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白か黒か。じゃなくて、グラデーションで考える。

白か黒かーーー、なんて。
答えをハッキリさせることにどれほどの意味があるのだろう。

問いに対する答えを明確にすることは、大事だ。
でも、人間が絡んだ場合は、そう簡単に1つの答えにならないことも多い。

「あなたは、自由を手に入れたいですか?」
「はい(でも、全ての責任を一人で抱えることはちょっと・・・)」

「あなたは、挑戦したいですか?」
「はい(でも、プライベートを犠牲にしてまではしたくない・・・)」

「あなたは、インフルエンサーになりたいですか?」
「はい(でも、炎上とかは絶対無理!)」

みたいな。
言葉にならない気持ちがだいたいついて回るもの。

このような裏腹な気持ちを持つ人間について、ビジネス本『パラドックス思考』では次のように書かれている。

人間とは、めんどくさいけれど愛らしい、矛盾に満ちた存在である

いや、これ、ほんとそう。

槇原敬之の名曲「もう恋なんてしない」でも歌われているように、人の気持ちは矛盾に満ちている。

「もう恋なんてしないなんて、言わないよ絶対」

もう恋なんてしない、できない、したくない。
それくらいのダメージがあるけれど、あなたの前では強がっていたい、のである。

恋愛中は、とても複雑に感情が揺れ動く。それ故、矛盾も生まれやすい。

ハーバード大学教育大学院のロバート・キーガン教授は次のように言っている。

人は変革を望みながら、無意識に変革を拒んでいる

人は、無意識のうちに変化を恐れて避けようとする。

「ダイエットするぞ」と言いつつも、「会食はコミュニケーションの場だから仕方ない」と現状の食生活を変えようとしない。

変わりたいにも関わらず、自分に言い訳を用意してしまう。よくある話だ。
新しい挑戦を目の前にしたときもまた、とても複雑に感情が揺れ動く。それ故、矛盾も生まれやすい。

私たちは、めんどくさくて愛らしくて、矛盾に満ちた生き物なのだ。

矛盾ゼロを目指すのは、無理な話。
それに、矛盾があることが悪いことではない。

この矛盾を攻略するためには、いかに矛盾ある自分と仲良くなるのか、が大事だ。

仲良くなるためには、自分に起きていることの全貌を俯瞰して捉える必要がある。
何と何の間で、自分が移ろいでいるのかを明らかにしていこう。

移ろうといえば、「季節」がわかりやすい。

例えば、「三寒四温」というのは、冬の時期に寒い日が3日くらい続くと、そのあとに比較的暖かい日が4日続くという晩冬の季語だ。
春になるにも、ある日を境にスパッと変化するのではなく、「寒さ」と「暖かさ」のを繰り返して徐々に変化していく。まさに、グラデーション。

人間も同じ。

自由になりたいあなたは、「自由な生き方」と「管理される生き方」の間で移ろいでいる。
自由度100%だと、全責任が自分にかかってくるのでしんどい。
でも、管理度100%なのも窮屈。

どちらかに全振りする生き方(100:0という比率)って、あまり現実的ではないのかもしれない。

となると、自由度と管理度の理想の比率はどらくらいだろうか?

7:3なのか、6:4なのか。グラデーションのどの辺りが理想なのかを探ってみよう。理想のグラデーション、現実的なグラデーションの位置がわかると、行動も起こしやすくなる。


世の中は、二項対立で考えがちだけど、実際のところはグラデーションなことが多い。

陽キャですか? 陰キャですか?
人見知りですか? 社交的ですか?
大人しいですか? 活発ですか?

0か100かで答えられるほど、人間ってシンプルでもない気がする。
どちらの側面も、持ち合わせている人の方が多いのではないだろうか。
その時の状況によっても変わるのかもしれない。

白か黒か。0か100か。

シンプルな答えだけを求めていくと、自分に嘘をついたり、大切な感情を見失ってしまうかもしれない。

かつて、アンミカさんは「人志松本の酒のツマミになる話」の中で次のように言った。

白って100種類あんねん

多分きっと、グレーだって100種類ある。
白か黒かの間には、とてつもない数のグラデーションが存在することは間違いない。

白か黒か、どちらかに仕分けするだけが正解じゃない。

間に存在するグラデーションの中で、ベストアンサーを見つけていくことが大切なのではないだろうか。

= =  お わ り   = =  

矛盾の紐解き方を詳しく知りたい方には、こちらの本がおすすめです。






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