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悔しいけどたまに会いたくなる人。

出会ったのは宮古島のゲストハウス。1人で島に移住してから1ヶ月も経たない頃、あまり感覚の合う人に出会えないなあなんて思っていた時だった。
彼も都会の大手広告会社で働いていた過去があり、過重労働にやられて不眠症になったことをきっかけに沖縄本島に移住したという。
いかにもプライドが高そうな、男らしさ全開のわたしのタイプの人だった。

仲良くなるのはすぐだった、そもそもの背景も近いし同い年ということですぐに意気投合、2人ともダイバーで旅とお酒が好き。ゲストハウスのみんなで飲み会にゆけば、お酒がすきなわたしたち2人だけでボトルを頼んで、みんなの横で2人だけ違う空間みたいになってたのが、もう恋のはじまりみたいだった。しかし彼にはずっと好きでいると言っていた人がいたし、私自身ももうこういうおらおら系の人とは一緒にいても幸せにならないと学んでいたので、お互い深入りする関係ではないことはわかっていた。

だけどどこかしら2人とも惹かれあっていたんだと思う。飲み会の帰り、タクシーがくるのをまっていたら眠たくなってきて「寝ちゃいそうだからなんか起きることして」といったら、その瞬間あごを引き寄せられてキス。「起きた?」って余裕そうな顔。ああこういうのがずるいんだよなって、最初からわかってたけどわたしのツボを押さえてくる人だった。こうして友達の一線を超えた。

それからはどちらも付き合っている人がいるけれど、たまに気が向いた時にどちらかが連絡したり、お互い出張の前後に落ち合って旅行にいったりと細く長く続いている不思議な関係。相変わらずプライド高くて自己中で上からで強引で、会うたびにこういう人といても振り回されるし自分が幸せにならないなって思い知らされるのだけど、懲りずにまた会ってしまう。

たまになにしてるんだろうなんてふと思い浮かんでくるし、気まぐれに連絡がくるとああまたひざびさに会いたいななんて思ってしまう。
悔しいけどきっとまた連絡がきたら今度いつ会う?なんて返してしまうんだろう、そんな連絡を待っている自分がいまもいる。


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忘れられない恋物語

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