【エッセイ】ピンクパープルノスタルジー
ふと車窓から見た夕焼けが綺麗だった。
目線をあげたら三日月が控えめに輝いていた。
それだけで泣けてしまうような人生です。
:
最近は感傷的になると、書きたくなる衝動に駆られます。おそらくその時に感じた気持ちを忘れたくないからでしょう。そしてそれをSNSで共有するのも、誰か同じ人がいないか探したくなるからでしょう。そして同じ人を見つけると、少し嬉しくなり、それを心の引き出しに大事にしまうのです。
貴方は唯一無二の存在です。といわれて納得いった試しがありません。むしろ私はどこにでもいる存在であり、いなくなったらいなくなったで特別困ることもありません。「そんなことないよ」と言われたいわけでもありません。本当に揺るぎなくそう思っているからです。
それでも、私は誰かにとって特別な人でいたいと思います。誰かから必要とされたいものです。むしろそこでしか自分の価値を測れない。人に価値を付けるのも変な話ですが、私たちはみな何かしらの方法で自分の付加価値を付けようと必死なのです。「特別」になりたいから、と。なんという寂しい生き物でしょうか。
しかし、私は、あの夕焼けを綺麗だと思った。
それは価値がないことでしょうか。
私たちは生きねばならない。
あの夕焼けのように。