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誰からも好かれていたいという自分勝手な感情よ

幼い頃に仲間はずれにされたトラウマからか、転勤族で、見知らぬコミュニティで当たり障りなく生きていかなきゃいけない環境に育ったからなのか。みんなに嫌われたくない、誰からも好かれていたいという気持ちが人生のベースにある。それは社会に生きるモノとして当然の感情なのかもしれないけれど、誰しもがそうではないのかもしれない。

「自分のことが嫌いな人間もいるでしょ」「私はわたし、気にしない」と周りに見せても、内心そうは思えていないのが私で、基本的にみんなから好かれていたいし、嫌われたら辛いし、Twitterのブロックなんてもってのほか。それがまったく面識のない他人であったとしても、SNSで目に入ったコメントに「あれは暗に私を批判しているに違いない」とへこんだりする。

気にしなきゃいいのにね、でもいやなのよ。嫌われるのは、悲しいし辛い。それに「できるだけみんなに嫌われないように生きる」というのは「自己中心的なことをせずに、善人として生きる」とイコールだと思っていた。

そんな私の目から鱗がぽろぽろと落ちた。
ベスト of  ベストセラーの『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』を、一年ほど前に読んだのがきっかけだ。そもそも2013年に発行されていた大ベストセラーを、去年ようやく読んだこと、そして「人に嫌われたくない」という人生の悩みを解決してくれたのが『嫌われる勇気』というタイトルの本だったこと。真正面から語るには、すでに恥ずかしすぎるよ、この展開…! だけど自分の数十年の感情に終止符を打つことになった画期的なできごとについて、書かずにはいられない。

本書は、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊です。
欧米で絶大な支持を誇るアドラー心理学は、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的な ”答え” を提示します。この世界のひとつの真理とも言うべき、アドラーの思想を知って、あなたのこれからの人生はどう変わるのか? もしくは、なにも変わらないのか……。

さあ、青年と共に「扉」の先へと進みましょうーー。

『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(ダイヤモンド社)

世界はシンプルである、人生もまたシンプルである” という大前提から、”すべての悩みは「対人関係の悩み」である” と結論づけるアドラー心理学。

”あなたは他者のために生きているのではない” という言葉に、そうだそうだと共感し頷いた私は、その次に続く  ”「他者もまた「あなたの期待を満たすために生きているのではない」のです ” という一文に、いきなりはっとさせられる。

自らの生について、あなたにできるのは「自分の信じる最善の道を選ぶこと」、それだけです。一方で、その選択について他者がどのような評価を下すのか。これは他者の課題であって、あなたにはどうにもできない話です

P.147

自分の課題と他者の課題とを分離していく必要がある ” ということ。そんな発想になると、「嫌われたくない」「誰からも好かれたい」というのは他者の課題を(自分の穏やかな感情のために)コントロールしようとしているのに等しいのだ。「他者が私のことを嫌いである」という事実は完全に他者の課題であって、私がどうにかできることではない。

こんなシンプルなことに気づけなかった自分、愚か。というか、あれ、これってもしかして……?

課題を分離することは、自己中心的になることではありません。
むしろ他者の課題に介入することこそ、自己中心的な発想なのです

P.159

ギャーーーー //// (赤面)

冒頭にも書いたけど、「できるだけみんなに嫌われないように生きる」というのは「自分勝手なことをせずに、善人として生きる」とイコールだと思っていた。だけど違ったんだ。むしろ自分のことしか考えていなかったわけで。善人として生きていたつもりの私の長年の悩みが「自己中心的」という言葉により一蹴されたこと、なんだかめちゃくちゃスッキリした。

「嫌われたくない怖い怖い」「ああこれは幼少期のトラウマが…」と闇を抱えていたような気持ちは、気楽なお花畑になった。自分が自己中心的であることは、昔から普通に自覚はあったけどもさ、「人に嫌われたくない」「好かれたい」という気持ちもそれでしたか! ワッハッハ。あまりにも痛快で、あ〜 愉快 愉快。

と、いまや自分が自己中心的であることを恥ずかしげもなく肯定して開き直ってるわけだけど。でもそれをどう思われたって気にしない。だってそれは他者の課題であって、自分の課題ではないんだから! ” 自由とは、他者から嫌われることである ” って、哲人も言ってた。

(もちろん、だからといって傍若無人に振る舞っていいわけじゃないってことは続きに書かれているよ)

周りからの評価ばかりを気にせず、誰とも比べず、健やかにヘルシーに自分のリズムで生きていたい。自分の内側に目を向けることが難しくなったことを、ついこの時代のせいにしたくもなるけれど。

自由を手に入れてふわり軽くなった心で、これからどこへ行こうかな?

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