続・駆け込み発症

前回診てもらった時からヘタをすると数年経ってしまったにも関わらず以前と変わらず「はい、今日はどうしました?」と穏やかに問いかけてくださる所から始まる。

問診と立ち姿チェック数分。「うーん…」と思案して「じゃあ、これからやってみましょう」と提案されたのが2つの球が連なったマッサージボールで仙骨の上の筋肉をゴリゴリ解す筋膜リリース。普段もたまにやってはいるので「はいはーい」と気楽にやり始めたは良いが指示通りに動くと何箇所か激痛が走る。先生は、というと仁王立ちでニコニコしている。

次に課せられたのは施術ベッドに座って同じマッサージボールを腿裏に当て膝裏から坐骨まで満遍なく解す、というもの。これが本当に地獄のような痛みで悪寒が襲ってくるほど。フゥフゥ言いながら腿裏の張りと格闘している僕に先生は「脚が上がらないのは裏側が伸びてないからですねぇ」と呑気に呟いている。

こういうところが敵わないなぁと観念するところ。誤った自己分析をふんわりと否定してスピリチュアルに逃げ込むことも許さない。不具合には完璧に単純な理由が有る、と毎回目を覚まさせてくれる。

幾つかの筋膜リリースや改善エクササイズをこなしていくうちに歴然と身体が楽になり、悲願だった脚スパーン上げも取り戻す。ちょっと前までの僕の姿勢を先生が再現してくれたのを見て失笑。そこにはガタイの良いスーパーモデルが居た。

WEBから拝借。ファッションモデルは歪んだポーズの方がサマになる。

総括すると僕の身体は腹筋と臀筋群の緩みから骨盤の捻れを産み、それに伴ってハムストリングスが強烈に張っている状態であった。脚が上がらなくなるのも無理はない。

10年前とは体重や筋量が全く違う身体なのだから10年前と同じトレーニングをしていては保てるはずがないことを気づかせてくれた先生は「じゃ、これでまた色々ご自分で試行錯誤出来るようになりましたね。頑張ってください。」と暗に継続受講を拒否される。頼ることは簡単だが指導職に就いている以上それではダメなのだ。己の身体を実験材料に引き続き模索の旅は続く。

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