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ACCAとUSCPAの比較

海外の会計士資格、といえば日本ではUSCPA(米国公認会計士)が有名です。

USCPAは日本には専門学校がいくつもありますので学習を開始するためのハードルが低いですし、短期間で取れるのに、日本国内での転職には有利な資格ですので、もちろん優れている点は多いです。


ですが、もう一つの国際的な公認会計士資格であるACCAにはUSCPAよりも優れた点がいくつかあります。

それをご説明します。


①IFRSを学べる

会計の世界標準は国際会計基準、IFRSです。
世界の大企業のほとんどがIFRSを採用していると言っても良いと思います。日本企業においても国際的な企業はそのほとんどがIFRSを適用しています。かつて米国会計基準を適用した会社も、ほとんど全てIFRSに切り替えてしまいました。

そのため、日本国内においても海外においても、身に付けるべきは米国の基準ではなく、IFRSの知識となります。
ACCAはIFRSについても体系的に学ぶ試験ですので、時代の流れに即しています。

②使える知識を学ぶ

ACCAは全世界的に活用できる知識が多いです。
この点もUSCPAと異なります。
USCPAは米国会計基準を学ぶということもですが、その監査法や米国税法なども、米国では役に立ちますが、それ以外の国では使いにくい知識です。

ACCAはIFRSの他、監査、管理会計、パフォーマンス測定、コーポレートファイナンス、経営学、国際法などを学びます。

英国の税法も学ばないといけないですが、これは旧英国連邦や欧州圏ではある程度共通した税法となっているので、それらの理解の基礎となるような学習にもなります。

知識として使いやすいのもACCAの特徴です。

③試験の形式が実務に直結

ACCAの試験型式は実務で役に立つようにデザインされています。

例えば、財務諸表のドラフトをExcelで作成したり、事業の現在価値をExcelで計算したり
貴方が経理マネジャーのつもりで、CFOの意見に反対意見を述べたり

クライアントの税務の問題に対してアドバイスしたり。
そういったことが試験で問われてきます。これらのシチュエーションは実務でも起こり得るものです。

ExcelやWordやPowerPointで自分の答えをアウトプットする能力は会計士としては必須のものです。
この能力が培われていきます。しかも英語で。

これがACCAの学習をする大きなメリットになります。

④科目合格でも効果あり

ACCAは13科目と多いですが、一部の科目を合格しているだけで、その価値が認められます
海外では、Part qualifiedと呼ばれ、そのような人材を経理アシスタントとして求めている会社も多いです。

一方でUSCPAはこの科目合格というのがあまり使えません。
というのも1年半もすると合格が失効してしまうためです。

USCPAは1科目や2科目合格することは比較的有り得ることです。
しかし、Auditなどの科目で合格せずに挫折することが多いです。

そうなりますと、1年半の合格失効により、すでに受かっていた科目の合格実績が消えてしまいます。

努力がすぐに水の泡、、、となってしまいます。

⑤申し込みの条件が容易

USCPAを受験するためには必要な単位数などの条件が複雑であり、かつ困難です。

州によっても違うため、この申し込みの時点で既に挫折してしまう方も少なくありません。

大学を卒業していない方は更に大変なことになります。

ACCAは複雑な条件はありません。

大学卒業をしていれば望ましいですが、仮にしていないとしても、下のレベルから学習が開始することが出来ますし、その学習によってACCAの科目が一部免除されることになるので、結果的に大学卒業の方とあまりビハインドがありません。

ほぼ誰でも申し込めて、すぐに挑戦できる。
それがACCAの魅力です。

⑥7年間という長い時間制限

ACCAの科目の合格は上級科目から7年間となります。
初級、中級の科目の合格は永遠に不滅です。(現行制度上)

合格には十分な時間が与えられていますから、この期限はほとんど存在しないと同じ。

一方でUSCPAの科目の合格の期限はたったの1年半です。
この1年半の期限により、Auditなどの難しい科目に受かる事が出来ずに、最初に受かった科目が失効してしまい、諦めてしまうケースがかなりあります。

こうなりますと時間とお金が完全に無駄になってしまいます。

ACCAはこのような失効を考えなくて良いので、安全な試験です。

例えば途中で、異動や転職、出産や病気など、何らかの事情で勉強する時間が取れなくなってしまったりした場合でも、ACCAは後で再開することが出来ます

USCPAはその1年半程度の期間、かなり時間に余裕が無いと合格は難しい試験です。

その実質的な合格率は15%程度と言われています。
85%の人は諦めていきます。

学生さんや仕事が忙しくない方で、英語力や会計にもそれなりに自信があり、短期勝負で一気に合格をして、日本国内の転職に手早く活かしたい、ということであればUSCPAは良いかもしれません。

しかし、もし貴方に時間がなかったり、英語力や会計力にそこまでの自信が無い、でも今後役に立つ国際資格を取りたい、というのであれば、着実にACCAを狙うべきです。

USCPAの方が知名度が高いのは、過去の日本企業が米国基準を採用していたためと、その名残による予備校の猛烈な広告のためです。
これに踊らされる必要はありません。

⑦米国以外の多国間で有効

ACCAは米国以外の数多くの国で認められた試験です。

EU圏内では広く認知されていますし、シンガポールやマレーシアなどの東南アジアでも有力な資格です。
中国でも1,2を争う人気資格で、テストセンターがあらゆる場所にあります。
インドやパキスタン、バングラディシュなどの国々も、ACCAを使って海外に飛び出して働く人が多いです。
ロシア、中近東などでも知られています。

世界中のあらゆる国でACCAの資格保持者や、一部科目の合格者の求人があります。

国境を越えて活躍するACCAが存在するのがこの資格の魅力です。

⑧最初の科目の容易さ

USCPAは4科目ですが、それぞれの科目のボリュームが大きく、難易度も高くなります。

一方でACCAは段階的にレベルが上がる試験ですので、最初の試験は難易度が低いです。

合格率は85%程度のものもあります。
ほとんどが選択式の問題から始まります。

このレベルから徐々にステップが上がっていくので、無理なく勉強を開始することが出来ますし、合格の達成感を味わいながら進んでいくことができます。


以上、ACCAがUSCPAよりも優れていると考えられる点をあげてみましたが如何でしょうか?

勝るとも劣らない資格ですので、日本人の選択肢の内にも入っているべき試験だと思います。

是非検討してみて欲しいと思います。

詳しくはこちらへ。

https://reiwa-accounting.com/

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