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結婚十周年式を挙げることにしたよ

「婚姻って、更新制にしたらいいのにね」って話を幾度となく友人たちとしている。紙切れ一枚の契約書だけど、多様な人間関係や家族のカタチを認めあう時代において、夫婦がお互いに人としてハッピーな人生を歩むためにも「私たち、このあとも夫婦関係を続けるってことでいいんだっけ?」と一定期間ごとに冷静に確認することは、いたって普通のことだとも思える。離婚間際かと思ったパートナーが意外にも更新したいと申し出てくれて愛情が再燃する、みたいなこともあるかもしれないしね。良い意味でも、悪い意味でも、メリットしか感じない。

そんなことを考えながら、まもなく我が夫婦は結婚5周年を迎えることに気がついた。仮に婚姻が5年更新制だとすると、ひとまず初回更新は滞りなく済みそうだ。それと同時にふと思い立った。次の更新時はなんだか盛大にお祝いしたい! と。

私たち夫婦が結婚した5年前は、私はスタートアップに勤めていて、旦那は勤めていた会社をドタバタと辞めて起業準備中という状況だった。未来も見えず、収入も貯金もあまりなく、だからこそと確かなものを求めるように籍を入れた。プロポーズは「透明の指輪」を贈ってもらったし(物は言いよう!)、結婚式は家族だけでハワイのなんでもないビーチに神父さんを召喚して執り行った。ドレスはBUYMAで購入(3万円)、髪の毛はポニーテールをしただけでヘアメイクもなし。

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ビーチだし置く場所もないよね? という理由でブーケもなかった。ウクレレ奏者が一人、フラダンサーが一人いたけど、定番のハワイアンを弾き出すと長年フラダンスを習っている私の母が優雅に踊っていて、もはやフラダンサーもいらなかったのでは? とみんなで笑った。タイミングよく姉夫婦も結婚することになったので、一緒にやっちゃえばいいねとダブル・ウエディング。日取りは私の両親の35回目の結婚記念日を選んだ。これでめでたく家族全員、同じ結婚記念日に! 幸せだ〜!

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同性婚と見紛う写真は、我が家の宝。地面に置いているカラフルな貝殻は、ダイソーで買った白い貝殻に姉が色を塗ったもの。姉は靴すら履いてなかったし、母のハワイアンですら自前だった(よく家にこれあったな)。

それはそれはシンプルで飾らない私たちらしく、いま思い返しても面白くて胸がキュンとする体験だった。総額7万円。

そんな節目から5年が経って、夫婦にも色々なことがあった。旦那はなんとかスタートアップを立ち上げ、色々ありながらも全力でやりきっているし、私は私でフリーランスとして独立し、二度の出産を経て立派な母ちゃんになった。大好きな友人はあの頃のままだけれど、子育てに奮闘する日々やコロナなど世の中の動きも含め、たった5年で人生も世界もがらりと変わるものだと感じさせられた。

そんな大激変を振り返りながらいずれ迎える二度目の婚姻更新(つまり結婚10周年)のことを考えると、「いやちょっとこれすごすぎない!? 盛大に祝って然るべきでは!?」 と思い始めたのだ。

皆さんのおかげで、我が夫婦は結婚10周年を迎えられました! 有難うございます! というお礼の儀式。これまでは自分の結婚式にはあまり興味がなかったけれど、「誰のおかげで婚姻関係を更新できることになったんだっけ…」なんて考えてみると、お礼を言いたい友人たちの顔がつぎつぎと浮かぶ。夫婦の共通の友人もこの5年で随分と増えたからゲストもよそよそしくないだろうし、夫婦の価値観も、互いの妥協や理解を経て、結婚当初とは比べものにならないぐらいに摺合せられている。もしやるとなったら、あんなことがしたいこんなこともできればとアイデアがたくさん出てきた。

極度の面倒くさがりな私は、もし仮に半年後に結婚式を挙げるとなると準備に思いを馳せて卒倒するだろうけど、5年かけてじっくり意思決定できると思うとわくわくする。準備の間に旦那が黄金を掘り当てて、ゲストに振る舞う食事がグレードアップするかもしれない(期待!)。ダイエットにも猶予がある。同世代の友人たちは毎月のように結婚式に参列する時代を終えて、久々にドレスアップして出かけるのもいいなと思っているかもしれない。なにより五年後、我が家の子どもたちは8歳と5歳になっている予定だ。小さすぎず大きすぎず、これはめちゃ適齢!

そんな話で、旦那とひさしぶりに深夜まで盛り上がった。海外では ”VOW RENEWAL(バウリニューアル)” と呼ばれる夫婦が愛をふたたび誓い合うセレモニーはよくあるみたいだし、旦那もなぜか昔からその儀式を定期的にやりたいと話していたので、この十周年パーティーの場がそんな機会になればいい。これから5年以内にまた色々と事件が発生するかもしれないけど、そのときはそのときだ。

ところで、”結婚十周年のパーティー” という長ったらしい名前にしっくりこなくて、なんか良い名前ないかな? と旦那に相談したら、数秒考えたあとに「結婚十周年にかけて ”10(テン)まで届けプロジェクト” はどう?」と真顔で言ってきて、ダサすぎワロタwww となったんだけど、旦那のこういうくだらな面白いところが大好きで、早まって5年も先のことを計画をしてしまっているのだ。感謝している。

というわけで、友人の皆々様。
我が夫婦の、10(テン)まで届けプロジェクト、どうぞご期待ください!

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