私とイチと将棋2

前回のつづき
将棋教室へ入会が許されるのか、ドキドキしながら当日を迎えた。

なお、この頃から私はスマホメモに練習内容や棋力の目安になりそうな事柄を記録するようしており、この時点では

31.3.23
将棋を始めて約3ヶ月が経過した。
一緒に将棋を始めた父、サク、イチのそれぞれの対ピヨ将棋は以下のとおり。
父 ひよんR740(4級)といい勝負
サク ひよ香R90(14級)には勝てる
イチ ひよなR270(11級)には勝てる

という記録が残っている。

さて、将棋教室はプロ棋士の先生が主宰している教室で、先生がすごく怖かったらどうしようかなぁ、などと心配しつつも普段通りに指すことができれば多分大丈夫だろうと思っていた。

そして会場に着くと広い部屋に子どもがたくさん!しかし、ざっと見渡してもイチと同じくらい小さい子どもはいない様子。先生から簡単に教室の説明を受けて、サクとイチはとりあえず棋力をみるということになった。

棋力を見てくれるのは女流棋士の先生で、サクとイチとの二面指しで平手ということだった。
そして、たまたま、私が見学しているところは盤面が見える場所だった。勝てないのは当然なので、とにかく集中して普段通りにやってくれと念じるばかりであった。

対局がはじまると、サクはテキトーに駒を動かしているだけなので、時々「駒がぶつかったら取ろうね」などとアドバイスを受けていた。イチは得意?の雁木囲いを組んでから棒銀を仕掛けようとするが、先に攻められる展開。

ただ、イチは隣のサクが気になって仕方ない様子で、サクの盤面ばかり覗き込んでいる。正直「自分の将棋に集中しろ!」と頭をはたきたい気分だった。

そうこうしているうちに、イチが馬をつくったものの、自玉に3手の詰みが生じており投了。
女流の先生からは「詰んでることがわかるんだ?すごいね!馬をつくることができたのもよかったよ」と褒めてもらった。
プロ棋士の先生も見にきて「あれ?こんなに指せるのかぁ」と言って、何問か3手詰めを出題した後、「この子(イチ)はふつうに対局できそうなので、教室の子と対局してもらいます。」とイチを連れて行った。

結局、この日はサクは先生との対局に終始し、イチは教室の小学生を相手に3勝3敗だった。

終了後に先生からサクもイチも教室へ入会を希望するなら、入会できると言ってもらえた。特にイチは「特別な才能があるので将棋を続けていってほしい」と褒めてもらえた。

そのことを妻にメールで伝えたところ、妻からは「教室だって商売なんだから、セールストークのひとつふたつあるでしょ」と冷めた返答があった。

その夜、サクとイチに将棋教室へ通うか聞いた。
実はサクはこの数日前にスイミングの体験に行っており将棋よりスイミングがいいということだった。(それからサクはスイミングを習いはじめて頑張っている。このこともそのうち記録(note)に残しておきたいと思っている。)
イチは将棋教室に通う!ということで、先生にメールで入会の希望を伝えた。4歳半の春のこと。


つづく



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