見出し画像

IPCC報告書についての考察

どうも、reiichiです。

今回は

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発表した

気候変動に関する報告書をもとに

環境危機について書きます。


よろしくお願いします。


IPCC報告書について

2021年8月9日、

地球温暖化に関する科学的な研究を

収集、整理している政府間機構、IPCCが

現在進行している気候変動に関する報告書を

発表した。


内容自体は何も新しいことがなく、


・地球の温度は急激に上昇している。

・気候変動が大雨や洪水などの異常気象を起こす。

・海水面は上昇している。

これからCO2がさらに排出されれば環境は悪化する。


など、

今まで言われてきた当たり前のことを

データを示して証明している。


それでも今回の報告書が重要であった理由は、

気候変動の原因が

ほぼ確実に人間の経済活動を原因とすることを

明確にしたことだ。


したがって、

人間の経済活動の在り方を変えなければ

地球環境はさらに破壊されることが明らかとなった。



気候変動と文明

気候変動がもたらす災害が

文明の崩壊につながるという主張は

誇張のように聞こえるが、

可能性はゼロと言えない。


実際、

洪水がマヤ文明の衰退をもたらしたと言われているように、

気候変動やそれに伴う災害が

文明を衰退、あるいは崩壊させる要因の一つとなっていることが

示唆されている。


これに基づけば、

気候変動がこれからも発生させる

異常気象のオンパレードが、

文明崩壊とまではいかなくても、

人類にとって最大の危機となる可能性は

十分ある。


だからこそ、

人類の生存を維持するためには

気候変動を食い止める必要がある。


クリーンな資本主義?

環境危機の対策として

資本主義をもっとクリーンにすることが主張されるが、

それだけは不十分である。


まず、

資本主義は無限の利潤を追求するシステムであり、

金儲けのチャンスがあれば

それが生産過程や消費過程において

環境破壊を引き起こしていても

利潤のためなら

それを追求する活動が優先される。

したがって

資本主義の存続と環境保護は両立できない。


最近になって流行しているエコ消費も

資本主義の枠組みの中で行われているので、

結局のところエコ消費は

「環境に優しそうな商品」の

大量生産、大量消費、大量廃棄につながり、

逆説的に環境を悪化させてしまうので

本質的な解決策ではない。


環境危機にブレーキをかけるためには

エコ消費といった表面的な対策では不十分で、

資本主義をクリーンにするのは

単なる幻想であることから、

資本主義というシステムそのものを変え、

現代社会を支配する生産様式、生活様式そのものを

変革させなければいけない。


参考にしたもの

Hannah Herrero(2012)"Changing Climate and the Maya" National Geographic https://www.nationalgeographic.org/media/changing-climate-and-maya/ 

IPCC, 2021: Summary for Policymakers. In: Climate Change 2021: The Physical Science Basis. Contribution of Working Group I to the Sixth Assessment Report of the Intergovernmental Panel on Climate Change [Masson-Delmotte, V., P. Zhai, A. Pirani, S. L. Connors, C. Péan, S. Berger, N. Caud, Y. Chen, L. Goldfarb, M. I. Gomis, M. Huang, K. Leitzell, E. Lonnoy, J.B.R. Matthews, T. K. Maycock, T. Waterfield, O. Yelekçi, R. Yu and B. Zhou (eds.)]. Cambridge University Press. In Press.

斎藤幸平(2020)『人新世の「資本論」』集英社新書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?