プロセスを観る
いくつかの会社で働くなかで、組織での仕事のあり方は
「方針やテーマを定めていく過程でどんな文書がつくられ、残されてきたのか」
に典型的に現れるのだな、ということを実感しています。
ルーチン化された業務の進め方にも、求められるスピード感や、インフラ投資に対する感度などは現れてきます。
ですが、その組織の「らしさ」は、新たな物事を立ち上げていく過程のなかに最もよく見出だせるように思うのです。
多くの企業では、たたき台をつくり、話し合いを繰り返し、進む方向性を定めて、ドキュメントを最終化していくというプロセスが踏まれます。
大事なのは、その大きな流れのなかで、どう細部がつくりこまれているのか。
何年か前に、私が師と仰ぐ起業家 兼 教育家の方から繰り返し教わった、
「イノベーティブなアイデアを考えつくためには、常に Design your design work! を実践すること。
自分たち自身で意図を持って思考のプロセスを設計して、そのプロセスのなかで何を考えてきたのかをトレースできるようにしよう」
という話なんですよね。
そもそも、組織のなかで思考のプロセスをどう設計して検討をはじめるのかや、その際の押さえどころ、大切にする視点について共通認識があるのか?そのすり合わせから始めようとしているのか?
あるいは、そのフェーズをブラックボックスとして、声の大きな人に付き従う文化を生きているのか?
こうしたことが、プロセスの質に決定的な影響力を持ち、アウトプットの質を左右することになる。
過去から現在にかけて蓄積されてきたドキュメントに目を通したり、物事の立ち上げにおいてどのように検討を重ねているのかを尋ねることで、そうした組織での仕事のあり方はよく見えてくるように思います。
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