Twitterにコミュニティノート機能が追加~「背景情報の追加」の意味~
令和5年7月上旬あたりから、日本のTwitterにおいてもコミュニティノートの提供が開始(実装)されました。早速、様々なノート(背景情報)が付与され始め、各方面で話題になっているようなので、好奇心から、(ほぼ自分用に)ザックリとした概要と所感を書いておきます。
なお、詳細は以下の公式サイトに記載がありますので、深く興味のある方は、ご参照してみてください。
目的・趣旨
要約すると、コミュニティノートとは、誤解を招く可能性があるツイートに対して、Twitterユーザーがボランティアで協力者となり、役に立つノート(背景情報)を追加することにより、より正確な情報を多様な視点を持つ広範な人々に提供することを目的とするもの、となります。
基本理念
上記の目標・趣旨を達成するために、Twitterはコミュニティノートの協力者に対して、次の3つの基本理念に同意するよう求めています。
1.理解形成に貢献する
2.誠意をもって行動する
3.意見の合わない人々にも配慮する
なお、1~3のそれぞれについては、以下の様に詳細が記載されています。
"協力者"について
協力者とは、(一定の"資格基準"を満たす必要はありますが)自ら応募し、登録したアカウント(通常のTwitterユーザー)のことです。ただし、応募者が多数の場合には、ある程度の選抜がなされるようです。
協力者はあらゆるツイートに対してノートを作成・投稿することができます。ただし、投稿されたノートは、まずは他の協力者によって「役に立った」かどうか評価され、十分な数の協力者が、さまざまな視点から「役に立った」と評価した場合にのみ、当該ツイートに表示されるようです。
なお、Twitterは、通常のユーザーをコミュニティーノートの協力者とすることについて、以下のような期待・信念を表明しています。
"ノート(背景情報)"について
まずは以下に、ノート(背景情報)の概要・特徴について3点、Twitter公式サイトの記載から抜粋しておきます。
概要・特徴
コミュニティノートでは、単なる人気投票・多数決の形を敢えて取らないことにより、多くの人々が、さまざまな視点から役に立つと評価するであろうノート(背景情報)を提示することを目的としています。そのため、ノートがどれだけ多くの評価を得たかだけでなく、そのノートを「役に立った」と評価した人々が、多様な視点に基づいていると思われるかどうかも考慮されます。ノートは、異議を唱えがちな人からも「役に立った」と評価されなければならないため、この仕組みにおいては、多くの人々が有用性を認めたノートが見つかる可能性が高くなる、とのことです。
次に、実際にコミュニティノートに参加し、ノート(背景情報)を提供する手順について、ザックリと示します。
手順1 ~登録からノート作成まで~
(1)資格条件を満たしたアカウントにて、コミュニティノートに登録する。
(2)投稿の際に使用するコードネーム(ペンネームのようなもの)を選択する。
(3)まずは、他の協力者のノートを評価する権限が与えられるので、評価(に貢献)することにより、評価ポイントをためます。
※具体的には、ノートが「役に立った」または「役に立たなかった」のステータスに到達するのに、自身の評価が役立った場合(ステータスと自身の評価が一致した場合)、評価ポイントが付与されるようです。
(4)評価ポイントを5ポイント獲得すると、ノート作成機能のロックが解除され、自身でノートを作成できるようになります。
手順2 ~作成したノートの評価から公開まで~
(1)作成したノートは、最初は「さらに評価が必要です」のステータスになり、他の協力者に表示され、評価を受ける状態になります。
(2)ノートが十分な数の協力者により、さまざまな視点から「役に立った」と評価されると、「役に立った」のステータスを獲得し、対象のツイートに当該ノートが表示されます。
※なお、逆にノートが十分な数の協力者により「役に立たなかった」と評価されると、「役に立たなかった」のステータスに到達し、対象のツイートに当該ノートは表示されません。
※また、「役に立たなかった」のステータスに到達したノートを繰り返し投稿した場合、ノート作成機能が一時的にロックされるペナルティを受ける場合があるようです。
(3)ノートのステータスは、表示された直後の2週間の間は、評価が新たに下されるたびに更新されるようで、場合によっては、いったん表示されたノートが消えることもあるようです。そして、2週間が経過するとステータスが固定し、以降は消えることはないようです。
再審査について
表示されたノート(背景情報)について疑義などがある場合において、まずは、「ノートそのものもTwitterルールの適用や報告の対象」、とのことなので、通常のツイートと同様の対応が可能と思われます。
さらに、コミュニティノートにおいては、"再審査"という仕組みが装備されており、ツイートの投稿者は、自身のツイートに表示されているノートが重要な背景情報を提供しているとは思えない場合、再審査を請求できます。
以下に再審査の流れについてのTwitter公式サイトの記載を抜粋しておきます。
課題
Twitterは、コミュニティノートのような一般参加型のオープンなシステムの構築には、多くの課題が存在するとの認識であり、たとえば情報操作の影響を受けにくくしたり、社会の多数派に属する協力者や、何らかの偏見を持つ協力者が全体の大半を占めないように、協力者の属性を分散させたりといった対応がとられている、とのことです。
公式サイトにおいては、次の4点の課題に対して講じた措置について、それぞれ具体的に紹介されています。
1.共謀による情報操作行為の防止
2.多様な意見の反映と、偏見形成の防止
3.嫌がらせの防止
4.低品質の投稿がもたらす影響の低減
また、今後持ち上がり得る課題に備えた設計に継続的に取り組んでいるそうです。
所感
実は、私もコミュニティノートを最初に知ったときには、いわゆる"ファクトチェック機能"なのかな、と思っていたのですが、上記したとおりの概要を知ることにより、必ずしもそうではないと気付かされました。
すなわち、誤解を招く可能性のある対象のツイートに対して、"さまざまな視点"によるノート(背景情報)が表示される可能性があるところ、肯定的な(内容を補完・充実させるような)ノート(背景情報)には誤解を解く作用があり、否定的な(別の事実・解釈を提示するような)ノート(背景情報)には対象ツイートの内容(真実性)について警戒・吟味する必要性を知らせる作用があります。このとき、否定的なノート(背景情報)が結果として"ファクトチェック"の役割を果たす場合がある、ということだと思います。
まだまだ、コミュニティノートの運用は始ったばかりで、ちらほら見かけるノートも玉石混合のようではありますが(出典・根拠情報がWikiのものは論外のような気もしますが、、、)、是非、雑学マニアや論文マニア(?)など各種マニアのかたは協力者として活躍して頂き、出典・根拠がしっかりした仕組みに育ってもらいたいな、と思います。
と、他人事のように書いてしまい、私自身に協力者として登録・活躍する意思がないことがバレてしまったところで、今回は終わりにしておきます。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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