私とイチと将棋

これまでの話

もともと私はイチに付き合って将棋をはじめる前は、なんとなく駒の動きがわかるといった程度で、当時の名人が誰なのかもよくわかっていないレベルだった。

イチが将棋を指したいというので、駒の動きとルールをネットで再確認して相手をすることにしたのがはじまり。

(なお、当時イチは4歳だったが、駒の動きを覚えてから5日目には1手詰めと簡単な3手の読みができるようになっており、この時点で油断しまくっていた祖父は討ち取られてしまった。)

基本的に私はわざと負けてあげたりはしない方針。…というか、初心者なのでそんな器用なことはできなかった。

結果、お互いに玉を詰ますことができずに長時間の泥試合を繰り広げるのが常だった。

正直、「相手するの時間かかるし、めんどくせぇ…」と思った。しかし、イチは構わず「将棋やろう!」と言ってくる。子どもの興味の芽を摘むのもどうかと思ったので、サクッと勝って終わらせる方法がないかネットで調べることにした。

すると、初心者向けの戦法として、棒銀と四間飛車が紹介されていた。はじめて四間飛車を知った時は、飛車をいきなり横に動かして、反対側に王様を囲う動きがシステマチックに感じられてカッコいい!と衝撃を受けたものだった。

しかし、四間飛車は防御タイプの戦法と紹介されていたので、「今、俺が探しているのはサクッと勝てる火力のある戦法なんだ!」ということで、とりあえず棒銀を覚えることにした。

その後、しばらくは棒銀で一方的に勝つことができたように記憶している。しかし、そのうちイチも真似をするようになってきた。

そうなってくると「これどうやって受けりゃいいんだ?!」となる。またネットで調べていたら、雁木囲いで受けるという記事を見つけた。なにやら廃れていた戦法がAIによって甦ったとのこと。なんだかカッコいいではないか!

こうして、私はしばらく雁木囲いと棒銀を使う人になったのだった。ちなみにやはりイチも私の真似をして雁木囲いと棒銀を多用していた。

ただ、この頃は雁木囲いを作った後はどうしていいかよくわからず、参考にしようとしてピヨ将棋で雁木囲いまで組んだら、あとはヒントを連打してみるという勉強?をしていた。

そうこうしているうちに、数ヶ月が過ぎて4月。イチは幼稚園年中になった。そろそろ将棋教室に行っても迷惑にはならないレベルになっているだろうと思い、幼稚園児でもOKな教室を探していたところ、マメにブログを更新している先生の教室があった。雰囲気も良さそうだったので連絡をしてみたら体験会に参加して問題がなさそうなら入会できるということだった。

こうして、2019年4月6日、イチと姉のサクを連れて将棋教室の体験会へ行くことにした。

つづく




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?