突然の眼底出血、電話で怒り心頭、そしてタモキシフェン(乳がん治療薬)を休薬するまでの日記
今年の夏はつらかった。
酷暑にくわえ、ホルモン治療の薬(タモキシフェン)の副作用に襲われて、生きているだけで精いっぱいだった。
結局タモキシフェンを休薬して、暑さも過ぎ去って体調も回復し、なんとか生還できました。そこで休薬に至る経緯をまとめてみました。
2022年7月14日
いきなり右目に閃光のようなものが走り、あきらかに視界が陰った。
いや、目の調子が悪いとはずっと感じていて、ちょうど眼鏡市場に行って新しい眼鏡を購入したところだった。
ごろごろとした右目の違和感と、ただの視力低下とは異なる見えづらさを感じる。いったい何事?
2022年7月15日
次の日になってもまだ治らないので、会社帰りに眼科へ行く。
以前も見えづらさを感じたとき目薬を出してもらって楽になったので、きっと今回もそれでよくなるはず……
診察の前に眼球の写真を撮ってもらっていると、看護師さんが
「前回来られてから、なにか病気などされましたか?」
と尋ねてくる。もちろん病気をしているのだが、説明するのが面倒くさいので、「いえ、とくには……」と素知らぬ顔で答える。
診察室に入ると、医師が私の眼球の写真に指をさし、
「ほら、ここで出血が起きています。眼底出血ですね」と説明をはじめる。
眼底出血?? いったいなぜに??
「糖尿病や高血圧の人に多いのですが……」
どちらも指摘されたことはない。
「ほかに病気などされていないんですよね?」
とまたも訊かれ、まるで詰問された万引き犯のように、やむなく
「実は……」と、去年から乳がんの薬を飲んでいることを白状する。
「薬の副作用かもしれませんね。それで血の流れが滞って、目の奥で出血しているようです」
まだ血が流れているってこと??
このまま出血がおさまらなければ、目が見えなくなるのだろうか?
「いまはまだ視力に影響を与えるところまでは出血していませんが、このままおさまらなければ、レーザー治療、あるいは手術をすることになるかもしれません」
また手術?! 保険を申請しないと……いやいや、保険がおりても、手術はもう勘弁。なにより、もうマークに淋しい思いをさせたくない。
とはいえ、目が見えなくなるのはちょっと困る。じゃあ薬を止めたらいいのだろうか。いや、再発するのも同じくらい困る。
というか、目が見えなくなる VS がんが再発する……って、どちらもいい勝負ではないか。もちろん悪い意味で。なんでこんな目にばかり遭うねん~
2022年7月19日
連休明けなので、会社に行くと仕事のメールがあれこれ溜まっている。まずはこれらを片付け……
ないといけないのだが、そんなことはそっちのけですぐさま大学病院に電話をかける。
ところが、連休明けだからか、コロナも関係しているのか、まったくつながらない。
やはり朝早くは混んでいるのかな……と思って30分くらい待ち、再度かけてみても全然つながらない。もう一度かける。つながらない。
もうそこからは、大昔にチケットぴあに電話をかけていたときのような猛烈な勢いで何度も何度も電話をかける。
ようやくツーツーという〈話し中〉を脱して、なんとかつながったかと思うと、「しばらくそのままでお待ちください」がえんえんと続く。
髪の毛が全部抜け落ちそうなほどイライラしながらも、ここで切ったらまたつながらないかもしれないので、そのまま15分くらいじっと待つ。
やっとのことで代表の受付とつながり、乳腺外科にまわしてもらう。
受付の女性に、①眼底出血が起きている ②眼科では乳がんの薬の副作用ではないかと言われたが、このまま薬を飲み続けていいのか? と必死に伝えるが、「では先生に訊いてみます」とあっさり電話を切られる。
悶々と待っていると病院から電話がかかってきて、またも仕事そっちのけで(この日ずっとそっちのけなのだが)、あわてて応答する。
するとさっきの女性が、「脚に血栓ができることはあるけれど、目への副作用はないと先生が言ってました」と言って、またもあっさり電話を切る。
なんだこの伝言ゲーム。
いや、タモキシフェンの(山ほどある)副作用のひとつに視力低下が書いてあるじゃないか。タモキシフェン網膜症という症例もネットで見つかった。
やはり先生に直接診察してもらわないと。
そこでまた電話をかける。今回も代表につながったあと、やはり10分以上待たされて、ようやく乳腺外科にまわしてもらう。同じ女性が出る。
「さっきお伺いした件ですけど、やっぱり先生に診察してもらいたいんですけど」
と私が言うと、女性は「診察ですか~」とあからさまに嫌そうな声を出し、「目のことなら眼科で診てもらったらいいんじゃないですか」と続けた。
な・ん・や・と~~~~~~~~~~~~
電話をかけるだけでこれほど大変なうえに、こんな言い方をされて腹ただしさのあまり目から血が出そうになる。いや、目から血が出ているから電話しているのだが。
「いいえ、以前から副作用について先生に相談していて、何かあったら来るように言われているのですがっ」
と強く訴えると、女性は「では先生に訊いてきます」としぶしぶといった感じで電話を保留にした。
そして戻ってくると、「先生が診てくれるとのことです」と了承を得たので、なんとか予約を取ることができた。
2022年7月29日
そして乳腺外科に行って先生と話をして、とりあえずタモキシフェンを休薬することになった……
のだが、診察室に入るやいなや、眼底出血のことよりもなによりもまず、電話が全然つながらなかったことと、受付の女性に診察を却下されそうになったことについて、先生にえんえんと文句をぶちまけてしまったのは言うまでもない。
診察室を出るとき、「すみませんでした」と先生が謝ってくれて、なんだか申し訳ない気分になった。
しかも、8月の診察の際、ちらっと電子カルテを見ると、前回の診察の記録として「ご立腹されています」と先生にメモされていて、さすがに恥ずかしくなった。いや、でも私は悪くない。
そしていまは新しい薬、アロマシン(アロマターゼ阻害薬)を飲んでいて、いまのところ、前よりも心身の調子がよくなった気がします。
このまま順調でいられますように……!
(毎年恒例のスピッツの夏のイベント〈ロックロックこんにちは〉が今年ようやく復活したものの、チケット取れんかった……)
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