本当にこれで良いのかな? と悩んだときに読むブログ
確かあれは10年ほど前。経営学を勉強していた頃に出会った記事がある。
もはやサムネもうまく出てこない(!)、2012年に孫泰蔵さんが書かれていたTumblrの記事。それは「リスクとのつきあいかた」と題したもので、私はこの記事で学んだリスク分析の手法を「Aという選択をするかしないか」で悩んだときに、必ずと言ってよいほど実践している。
「リスクとのつきあいかた」と言われるとちょっぴり構えるけれど、私たちが「彼氏と結婚すべきか否か」「子供を小学校受験させるべきかどうか」で悩んでいるとき、つまりは頭の中でそのリスクやリターンを考えているわけで、孫泰蔵さんが教えてくれる「簡単なリスク分析のしかた」を覚えておくっきゃない!
その選択をしたときに起こりうる「危険」と「機会損失」について、思った順につらつらと書き出す。記事の中では「自分が今どうしてもやりたいアイデアがあって起業したいが、いま通ってる大学を3年で中退して辞めるか否か」という選択を例に挙げて、
①卒業しなかったことにより発生すること
②卒業しなかったことにより発生する機会損失
③卒業しなかったことによってほぼ確定するマイナス
を、粒度を揃えながらまとめていく。そして大切なのはその次。
つまり、
◯いまやりたいことをやらなかったことにより発生する機会損失
◯いまやりたいことをやらなかったことにより発生するデメリット
を挙げていく。とにかく具体的に、思いつく限り。
今まさに悩んでいるその道を、選んだことで起こる得るインパクト(被害、失うもの)と、起こる得るリターン(期待、得られるもの)とは。
これはリスク分析の手法として合理的なのはもちろんのこと、そうやってきちんと判断すれば、たとえその選択肢でうまくいかなくても、合理的な手法のもと自分で判断した結果なんだから納得できるよ、という教訓もあり。
当時、就活せずに起業していた自分にとって、あまりにも自分ごとでグッサリ刺さったわけだけど、なんとなくこうやって自分の悩みを言語化する習慣はその後も十年にわたって続いていて。冒頭の「今の彼氏と結婚すべきか否か」「子供を小学校受験させるべきかどうか」みたいな選択だって、まさにこの方法で自分なりに納得のいく答えを出している。
面白いのは、淡々と「リスク」「リターン」リストを作ってみると、自分が怯えていたほど失うものがないことや、逆に、その選択を取ったところで得られるものがあまりにも些細であることなど。自分でも「はっ」と気づかされることが多いのよ。
なんとなく決めたつもりでも「本当にこれで良いのかな?」と不安なことは人生たくさんある。色々な人に意見を仰ぐたびに、ありがたい気持ちの傍らで頭がこんがらがったり。だけど、冷静に自分の視点で言語化して、紙の上に並べてじっと眺めてみると見えるものがある。
そうやって、自分なりに納得のいく選択をして、その選択を未来で答え合わせしていく人生になれば最高だよね!
<< 本記事のもとにした孫泰蔵さんのTumblr「リスクとのつきあいかた」には、「リスクとは」「リスクテイカーとは」という関連記事があるので、こちらも時間がある方はぜひ読んでいただきたい。なんせ十年前の記事なのでご本人にとっては考え方の変化も少ならからずあるかもしれないけれど、色褪せない、濃い学びに溢れてます…! >>
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