infpに刺さる本紹介

今回はinfpである私の感性に刺さった本を一言で紹介していく。いかにもinfpが好きそうなド定番ラインナップであるが、まぁ「ふ〜ん、infpってこういうのに心揺さぶれる感性なんや(笑)(チョッロ〜)」ぐらいの気持ちで見てほしい。

・人間失格 太宰治 

これぞinfpのバイブル!(ど定番過ぎるというツッコミは受け付けない)12歳の時に人間失格を読んで衝撃を受けたのが太宰治との出会いである。当時、自分以外にも似たようなこと気にしたり考えてる葉蔵くんの存在に親近感と厨二病的な憧れの感情を抱いた。ある程度成長した今、堕落という名の自傷かつ精神安定剤がinfp的にはわかりみしかない。太宰治は永遠にinfpの教祖であることがはっきりわかんだね。

・魚服記 太宰治

ざっくり言うと田舎娘の近親相姦からの自死ストーリーであるが、全体的に物語が幻想的で儚く構成されているので内容はアレだが美しい空気感を感じる作品である。今までずっと閉鎖空間で異性親と2人で暮らしてきた女の子が女性へと成長する変化と今までの境遇の折り合いの付け所が難しいのは、現代の実家暮らしの娘と異性親の関係にも見出せるように思える。(ちなみに自己紹介である)

・トカトントン 太宰治

単調な語りで重複するトカトントンの音と共にストーリーが進められていく。気分がハイになることが決してない鬱の時は、まさにこんな感じであったことを思い出す。自分が生きているのかわからない。肉体は一応生きてはいるけど精神は死んでいるようなあの感覚。トカトントンの空気感に近いのではないか。

・アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス

ADHD &境界知能の気質アリのいじられ要員人生infpにとっては大いに感情移入せざるを得ない作品。知的障害もちであるいじめられっ子の主人公が、健常者のみんなと同じ知能を持つことを願っていたが、いざ高い知能を手に入れても幸せにはなれずに、結局元のいじめられっ子時の知能に戻ってしまう。優くて純粋な主人公なだけにとことん救いがなくて悲しくなってくる。しかも、日記帳になっているので、彼の知能や感情の変化がダイレクトに刺さる。主人公には幸せに生きてほしい。

・箱男 安部公房

他人から認知されることで自己は存在する。ならば、箱をかぶって自己を認知させなければイイジャン!そうすれば共同体を構成する役割から解放されるし!わかる。正直、コンカフェ嬢やアイドルとお話しも握手もしなくていいからマジックミラー越しに見る側にいたい。他人の瞳恐怖症の自分としては、見られることを放棄して見る側でいたいものである。あと、安部公房作品は読んでるうちに読者が置いてきぼりにされることが多いので、多少現実的には有り得ないことでも受け入れて読んでいくことをおすすめしたい。

・壁 安部公房

人は名前を失うと他人から認知されなくなるため、自己の存在が消滅してしまう。自己とは外的環境があってはじめて存在するものなのか。そしたら果たして自分の存在とは何なのか。安部公房の作品は一貫して自己存在を問うものが多い気がする。あと、これも急に持ち物が踊り出したりするなどのカオスストーリーであるため、読者が置いてきぼりになりやすい。砂の女もそうだが、安部公房作品は不条理ものが多い。おまけに世界観もカオスだが、系統としてはカフカ系なのでカフカが好きな人にはおすすめである。

・芋虫 江戸川乱歩

たとえ愛する人であっても姿形が変われば人を人として見なくなる。これもカフカの変身に近い気がする。妻から人として見られてないであろう酷い扱いを受けても、旦那は相変わらず妻を愛していたこと、妻を愛するゆえに自死を選んだことに悲しくなってくる。夫は元々将校クラスの周りにも慕われていた軍人であり、何も悪いことをした訳じゃないのにこの結末である。悲しすぎる。infp的には切なくて儚い世界観が心を揺さぶられる。ちなみに丸尾末広作の漫画バージョンもあるのだが、レトロタッチで耽美的な世界観となっていて画集として楽しめるのでおすすめだ。(丸尾末広作の漫画バージョンといえば、乱歩のパノラマ島綺譚も描いているが、そちらも幻想的でレトロな美しさがある)

・車輪の下で ヘルマン・ヘッセ

幼い頃は自分は何にでもなれるし何でもできると思っていた。まるでinfpの人生を見ているようで虚しさという名の共感を感じる作品である。(どうやら某サイトによるとヘッセもinfpらしい)人間失格のように繊細な少年が堕ちてゆく様はとても身にしみる。この憂鬱な空気感が、堕ちることへの絶望と共に安堵感を感じられらるため、ある意味心穏やかに気持ちよく読めるので大衆エンタメ小説なんてキラキラし過ぎて読めねえよ的な捻くれ民にはおすすめである。

・大江健三郎 他人の足

気持ちを分かち合った同志や仲間でも、結局は潜在意識の中で弱者を見下している。わかりみしかない。最初からこっち側じゃないんだから、どうせ裏切るんだし仲間ぶって近づいてくるのやめてほしい訳よ。繊維すぎるハートが壊されてしまうことに莫大な恐怖心を感じているinfp的には、他人を絶対に心の底から信用してなるものか精神で生きているため、この作品はinfpには大ダメージを与える。やはり現実は残酷であることを再確認させられる作品。(これを読んだinfpはより一層壁を作っていくことを決意するのである ちな自己紹介)


いくつかの本を紹介したが、いかんせん最近全くといっていいほど本を読んでないのでラインナップが中学高校時代に読んだ作品がメインになってしまっているのが自分的には少々納得いかないが、どれもそれなりに知名度もあり、面白いのでぜひ読んでみてほしい。

ちなみに、このノートを記してる間に私が惹かれる題材のキーワードとしては「堕落」「緩やかな鬱」「絶望」「弱者」「障害」「不条理」「理不尽」「救済としての死」「実存主義」「シュルレアリスム」辺りなんじゃないかと気づいた。infpは幸せになりづらい外的環境や境遇のテーマや、アイデンティティをテーマにした作品に惹かれやすいのも特徴なのではないか。



おまけ 読破挫折したもの

・カラマーゾフの兄弟 フョードル・ドストエフスキー

全く本名からイメージのつかないあだ名で突然呼び出すのをやめてほしい。誰が誰だかわからなくなって挫折。

・青い脂 ウラジーミル・ソローキン

ドグラ・マグラが読めたからいけるやろと舐めていたら全く意味がわからなくて挫折。下ネタ部分しか頭に入ってこなかった。(この作品は下の話多めである)

・ツァラトゥストラはかく語りき フリードリヒ・ニーチェ

何を言っているのか意味がわからなくて挫折。



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