、カッターなどの刃物を使う作業は、ケガをする怖れがあるため集中せざるをえないという利点もありそうです。
指先には神経が沢山あるといわれますが、その感覚と運動を司っている脳の位置は中心後回と中心前回という頭のてっぺんにあります。思考は前頭前野というおでこの位置でした。指先に集中して不安を見て見ぬふりすることは、脳内でのフォーカスをおでこの位置からてっぺんに変えることになるわけです。

第6章と第7章では、不安を見て見ぬふりする方法を紹介してきました。
しかし、不安を見て見ぬふりしようとしても、どうしても不安が襲ってくるという人はいるかと思います。
そのことも踏まえて、次の章が最後になります。


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