大乗仏教が広がった地域とは

問題

難易度: ★☆☆☆☆
大乗仏教は,世界のどういう地域に広がっていったか。40字以内で記せ。

配点: 3点 首都大学東京(2005)

採点基準

仏教が日本に伝えられた経路と似た問題ですが、この問題は地域に焦点を当てた問題ですね。難しい問題ではないので、焦らず記述していきましょう💪

①大乗仏教が広がった地域
以下の地域を含めていれば各 +1点(最大3点)
・中央アジア
・北インド(クシャーナ朝インドも可)
・東アジア(後漢も可)
・朝鮮(高句麗・百済・新羅も可)
・日本

②その他
上記以外の地域(東南アジアなど)を含めていれば都度 -1点

解説

詳しくは仏教が日本に伝えられた経路で解説した通りなのですが、整理を兼ねて解説していきたいと思います。

北インドから中央アジアへ

クシャーナ朝の時代に大乗仏教が北インドで興りました。なのでまずは北インドが該当地域に入りますね。そしてクシャーナ朝はギリシア系クシャーナ人の王朝。もともとは中央アジアで勢力を奮っていた民族なので、もちろん中央アジアの貿易ネットワークを熟知しています。ゆえに大乗仏教もその恩恵を授かり、中央アジアへと広がっていきました。

東アジアに広がり、日本へと

中国史のほうで扱いますが、クシャーナ人はもともと大月氏に一派という説が有力です。なので西アジアよりもゆかりのある東アジアのほうが精通していたのでしょう。その影響もあって大乗仏教も東アジアのほうに広がりをみせました。当時の中国王朝は後漢ということも覚えておくと知識と知識がつながって難度の高い論述問題に対応できるようになりますね。

後漢そしてその後の魏晋南北朝は朝鮮への進行と交流を深める中で、大乗仏教も朝鮮へと伝わりました。最終的には朝鮮から日本へと伝わることで、極東まで大乗仏教が拡大した、という結果になりました。

解答例

北インドをはじめ、中央アジアから東アジアに伝わり、朝鮮・日本へと広がった。(37)

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