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~不安にとらわれないために~第6章 気休め言葉

『気休め』に対して、みなさんはどのような印象を持っているでしょうか。

私のイメージは、失恋して落ち込んでいる女友達をなんとか励まそうと「またすぐにいい人が現れるよ」と言ったときに、「気休めなんていらない」と言われてしまう感じ。そんな些細でパワーのない存在が『気休め』。
気休めを他人に言われると、余裕のない状態のときは素直に受け入れられないこともあるでしょう。慰めの言葉を言ってもらって、「ありがとう」と言いつつも、心の中では「どうせ気休めでしょ」と思っていたりするかも。

『気休め』を辞書で調べると、「その場限りの安心感。一時だけ安心を与えるような言葉・考え・行為」「問題を根本的に解決するのではなくて、気持ちだけを休ませる、落ち着かせる」と載っています。使い方としては「一時の気休め」「気休めを言う」。

字面通りにとれば、気疲れしていたら気休めすればいいことになります。そして、一時だけの安心感でも、それが連続すれば安心感は持続するわけです。

そこで、自分に対して気休めを言うのはどうでしょう?
「他人に言われて意味ないと思うものを、自分に言ったところでなんになるの」という意見もあると思います。
しかし、得があればどうでしょう。自分に気休めを言うと得する。メリットがある。そうなれば、気休めを言ってもいいかと思いませんか。気休めに効果があると実感できれば、素直に受け入れられるのではないでしょうか。気休めを受け入れたところで、損はしないわけです。負けがないギャンブルみたいなもの。減ることはないが、増えることはある。やってみる価値があると思いませんか。

では、本題に入りましょう。
不安が頭から離れなくなったらどうするかです。
そのようなときは、「でも、大丈夫!」という言葉を自分に投げかけましょう。まず逆説の接続詞「でも」で頭に浮かんでいる不安を否定して、「大丈夫」という安心させる言葉を続けます。
大丈夫な根拠は、「今は心の水位が下がっているから不安になっているだけ。水位が上がれば不安にとらわれなくなる」から。これが得られる効果になります。
これらの言葉を続けて言ってみましょう。

「でも、大丈夫!今は心の水位が下がっているだけ」

この気休め言葉を一回ではなく何回も繰り返して唱える。実際に口に出さなくても、頭の中で唱えればいいかと思います。頭の中が「でも、大丈夫!今は心の水位が下がっているだけ」で一杯になるまで唱え続けましょう。

さて、やってみて効果はありましたでしょうか。
「とりあえず、不安なことは頭に浮かばなくなった」なら合格点です。
「油断していると、まだ不安が湧いてくる」ときは、もっと気休め言葉を唱え続けてみましょう。

気休め言葉を唱え続けるのは、一時の安心を連続させて持続した安心感をもたらすことも狙いとしてはありますが、他にも理由はあります。
脳の仕組みに関係しています。
考えるときは、脳の前頭前野というおでこの裏側辺りにある部位を使っています。イメージでいうとパソコンのモニターのようなものがあり、そこに考えたことが表示されます。
不安が頭から離れないときは、不安なことをせっせと入力し続けたことになり、モニターには不安についてビッシリ表示されていると想像してください。
そのときに、気休め言葉を唱え続けると、モニターに表示されます。その時点では不安についてのほうが沢山表示されているので、もっと気休め言葉を唱え続けます。すると、パソコン画面が上にスクロールして、不安について表示されていた画面が消えていき、気休め言葉のみがモニターに表示されることになります。
実際の脳の働きはそんな単純ではありませんが、不安要素で一杯だった頭の中を、気休め言葉に置き換えて一杯にしているとイメージして下さい。

そして、気休め言葉は自由です。
「でも、大丈夫!今は水位が上がるのを待つときだ」
「でも、大丈夫!焦ると悪循環になるだけ」
「でも、大丈夫!とりあえず落ち着こう」
自分で納得しやすい言葉であればなんでもいいです。自分が言われたら安心できる気休めを選ぶのもいいですね。その言葉を唱え続けることで不安を押し出しましょう。

この気休め言葉を唱える方法は、不安が押し寄せてきて眠れないときなどに有効かと思います。そして、不安を見て見ぬふりする方法の一つにすぎません。
次の章では他の方法も紹介していきます。


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