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甥っ子の感謝の言葉。

甥っ子が逃げるように実家に帰ってから2日後の夜、甥っ子がパパに連れられて荷物を取りにやってきました。

なんだか甥っ子の表情が晴れ晴れとしています。最近、ニヤッとすることはあっても、あまり見せなくなっていた一点の曇りもない笑顔。実家に帰ったことがそんなに嬉しいのか。

みんなで引っ越し作業です。教科書や衣類だけのはずなのに、1年でこんなに甥っ子の荷物が増えたのかと驚きました。荷物の積み込みが終わって、みんなで珈琲ブレイク。甥っ子は牛乳とどら焼きで一緒に卓につきます。

夫が甥っ子に尋ねました。

「実家から通う事になって嬉しいと?」

「いや、普通。」

普通ってなんだよ!!嬉しいけど、通学大変になるから差引ゼロって事か??

「ウチは厳しかったか?」

YESともNOともとれる曖昧な笑みを浮かべたあとに一言。

「・・・でも、ご飯は美味しかった!!


この数日、散々切ない気持ちにさせておいて、ここで急に褒めるなんてツンデレが過ぎるだろ~!!!!なんて憎めない奴なんだ。目頭が熱くなる。成長期の甥っ子の好みや栄養バランスも考えて、確かにご飯は毎日一生懸命作りました。だから、そこを褒められると素直に嬉しい。高菜や大根、梅干しなど苦手だった食材も我が家で克服できたし、テーブルマナーだって覚えたしね。タイ、ベトナム、韓国、モロッコ料理など、これまで食べたことないものも沢山食べたもんね。


さぁ、そろそろ帰ろうか?というタイミングになって、パパに「言うことあるだろう?」と諭されて甥っ子が口を開きます。先ほどまでの明るいテンションから一気にトーンダウンして、小さな声です。

「・・・お世話になりました。」

言わされた感は否めませんが、はい、ここで叔母ママ、涙腺崩壊です。ちゃんと言えるじゃん。思春期に挨拶するとか、自分の気持ちを伝えるってなかなか恥ずかしい事だと思いますが、よく言えました!!

甥っ子が実家に帰るという甘えを許したことは果たして正解だったのか?という不安、厳しすぎただろうかという後悔、大変だったけど、一方で賑やかになった我が家だったので、やはり寂しくもある。そんな思いがドバ~ッと溢れてきてしまいました。

突然、泣き出した私を見た甥っ子は一瞬驚いたようで目をくるくるさせましたが、次の瞬間には「なんで泣きよると?変なやつ」と言わんばかりにニヤニヤしていました。

「応援してるけんね~!勉強も部活もしっかり頑張りなさいよ!実家でもお手伝いとか、部活着の予洗いとかはちゃんと自分でやるんだよ!通学がやっぱり大変だったら、またウチから通っていいからね!」と言って見送りました。やっぱり実家からの通学が大変だった時には、いつでも我が家に戻ってこられるように、という逃げ道も作ってあげたつもりです。

これまで何度も実家に帰る、帰らない問題は勃発しましたが、今回は本当に帰っていきました。ただ甥っ子の部屋には勉強机はそのまま残されています。実は、今回の実家は戻る件には、パパとの間の条件付きの約束がありました。

成績が上がらなければ、即、叔父ちゃんの家に戻れ

おいおい、我が家は牢獄か?とツッコミを入れずにはいられませんが、その時を想定して勉強机は我が家に残されたままなのです。先週、中間テストが行われたはず。まだ結果は聞いていませんが、早ければ、来週にでも甥っ子は舞い戻ってくるかもしれません(笑)あるいは反抗期も抜けて高校生になったころ、通学が楽だからという理由で甥っ子の方からまた居候したいと言い始める可能性も大いにあります。

我が家を逃げるようにして出ていった甥っ子でしたが、それなりに我が家での暮らしは刺激も多くて楽しかったはずですもの。親元を離れるというのは寂しさも伴うかもしれませんが、別世界を見られたり、親とは違う価値観に触れて、子供を大きく成長させる経験だとも思います。

これから通学で大変な思いをして、初めて自分が恵まれた環境だったことに気が付く日がくるのだと思います。そうやってぶつかりながら、不器用に、少しずつ成長していくのでしょうね。

そしていつの日か、甥っ子がすっかり大人になって、あの頃はお世話になりました!と心の底から思えるようになった時に、この甥っ子日記の全話を読ませて「超、足臭さかったんだからな!」とか「いつも寝てばっかりで全然勉強してなかったよね!」とか、いじり倒してやりたいと思っています。回らない寿司くらいおごってくれよっ!!

というわけで、甥っ子日記season2がスタートして間もないのですが、休止という形になってしまいました。きっとまた戻ってくるだろうと踏んでいるので、「最終回」ではなく「休止」とさせていただきます。

実家から甥っ子の面白い話や、近況などが伝わってきたら、随時更新するかもしれません。これまで、宇宙人レベルの甥っ子に振り回される私の日記を「面白い!」と言って読んでくださった皆様に心から感謝申し上げます。これからも温かい目で甥っ子の成長を一緒に見守っていただければ幸いです。

甥っ子との生活がスタートした時に導入したナイトブラはそっとクローゼットの奥にしまいます。またノーブラで解放感いっぱいの就寝タイムを満喫するぞ~!!笑

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