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櫻井恵三さんに質問 ①通訳、楽しかった仕事とつまらなかった仕事

私は職人気質の人とかマニアックな人が大好きで、見つけると捕まえて、つい色々と質問したくなります。
今回、私に捕まったのは、櫻井恵三さんです。

櫻井恵三さん

Twitter:ChatGPTを超えた英語学習
櫻井さんのサイト:英語は真似るだけ:
シニア英会話
Facebook:
英語のディープラーニング

櫻井さんが、もし「英語学者」だったなら、私は興味を持たなかったと思うのですが、櫻井さんは「英語職人」…いや「なんでもマニア」と呼びたくなるような、なんでもとことん極めるキャラで、話しはじめると話題の宝庫、非常に面白い話題がいくらでも出てきます。

櫻井さんのことをまとめた記事まで存在するそうですよ。どれどれ、、

ん??「荒らし対策」って…。櫻井さん、(荒らし)だったんですかw
それか、もしかして叩かれてる?!😂
これを「認められた証」くらいに、しれっと受け止めている櫻井さん。さすが、メンタルがプラチナ並みの強度ですね。
インタビューでは、どんなお話がでてくるのか、楽しみです。

実際に櫻井さんのお話を聞いた私の感想は…(一部抜粋)

「えっ!あの東京ディズニーランドで??!!」
「扱うものが飛行機ですか…でかいですね…」
商社の面接って、そんなにややこしいんだ?」
「労組って……(;^_^A」
「どんなに正確に訳しても、ニュアンスは、ずれちゃうんだな…」
「結局人間同士が仕事をするんですね。納得。」

でした!!

「通訳ってどんな仕事?」
「英語能力を活かすにはどうしたら?」
そんな疑問をお持ちの方にも、そうでないかたにも、面白くお読みいただける内容だと思いますよ。

インタビュースタート

まず、みんなが知ってるあのテーマパークが出てくるお話から…

特に楽しかった仕事

私の最も楽しい体験はTDLでのものでした。

(え!あの東京ディズニーランド?!)

私は1983年のTDL開園前、通訳スタッフの一員でした。予定通り開園できたことに少なからず私の通訳の力が役に立ったと自負しています。

建設中のTDLとは!!
私も入ってみたいです😂

TDLの仕事が最も楽しかった理由は、私がちょうど39歳から40歳になる人生のプライムタイムであっただけでなく、飛行機などのコンピューターを使った電子機器の通訳を何度も経験してきていからです。TDLでは、その経験と知識を最大限に活かすことができました。

櫻井さんはメカニック系が好きなんですね。

私が所属していたメンテナンスのセクションには、約60人の通訳がいましたが、その中でも私は英語力においてトップ・ファイブだと言う自負があり、さまざまな経験を通じて総合的な能力を身につけた通訳だと思っていました。

当時、通訳たちはTDLのスモールワールドの裏にある整備用の建物に集まり、通常はマニュアルの翻訳をしながら、連絡が入るのを待機していました。
連絡は、当時ですからウオーキトーキーで入ります。

↓こんなやつ

ウオーキトーキー


通訳が必要な時に、アメリカからのエンジニアがウオーキトーキーで連絡してくるのです。
エンジニアはアトラクション名を言って通訳を募ります。通常、通訳は自分から手を挙げて、その仕事を担当したいと意志を示します。
私はホーンテッドマンションスペースマウンテンの現場には自信があったので、それらの現場の時にはいつも私が手を挙げ、現場へ向かいました。

地味に、説明書の通訳って凄いですね…
責任重大!
あと、スペースマウンテン👀
めっちゃ並んで何回も乗りました❣️
あのマシンの誕生に、まさか
櫻井さんが関わっていたとは…
世間狭ぇ~!!😂

実際に現場に行って技術的な通訳をすることは、自身の経験と知識が更に深まる機会となり、非常に楽しい、充実した時期でした。
もちろん私の事ですから、職人の間ではDC-9やSAAB340の通訳の体験をかなり誇張して話しています。

自慢ができたのもよかったんですね…笑
(DC-9やSAAB340は次の話で出てきます)
全部で何人くらいいたんですか?

当時、TDLではメンテナンスだけでなく、オペレーションやエンターテイメントの分野でも通訳を雇っていました。合計で400人以上の通訳が雇われていたと思います。
通訳にはオリエンタルランドが雇った月給制の社員通訳と、私たちのように時給のパートタイマーがいました。
社員の通訳はわずかで、ほとんどがフリーの通訳でした。フリーの通訳は人材派遣会社から派遣という形で雇用されていました。


1986年の労働者派遣法施行より前…
既に多様な雇用形態ですね。
やっぱり専門職。

パートタイマーとは言え時給は2,300円と非常に魅力的な仕事で、一定の期間は毎日社員のように決められた時間を雇ってもらえる点で、フリーの通訳としては非常に恵まれており天国のような環境でした。

時給2,300円~~❣
やっぱりディズニーランドは天国だった…🕊🌈💐

スケジュールは主に社員が組んでいましたが、私たちのようなフリーの通訳が実際の現場で最も活躍することが多かったです。
私はその60人の通訳の中で、相応の年齢やスキルを持ち、自己主張ができるタイプなので、かなり生意気な態度を取っていました。

今の櫻井さんを見てもわかりますw

ある時、通訳たちが結束して会社と交渉しようという話が持ち上がりました。開園が迫ったころで、不規則な労働時間と週末の出勤が要求され、通訳たちは会社にその自分達の要求をしようと話していました。
通訳は不足していましたから、会社が弱い立場にあったことは事実です。
60人が団結をすればそれなりの要求は認められたと思います。

しかし、私はその話には乗りませんでした。

「私は長くフリーの通訳をしていましたが、一定期間毎日働ける現在の仕事に非常に満足しています。
 私は4人の子供がいて生活費が欲しいので、会社が指定するどんな時間に従うことにも問題はありません。
 私は残業も深夜の通訳も歓迎します。
 通訳達が、この開園を間近に控えた大事な時期に、団結して会社を困らせるのは賛成できません。」

私は、すぐにそう言いました。
実際にはかなり強い口調で言ったのを覚えています。
私が反対と言えば、櫻井は金欲しさに反対する、と言われるのはわかっていましたから、最初から「金が欲しい」と言いました。

さすがメンタルプラチナ星人!
(造語)
相手も勘ぐる手間が省けますね。

その後直ぐに、もう一人の通訳のMさんも、「3人子どもがいるから」と言う理由で協力できないことを表明しました。結果的に、通訳たちの団交は成功しなかったのです。

TDLでは残業の際に割増賃金が支給され、深夜勤務にはさらなる手当がありました。
また、メンテナンスの建物群には3つほどの食堂があり、食事はいつでも自由に取れました。
さらに、カプセルホテルのような部屋もあったため、深夜の仕事でも自分の都合に合わせて休むことができました。
TDLで働くのはリゾートホテルにいるようだ、と思っていました。

私は要求される残業や深夜勤務、休日出勤を喜んで引き受けました。オリエンタルランド(TDLの運営会社)にとって、私のように使い勝手の良い通訳はそう多くなかったでしょう。


フリーの傭兵みたいですね
(戦場漫画の読みすぎ)

TDL開園前後、通訳のスキルがそんなに高くない人も含め、多くの通訳が雇用されていました。英語での面接が一応行われ、中には英検一級などで採用されたものの、通訳にかなり苦労している人も多くいました。
私のように実際に現場で働いていた経験がある通訳は少なかったように思います。


英検一級!憧れの資格ですが、
現場じゃ大変なんだ…🙄
(そういえば、英検持ってるけど
カタカナ英語の知合いがいるぞ😂)
テーマパーク開園、通訳者にとっては
仕事のクチがみつかるチャンスですね!!


年齢的にも、スキル的にも、そして会社の要求に対して柔軟に応じる姿勢からも、少々横柄な態度を取っても大丈夫であったことは事実です。
今振り返ってみると、人生で最も楽しい時期の一つだったように感じます。

TDLの開園記念メダル✨

記念メダルは、最初は社員にしか出ないと言っていたのですが、社員通訳の計らいで、時給のパートタイマ―にも贈ってくれました。
これでTDLの”裏”が取れたと思います。安っぽいジジイなので何を言っても信頼されないのです。

わ~重みのあるメダルですね!!
😂いやいや!!疑っていませんよw
あんなに大きな建造物やメカニックを作ろうとすると
費用的にも人材的にも大きな規模の資本が必要ですね…
どんな現場なんだろう、と興味深々なお話でした。

では、つまらなかったのはどんなお仕事ですか?

特につまらなかった仕事

私が一番嫌だった仕事は、テキサスから来た医療機器を販売する男性の通訳をした時です。彼は日本語がかなり堪能で、私の日本語の訳に何度かクレームをつけてきました。

そんなに堪能なのになぜ通訳が必要なんだろう…


その指摘を理解できないわけではなかったのですが、私は自分が誤っていないと考えていました。その語、何度かクレームがあったので、英語で次のように伝えました。
「今日は、私は日本語のプロとして雇ってもらっていると思っています。
もし、あなたの日本語が私よりも優れていると言うのであれば、私に“Go home.”と言ってください。私は一銭の請求もいたしません。
もしあなたが日本語の通訳として私を必用とするなら、今日一日だけは私の日本語を信頼してください。」
すると、そのクライアントは「OK.」と言ってくれました。その日は私の日本語に対するクレームは一切ありませんでした。

通訳はスキルで生きている“職人”ですから、レブロンの団交の時にように通訳に対してクレームを言われるのは、一番辛いことの一つです。間違いがあれば、それは仕方がないことですが、完全に誤っていない場合のクレームを受け入れることは私としては難しいと感じました。


(「レブロンの団交」の話はあとで出てきます)
言葉って、言い回しとかニュアンスの持たせ方とかは人それぞれで、
これが正解!というものがないだけに、難しいですね!


今回私が学んだこと。

東京ディズニーランドは天国。

以上、インタビュー第一回目は、
「今までで一番楽しかった仕事&つまらなかった仕事」でした。

次回は「特に面白かったエピソード」です、おって公開いたします。
どうぞお楽しみに~


この記事を読んで、櫻井さんと話したくなった方櫻井さんに英語を教わりたいと思った方は、以下のサイトからコンタクトをとってくださいね!!

英語は真似るだけ シニア英会話


※本文中、ウォーキートーキーの絵は「いらすとや」さんより頂きました。

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