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「消費税廃止したら、社会保障はどうなるの?」 2021.5.31消費税減税研究会シンポジウム

前回、消費税減税研究会シンポジウムから、「消費税って、そもそも何なのか?」という部分をご紹介しました。

このシンポジウムでは、他にも様々な素朴な疑問に答えを提示しています。
今回は「消費税廃止したら社会保障はどうなるの?」という箇所をピックアップしてみます。

2014年、消費税5%から8%に増税される時、政府広報は「消費税率の引き上げ分は、全額、社会保障の充実と安定化に使われます」と発表しました。社会保障のためなら仕方がないと、国民は消費税増税に納得したと思います。
ところが実際は、増税分は社会保障の充実には16%しか使われていなかったのです。でも、その事実は国民には浸透しておらず、今でも消費税は社会保障のために増税も仕方ないという考えが常識のように語られています。

本当に、消費税無くして社会保障費は賄えないのか?

このシンポジウムのパネリストであり社会保障が専門の、学習院大学経済学部教授・鈴木亘(わたる)さんのお話の部分を文字起こししてみました。

(1:07:03から)
司会者:
鈴木先生、さっき一番最初に、僕が一番にぶち上げた疑問なんだけども、本当にこの消費税っていうのは、「社会保障のために必要なんだ」「社会保障費の財源がどんどん足りなくなってくる」、そういう大義のもとに(税率が)上がっていく。場合によっては、「社会保障だけを考えるんであれば20%ぐらいにまで上げなきゃいけないんじゃないか」とかね、そういう議論もありますね。だけど、実はこれまでの消費税の流れを見ていくと、「社会保障費のために本当に消費税っていうのはあったのか?」。さっき先生がおっしゃった、「いや、別にそれ無くても社会保障なんとかする方法あるんですよ」と。この辺、消費税と社会保障の関係どうなんですか? 

鈴木亘:
これ本当に大きな誤解なんですけども、日本の社会保障っていうのは、税金でやってる仕組みじゃないんですね、そもそもが。我々社会保障、年金も医療も介護も雇用保険も全部保険ですよね。年金も正確に言うと保険なんですね。保険料払ってますよね。普通、社会保険っていうのは保険料を払ってその中で給付をするっていう仕組みですから、保険料の対比っていうか、払ったものの対価として受給を受けるというものなので、そこに税金は入ってないはずなんですね。という意味では、消費税、どこに入ってるんですか?っていう。そもそも社会保険の中に、別に消費税上げるだけじゃなくて所得税でも法人税でも何でもいいんですけど、税の入る余地なんてないんですよ、社会保険の中に。唯一入れるんだとしたら、低所得者が自分で保険料を、高い保険料払えないので、そこにはちょっと入れましょうということが理論的にはありますので。ドイツでもどこでも社会保険方式やってる国は、税金なんていうのはほとんど入れてなくて、入れてる部分は低所得者の分だけっていうのが普通の社会保険なんですね。だから、そもそも消費税とか議論が出てくるはずがないんですけども。

日本の場合には何が起きてるかっていうと、社会保障の給付はとにかくどんどん増えますよね。だけども、保険料を取らないでそこの間に税金をジャブジャブ入れてるわけですね。これあの、よく郵政民営化の時に言われてた話で、「ミルク補給」って話があるんですけど、とにかく社会保険の中に税金をどんどん入れて、その結果として税が無いとやってけないっていうような構造。だから税が、実は4割も入ってるんですけども、社会保険方式と言いながら4割入ってると。正直なところ、日本の社会保障ってお安いですよ。老人の医療費にせよ介護にせよ、世界的に見たら相当安くやってきてるわけですよね。それはどうしてそんなことできてるかっていうと、税金をジャブジャブ入れてるからなんですが。これはやっぱりいろいろ問題を起こします。コスト感覚が働かないとかそういう問題があって、必要以上に使っちゃうっていう部分があるので、私は保険料でやるのが当然でしょうと。本来のフィロソフィーに立ち戻って、保険の中で色々やりくりしましょうというのが当然だと思ってますので。

問題は、消費税っていうのは、税金でジャブジャブ入れた財源が足りないから消費税上げましょうって話なので、本体じゃないんですよ。社会保障の「ミルク補給」の分が足りないから消費税を上げていきましょうっていう話なので。これやってる限り、社会保障の構造的な問題が全く解決しない。

司会者:
変わらないですね。変える気がないってこと? 

鈴木亘:
変える必要がなくなっちゃうんじゃないかということなんですね。知らない間に、もうドンドン日本経済の体力が奪われていくと。そういう問題なので、無くてもなんとかなるんじゃなくて、そもそも消費税が入ってるのがおかしいという問題なんですね。

司会者:
だから、もし本当に社会保障改革をやるんであれば、その保険制度が果たしていいのかどうか、そういうこともひっくるめて、根本的にそのお金の出と入りは議論してやんなきゃいけない。でも、それはそのまま保険制度で残してて、足りない分だけを消費税から出ますよみたいな。

鈴木亘:
いやいや、それもおかしくてですね。消費税っていうのは逆進的な税ですから、低所得者ほど過酷な税なんですね。社会保障の財源のために低所得者へ過酷な税を課してどうするんですか?という話で。もしやるんであれば、所得税のほう改革して、社会保険料控除とかいう話ありますけども。実は日本の所得税っていうのはあんまり低所得者に優しくない所得税の仕組みに、そもそも今なっちゃってますので。ここの部分を変えて社会保障の財源、もし税を入れるっていうことを必要だとするんだったら、所得税のほうを改革して考えるほうがよっぽど自然ですよね。だけども、(先ほど馬淵さんが「やりやすいから取ってんだ」って話をちょっとされましたけれど、本当にその通りで) 所得税の改革するっていうことになると、課税特別措置みたいな感じで、業界がいっぱい出てくるわけですね。その人たち口説くの大変なんで、「もう消費税上げちゃえ」って。誰も利害関係者がいないので、上げちゃえって話になるんだと思いますけども。やっぱり、どうせ財務省は汗かくんであれば、非常に歪んだこの所得税とか法人税とか、そっちの方にちゃんと手をつけるべきで、安易なことをやるべきじゃない。安易なことをやるがために、社会保障としてむしろ過酷な税になってるっていうのが最大の問題だと思います。

司会者:
なるほどね。実は、消費税をいわゆる社会保障のためにっていうのが、ずっと国民の間にも、私自身もそうだけど、それがどっかに引っかかってて。だから「社会保障大丈夫なのかなぁ」と思っちゃうんだけども、そこは大きなる誤解だということをここで認識しないといけないと思うんですよね。

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こちらの記事もご覧ください。


こちらから消費税減税研究会のとりまとめがダウンロードできます。


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