れじみ

主に映画の感想など長文で文章を書きたくなった時に投稿する予定です。

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「ラストマイル」、野木亜紀子の社会への眼差しが光る大傑作!

【概要】「アンナチュラル」「MIU404」と繋がる シェアード・ユニバース・ムービー!! 「アンナチュラル」(18)、「MIU404」(20)など数々の名作ドラマの演出を手掛け、丁寧かつ大胆な演出で視聴者の心を掴み続ける、塚原あゆ子監督。そして、同作品で脚本を務めた、野木亜紀子。さらに、その2作品で主題歌を務めていた米津玄師。ギャラクシー賞や、放送文化基金賞などを受賞するなど、数々の功績をのこしたこの最強チームにより、「アンナチュラル」、「MIU404」の世界と繋がるシ

    • 【映画レビュー】 イタリア映画祭2024 「まだ明日がある」

      【概要】 イタリアの人気コメディエンヌ、パオラ・コルテッレージの監督デビュー作で、自身が主演も務めた人間ドラマ。 2023年にイタリアで公開されて、その年の興行収入でNo.1を記録。 今回イタリア映画祭2024で日本に初上陸した本作は、現在オンライン上映でのみ視聴が可能。視聴料金は1500円。 【あらすじ】 1946年、第二次世界大戦終戦直後のイタリア・ローマ。ベニート・ムッソリーニによるファシスト党が解散し、市民の間では沸々と改革の機運が高まっていた時代。 3児の母で

      • 2024年上半期映画ベスト10発表!! 【後編】

        前書き さて、サクッと書き上げる予定で始めた上半期ベスト10の発表ですが、自由気ままに書いていたら随分と長文になってしまったので前編後編の2部構成となりました。 前編の記事はこちら↓ では、早速ベスト10の上位5作品の発表です。 第5位第5位は、ルカ・グァダニーノ監督の「チャレンジャーズ」。 本作に関しては先日記事にしたものがあるのでそちらを参考にしてみてください。 上記の記事中でも触れていますが、筆者にとって本作の第一印象は実はそれほど良いものではありませんでした

        • 2024年上半期映画ベスト10発表!! 【前編】

          前書き さて、気付けば2024年も半年が経ちました。と言うことで、映画好きにとっての半年に一度の総決算、上半期ベスト10を発表する時期ですね。 ベスト10を発表する前に軽く上半期を振り返ってみます。 邦高洋低、つまり邦画は好調で洋画は低迷している状態のことですね。数年前からその傾向はありましたが、今年はいよいよそれが顕著になったように思います。コロナ禍による映画業界全体の業績不振、それに続くように起きた全米でのストライキ。これによって作品の品質云々以前にそもそも大作洋画がほ

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        「ラストマイル」、野木亜紀子の社会への眼差しが光る大傑作!

          シリーズ最新作「バッドボーイズ RIDE OR DIE」、窮地のウィル・スミスを救うのはやはり…。

          前書き バッドボーイズシリーズ最新作にして4作目となる「バッドボーイズ RIDE OR DIE」が今週金曜日に公開された。 ハリウッド屈指の個性派監督であるマイケル・ベイのデビュー作として誕生したバッドボーイズは、95年から始まり今年で29年目の長期シリーズとなり、主演のウィル・スミスとマーティン・ローレンスにとってはもはやライフワークと言っても過言ではないだろう。 生みの親であるベイは2作目で監督を降板したが、その後もカメオ出演は継続しているため、恐らく製作側との関係

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          ルカ・グァダニーノ監督最新作「チャレンジャーズ」、頻繁に行われる時間軸の往来は何を意味するのか?

          前書き 映画ファンの間で話題の映画「チャレンジャーズ」。イタリア出身の映画監督、ルカ・グァダニーノの2年ぶりの新作である。 今もっとも勢いのある若手俳優の1人であるゼンデイヤを主演に迎え、スポーツ映画とも恋愛映画とも形容できないジャンルレスな作品に仕上がっている。 筆者の評価に話を移すと、トレント・レズナー&アッティカス・ロスによる中毒性抜群のスコアや時間軸をこれでもかと行き来する構成には一定の興味を示したものの、全体的にはそこまでハマっていない、と言うのが正直な感想であ

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          𠮷田恵輔監督最新作「ミッシング」、観客と主人公の温度差が生み出すものとは何か?

          --以下、物語の核心に触れています。未見の方は注意してください-- 主人公・沙織里は娘の足取りが掴めない状況に憤りを感じ、周囲に対して非常に攻撃的な態度をとっている。こうした状態の沙織里を演じるにあたって、石原さとみが長年培ってきたTVドラマ的なオーバーアクトはとても相性が良く、娘が行方不明になっている状況には同情しつつも、沙織里に対してはどこか一歩引いてしまうというスタンスを生み出すことに成功している。また、母親の落ち度を責める傾向にある日本社会において、娘が行方不明にな

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