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なぜあなたの会社の「営業DX」は上手くいかないのか?

こんにちは、グローバルインサイトの水嶋です。

私は普段、営業やインサイドセールスのコンサルティングをしていますが、「営業のデジタル化を進めて生産性を高めたいが、上手くいかない…」といった相談を受けることが頻繁にあります。相談を受ける企業は業種も規模も様々で、多くの企業が営業のデジタル化を進めたいと考えながらも苦労していることを実感しています。

一方で、様々な企業での取組みを観察するうち、それが「上手くいっていない」企業には共通点があることも見えてきました。

本記事では、そういった企業に共通する「営業DXがうまくいかない理由」について、対策と合わせて考えていきたいと思います。

本記事の「営業DX」の定義

最初に、本記事で私は営業のデジタル化ではなく「営業DX」という言葉を使うことから、その定義を明示しておきます。

営業DX:「新たな価値創出や課題解決のために、デジタル技術を活用しながら、営業のあり方や仕組みを再定義し、体制構築・戦略立案・実行していく取り組み」

やや小難しい言い方になってしまいましたが、「営業DX」は営業の「仕組み」づくりや「体制構築・戦略立案・実行」まで広く含む概念で、単なるデジタル化ではない、という点だけご理解いただければ幸いです。

この定義の前提には、営業に関わる業務のデジタル化は、営業全体の見直しとセットで進めるべきだという考えがあります。この点は営業DXが上手くいかない理由にも繋がりますので、あとで再び触れるとして、営業DXが上手くいかない原因とその対策についてさっそくお話していきましょう。

営業DXが上手くいかない6つの理由

営業DXが上手くいかない理由ですが、私の経験も踏まえると、大きく6つ挙げることができます。順番にご説明していきます。

営業DXが上手くいかない理由①「デジタルツールの導入や業務のデジタル化だけを進めればよいと考えている」

先のパートで述べたように、営業DXは仕組み作りや体制構築まで含めた概念としています。この背景には、優れたツールを導入したのに十分活用できなかったケースをいくつも見てきた経験があります。

ツールの導入や業務のデジタル化が目的化してしまうと、かえって営業マンの手間が増えてしまったり、面倒に思われて利用されなくなってしまったりと、期待したような結果につながらなくなる傾向があるようです。

そうした失敗を防ぐためにも、営業DXの観点から、業務のデジタル化と営業全体の見直しはセットで進めていくことが重要です。

営業DXが上手くいかない理由②「営業部門だけで個別最適化を図っていて、全体最適の取組みができていない」

2点目も多くの企業で見られる傾向です。そもそも「営業活動」は「営業部門」だけで閉じた活動ではなく、マーケティング、インサイドセールスやカスタマーサクセス、バックオフィスなど様々な部門・役割が協力して成立しているはずです。

そんな中で「デジタル化」を営業部門だけに個別最適化して進めてしまえば、なかなかインパクトが出ないばかりか、社内で複数のツールが併存してしまいコストや労力が無駄になることさえあります。

営業のデジタル化が当初の目的である場合でも、営業DXの視点から、営業活動に携わる多様な部門の活動を踏まえて、部門間で連携しながら全体最適を目指す必要があるでしょう。

営業DXが上手くいかない理由③「営業DXの主目的を"コスト削減"においている」

もちろん、営業DXが進むことで生産性が向上して、コスト削減に繋がることはあります。この点は多くの企業が営業DXに取組もうと考えるきっかけにもなっていると思います。

しかし、初めからコスト削減のみを主目的としてしまうと、必要な投資がなされず十分な成果が出ない恐れがあります。ここでいう投資には、ツール導入に向けた金銭的な投資も当然含まれますが、同時に営業DXを主導できる優秀な人材をプロジェクトなどにアサインする、人的な投資も指しています。

営業DXはこれまでの営業活動にとっての「当たり前」を変革するという側面も持ち合わせていますので、人的にも金銭的にもある程度積極的な投資が求められるといえます。

営業DXが上手くいかない理由④「初めから完璧を目指そうとして、スモールスタートできていない」

②にて全体最適が必要だとお伝えしましたが、そうすると今度は「完璧な全体最適像」を描こうとして計画立案が上手くいかなかったり、逆に途方のない計画になってしまったりするケースも見られます。

全体最適を意識することは必要ですが、実際の取組みはスモールスタートにして、少しずつ改善サイクルを回しながら拡大していく方が、途中で営業DXの取組みが頓挫してしまうリスクを軽減できるでしょう。

営業DXが上手くいかない理由⑤「組織カルチャーが障害になる」

営業DXに限らず新たな仕組みを導入する上で、組織カルチャーは根深い問題となることがあります。具体的に何が問題となるかは企業ごとに様々ですが、変化よりも維持を重視する雰囲気や、既存のやり方や成功体験への信頼が過剰にある場合などは、とりわけ困難だといえます。

こうした組織カルチャーの持ち主が上位層なのか現場に近い人物なのかによっても対処は異なりますが、いずれにせよ、まずは③で指摘した営業DXの意義を理解して取組みを主導できる人材のアサインが欠かせません。加えて、詳しくは⑥で述べますが、第三者の活用も検討するとよいでしょう。

営業DXが上手くいかない理由⑥「自己流でやろうとし過ぎている」

近年は様々な場面でDXの重要性が叫ばれてはいますが、その中でも営業DXのノウハウはまだ少なく、フレームワークや方法論もあまり存在しないのが現状です。また、企業ごとに課題ややるべきことが異なるため、既存の方法論などを自分の組織に当てはめて自己流で進める難易度は高いといえます。

営業DXを支援する立場としてやや手前味噌ですが、様々な企業の取組みについて知見を持っている第三者の手を借りることも、有効な手段の一つになるでしょう。

まとめ

ここまで、営業DXが上手くいかない理由をご説明してきました。今まさに悩みを抱えている方、これから取組もうと情報収集をしている方など状況は様々だと思いますが、自分の組織が上記に当てはまっていないかぜひ振り返ってみましょう。

どの理由も言葉にするとシンプルな内容ですが、それぞれ対策をして、最後までやり切るのはそう簡単なことではありません。

それでも、営業活動全体を視野に入れながら、スモールスタートをして着実に取組みを進めていくことが、自分の組織に適した営業DXを実現する唯一の方法だといえます。本記事が営業DXを実現する一助になれば幸いです。


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こちらは従来のコンサルティングとは異なり、弊社メンターが提示するフレームワークに従い、お客様主導で営業組織とプロセスの変革を設計いただくプログラムになっています。

お客様に主導いただきながらも、様々な知見と経験を持つ弊社メンターがサポートするため、自社のみでは実現できない変革と人材育成を進めることができます。

(弊社メンターはコンサルタントというよりジムのトレーナーのような立ち位置と思っていただけるとわかりやすいかと思います)

営業のデジタル化やインサイドセールスの導入、営業組織の変革等の必要性を感じながらも自社だけではなかなか進められない、かといって高価なコンサルティング企業に依頼するのも違う気がする、そんな企業の方は、よろしければこちらのページよりお気軽にご相談ください。


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