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ハッピーエンドの向こう側が見たい

どうもネトフリ芸人の私です。noteにはしっとりとした文章を綴りたいと常々思っているのだけど。今日ばかりはこの作品について語りたくて語りたくて、心がもうジタバタしている。

問題の作品は、Netflix オリジナルのリアリティショー『LOVE IS BLIND 〜外見なんて関係ない?!〜』。いやこれ、ぜひ予告編だけでも見てほしいのだけど、ちょっと説明させてほしい。

運命の人に出会いたい独身男女がポッドと呼ばれる密室空間に入り、相手の顔が見えないままに、恋愛、宗教、性的指向を赤裸々に語り合う。ポッド越しでさまざまな相手とデートを重ね、最終的に結婚相手を見つけることができるのか? という恋愛実験。要は相手の外見が一切見えない婚活。しかもポッド越しにプロポーズをして、結ばれた二人は ”婚約者” として初めて相手と対面するというストイックさ。全員ガチなのだ。

人は相手の内面だけで恋に落ちることができるのか? ということを検証する、まあなんとなく想像がつく番組なんだけども。なんだけども!!!

そんじょそこらのリアリティショーと一緒にしないでほしい。なんせ、てっきり10のエピソードの中でじっくり相手と向き合い、ポッド越しに好きだの嫌いだのやって、晴れて婚約、そして初めての対面シーンでクライマックス(最終回)を迎えるのかと思いきや、ノンノンですよ。そんな軽いものじゃない。なんとこのポッドでの結婚相手探しはたった2エピソードであっさり終了する…! 視聴者として普通にちょっと驚く。え?このあとどうするの?と。だけどこの番組の本番はここからなのだ。

婚約して初対面を果たした二人(シーズン1では5組のカップル)は、そのまま婚前旅行としてメキシコのリゾートへ行く。さらに旅行を終えると二人の同棲生活が始まる。蜜月期を終えた二人は超現実に引き戻され、いよいよお互いのすべてをさらけ出す。実は返済していない借金があるだの、ベッドのテクがイケてないだの、本当は別の人に惹かれてただの、家族総出で結婚に反対されるだの、見苦しいケンカを繰り広げててんやわんや。そしてそんなことをしながらも、同棲開始の数週間後には番組の完全バックアップの元で結婚式を挙げる。美しいウエディングドレスに身を包み、友人や家族に見守られる中で「恋愛実験」の結果を試す。

…って、どんだけ濃いねん! なんなら同棲生活始まったあたりから、この二人がポッドで出会ったとか外見を見ずにして〜 とか忘れてますわ。もちろん案の定、ポッドの中では通じ合ってた二人が対面を果たした瞬間に(やばい…思ってた顔じゃなかった‥!)みたいなこともある。でも二人が婚約破棄の決断をしない限りそのまま同棲生活に突入する。なんてストイックなの。出演者たち、よくこの企画に応募したな(というか編集でなかったことにされているだけで、番組の企画進行から抜け落ちたカップルたちも倍以上いるんだろうな)。笑

で。私たちはいつだってハッピーエンドの向こう側が見たい。その気持ちに本気で応えてくれているこの作品にただただ称賛を送りたい。お見合い大作戦に始まり、あいのり、テラスハウス、バチェラー。昔見ていた恋愛番組はどれも「無」から「愛」が生まれるまでの瞬間だけを切り取っていて、愛し合って祝福された二人はその後あっさりとブログやSNSで破局したことを発表する。「あんなにお似合いだったのに!」「何があったの!?」と、視聴者である私たちは勝手に残念がったり、破局の理由を推測したりするわけだけど。

その「何があったの」を包み隠さず見せてくれるのが、この番組なのだ。夢みたいに愛を誓ったカップルが現実で変化していくさま。これぞリアリティショー!拍手!拍手拍手!!! 

しかもですよ。海外のリアリティショーにはよくあるのだけど、この番組も例外ではなく、番組終了後に出演者たちがどうなったのかを追いかける「REUNION(同窓会)」という番外編が最終エピソードとして用意されている。死ぬほど見苦しいケンカをした二人も、晴れて幸せな夫婦となったカップルも、男性を取り合って激しくやりあった女性たちも、しれっと同じスタジオに出演してリアルな後日談を語る。しかもそれが、この恋愛実験(収録開始)から一年後の話なのである…!

もう非の打ち所がない。視聴者が気になるところを全部先回りして押さえられている感じ。そして、それだけ撮影期間も撮影コストもたっぷりと費やされた全11エピソードが間髪入れずにどばーっと公開されるものだから、まったくもう濃縮されすぎてて、出演者たちがネタバレをにおわせてる隙もない。いやはやすごい。人の恋愛模様なんて自分の人生には露ほどの影響も与えないって分かってるけれど、それでも目が離せない…!

…『LOVE IS BLIND』、面白いのでぜひ見てみてください。本当は番組終了後の先こそが「ハッピーエンドの向こう側」なのかもしれないけど。もういっそのこと、この人たちの人生、これからもトゥルーマン・ショーみたいに全編密着してくれないかな。まあ言うまでもなく、出演者たちのinstagram はすみやかにフォローしてるけどな…!

これほどまでにどっぷり世界に引き込んでくれる制作陣と、私の心をぐわんぐわんと振り回してくれる出演者たちに、敬礼。ピッ!

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