バッドエンド作品が好きです

私は2.3日に1回配信をしている。配信でふと口を滑らし「ハッピーエンドの映画や小説などの作品を楽しめない」と言ってしまった。何故なら、わざわざ金出して手に入れた娯楽でまで、幸せそうに生きている他人を見る価値がないからだ。これも配信で言ってしまった。多分イメージ商売をしている身からすると良くなかったかもしれない。だからといって、人の不幸は蜜の味!!イェーイ!!という訳でもない。ハッピーエンドが苦手ではあるが、バッドエンドが好きな訳でもない。好きではないけど、安心するのだ。自分が底辺にいる時、一種の居心地の良さを感じる。太宰治の人間失格でも、主人公の葉蔵は底辺の居心地の良さを感じるためにあえて当時底辺扱いされていた左翼団体の集会に通っていたとあった。確かに底辺ではあるのだが、そのじめっとした空気感や底辺の自分に浸っても良い居場所があることにすごく安心するのだ。浅瀬で底まで透き通って見えてしまうような透明の綺麗な川は私には泳ぎづらい。深く暗い底の方が泳ぎやすい。あのほんのり冷ややかな深海の底のような居心地。それがバッドエンド作品にはある。バッドエンド作品は、私を安心させてくれるのだ。作中の登場人物が、堕ちて絶望してゆく様に安心する。なのに、作者の意向か最後のどんでん返しでハッピーエンドに急方向転換することもある。一気にクソコンテンツ決定である。現実はそんな風に苦しい時やピンチの時に、タイミングよく運や他人が救ってくれるだろうか?それを現実に近い世界観で、現実にあるように描いてしまったら、私は救われなかった側の人間みたいじゃないか。金を出してまで手に入れた娯楽でまて、惨めな思いはしたくない。私に寄り添ってくれない作品には感情移入ができないので、フィクションなのもエンタメなのもわかってる上でコンテンツとして楽しめない。感情移入が全てではないが、感情移入ができないとその作品の理解ができない、理解ができないと楽しめない。だから私はバッドエンド作品しか見ないという、捻くれた人間なのである。(ただ、フッカルなので友達にラブコメ映画に連れてかれたら付き合いで全然観る。人がおすすめしてくれたものは基本取り入れるようにしている。)


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