廃墟とか遺跡とか、浪漫の前にまず悲しくなってしまう。
大事にしていたものを手放す。
ということがとてつもなく恐ろしい。
特に、建築物には色々なモノ・コトが詰まっている。
例えば、デルフォイのアポロン神殿。
皆がアポロンの神託を聴きに訪れていたであろう神聖な地が、
信仰を忘れ去られ、
何も知らぬ者たちに破壊され、
朽ちていく。
アポロンを信仰した者たちが最後にアポロン神殿を訪れ、去っていった時、
予言の神、アポロンはそれが最後であると判っただろう。
だが、どうすることも出来なかった。
このところ、そういう悲しさが、ずっと心の中にある。