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「先入観は小さくなる、だから私たちは手を繋ぐ」ークィアカップル・Edo&Patインタビュー

異なる国で生まれ育ち、偶然東京で出会ったEdoさんとPatさん。
彼らは互いを受け止め合いながら、心に湧き立つ気持ちを素直に解き放っているようでした。その姿は相手を威圧するような類のものではなく、一緒にいるだけで気持ちが明るくなる、陽の光のようなポジティブなエネルギーを感じさせます。

二人の関係性はどんな経緯をたどって今の形になったのか。それぞれ異なるルーツを持つ者として、日本はどんな場所に見えているのか。お話を聞いてみました。

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エド / Edo(写真右)
1994年・メキシコ生まれ、カナダ育ち。文化服装学院への留学を機に、2015年に来日。現在はREINGのプロデュースメンバーであると同時に、マーケティングとコンサルティングに携わる。フリーランスの写真家としても4年のキャリアを持ち、ドラァグクイーンとしてパフォーマンスも行う。Instagram:@yumeboi

パト / Pat
(写真左)
1992年・オーストラリア生まれ。東京大学大学院在籍中に、国連でのインターンシップに従事した経験を持つ。現在は、世界の難民問題に興味を持っている。お料理の腕を試すのが好き。
Instagram:@p_p.k

ー 二人の関係性や、出会いについて教えてください。

Pat : 古典的なゲイの恋愛なんだけど、私たちはマッチングアプリを通じて出会いました。

Edo : 付き合ってから1年と10ヶ月かな…?今一緒に住んでます。
私たちは毎日の過ごし方がとても違うんです。一言で言うなら、私が部屋に物を出して、パトが綺麗にする。

Pat : 私の生活はミニマリストみたいかもしれない。でも、互いのその違いはそんなに気にならないんです。

Edo : そうだね、違いはあまり影響してないな。大きな喧嘩もしたことない。

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ー 初めて会った時の、お互いの印象は?

Edo : めっちゃ可愛いって思いました!初めて駅で見つけた時は「いや、あの人な訳がない」と思ってて。だって、そういう類のアプリって写真と実物にギャップがあって失望させられることが多かったから。でも彼は写真と変わらずに可愛かった。それで私は「えっ、まじ?OK、いいじゃん!」って(笑)。

Pat : (照)。 表面的な感じになっちゃうのだけど、正直私は「ワオ、大っきいイヤリングつけてる」って思いました。エドがいつも身につける大きな輪っかのイヤリングは彼を特徴付けていると思います。

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変わることを求められない、安心感

ー 二人で何をするのが好きですか?

Pat : うーん…私たちはいろんなことを一緒にやってます。例えばネットフリックスを観るとか、ゴロゴロして過ごすとか、ただ何もしなかったりとか。

Edo : たぶんパトを好きな理由にも繋がってるんだけど、私は彼のために時間をつくろうとしたことがないかもしれない。もちろん、みんなパートナーのために時間はつくらなくちゃいけないんだけど、私の場合はとてもスムーズに彼との時間をつくれている気がします。

Pat : いい意味で驚きだよね。意図していなくても、一緒に時間を過ごしてる。

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ー お互いの好きなところは?

Pat : 色々あるけど… 私がエドと一緒にいて一番感謝しているのは、今までの誰との関係よりも、エドと一緒にいる時に精神的な癒しを感じていることです。たわいもない会話をしたと思えば、同時に知的な議論を繰り広げるし、深い話もする。互いの言葉に傷ついたりしちゃうこともあるんだけど。

Edo : 彼のために自分を変えなくてはいけないと思ったことが一度だってないところ。小さい頃から動物が好きで、私の部屋には動物のぬいぐるみがたくさんあるんですけど、「なにこれ!?」って引かれそうな気がして、今まで付き合って来た人たちにはぬいぐるみを見せられなかったんです。でも、パトには隠そうと思ったことがない。彼は私のために動物のグッズを買って来てくれたりするし。初めて会った時から、ただ素直な自分を見せられています。素直でいることを意識していたわけではなくて、気がついたら「隠さなきゃ!」って気持ちを忘れちゃう感じ。

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あなたはあなた
他の誰かにならなくてもいい

ー 二人で日本に住んでて、「難しいな」と思うことはありますか?

Pat : 個人的には、日本で自分がクィアであることを自覚しながら生きていると、自分のセクシュアリティに自信が持てなくて、安心感を得られにくい感じがします。そうすると、自分が誰かに見られたり、批判されているような気持ちになってくる。エドはセクシュアリティの部分も含めて自分のアイデンティティに自信を持っているから、一緒にいると私を批判してくる心ない人たちに立ち向かおうと思えるし、自分が今いる場所が安心できるものなのだと感じられるようになってきています。

Edo : 誰かが私とパトが手をつないでいるのを見ていたなら、彼らが別の機会に同性カップルを見たとしても気にしないでしょ、って思うんです。だから、私は誰かにジロジロ見られたりするのは気にしないことにしました。私たちの姿を見ることで、誰かの先入観が小さくなればいいな、と思って。

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ー たしかに。見る機会があるほど、受け入れやすくなりますよね。

Edo : 私の友達はいつも「違ってていいんだ」って言っていました。このアンダーウェアの撮影でもいろんなタイプの人が集まってましたよね。体型とか、誰かが他の誰かみたいになれっていうのは違うと思う。全員が違うものを持ち寄るから、ユニークでスペシャルな場所になるはず。この考え方は世界の色々な場所で浸透しつつあるものの、日本はまだまだこれからな気がします。でも撮影で出会った人たちや、REINGがやってることとかを通して、徐々にステップを踏んでる感じがするし、それってすごく大切だと思う。多様性が、この社会をアップデートする鍵になると思うんです。

Pat : うまくまとめたね。

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過ごした時間も感じ方もひとつだって同じものはない。彼らは互いの違いに触れるたびに自らのユニークさに気づき、自分とは違うはずの相手と通じ合うたびに自らの存在は特別であると感じているのかもしれません。違いを受け止め合う安心感と、お互いに伝え合う素直な気持ちは呼応して大きくなっているようでした。

『全員が違うものを持ち寄るから、ユニークでスペシャルな場所になる』ーー最後にEdoさんはそう語りました。日本人はユニークでありにくい世界を生きている、そう感じているのは私たちだけじゃないはず。「目立たないようにしよう」「いい子でいよう」「誰かの正解に近いところにいよう」そう感じた分だけ「私って何なんだろう」と不安に苛まれるような気がします。

だけど、彼らの話を聞くとその焦りが少しラクになる。それは、自分を信じるパワーに満ちた彼らと話していると、素直な自分でいていいような気がしてくるから。相手の解釈に左右されず個性の光を輝かせるEdoさんと、相手の感じ方に意識を向けて柔らかな光を放つPatさん。自らのユニークさを大切に思う気持ちが、私たちの心を明るくしてくれたのではないでしょうか。


Interview : Asako Tomotani
Writing : Maki Kinoshita
Editer:Yuri Abo

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