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櫻井恵三さんに質問 ②特に面白かったエピソード

インタビュー、第二回目です。
前の記事はこちらです。


今回は、今までの体験の中で
特に面白かったエピソード
を教えてほしいです。

SAAB340の双発機の通訳の話です。
79年間の人生で一番痛快だったことです。

SAAB340とは…?

上記記事より抜粋:
日本エアコミューター(JAC/JC)は2019年12月13日、月内で退役する。SAAB340B型機の最終便が20日の喜界島発鹿児島行きJC3784便になる予定だと明らかにした。
SAAB340Bは、1992年に日本で初めてJACが採用。
全11機が導入され、東は松本から西は与論まで、西日本の地方路線で約27年間運航を続けた。
チャーター便としては国際線となる鹿児島から釜山への運航実績がある。
また、同じく日本航空(JAL/JL、9201)傘下の北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)の同型機が整備で運航から外れる際は、HAC便として道内でも活躍した。

航空経済紙「Aviation Wire(アビエーションワイヤー)」2019年12月13日

SAAB340って、
飛行機の型番なんですね。

スリムで鼻が高くて…
「シュッ‼」としてますね。
「シュッ‼としてる」は、関西では
最上級の誉め言葉ですw

こんな記事もありました。
パイロットのラストフライトが
この機体だったそうです。
丘珠空港は身近な空港なので、
とても親しみを感じました!


SAAB340Bが採用されたのは1992年で、そこから数年前の出来事となります。

当時、三井物産がSAAB340BをJACに納入する計画が持ち上がり、そのプロジェクトに通訳者が必要になりました。

航空機関連の業界は高度な技術や専門知識が求められ、通訳者もその分野に精通している必要がありました。私は自分でその条件に合致していると思い、通訳の仕事に応募しました。

というのは、私はそれより前に、東亜国内航空(後にJALに吸収される)のDC-9のメンテンナンス通訳を手掛けたことがあったからです。


DC-9とは…?

DC-9…もしかしてこれですか!?
ダグラスDC-9というと、
私でも聞いたことがあります。
すごく有名な機体ですよね。


DC-9は双発ジェットで、双発機のSAAB340Bよりもずいぶん大きく、機体構造や電子制御も複雑でした。その経験はSAAB340Bの通訳業務にも十分に活かせると思い応募し、面接を受けることになりました

三井物産の面接

面接の際、三井物産の担当者からは、私がSAAB340Bの通訳として必要な知識や英語力があるかどうかについて厳しい質問が相次ぎました。
通訳の場合スキルなので、SDSUの学位があることも話しましたが、ほとんど学歴はプラスにはなりません。
私は自分の経験と知識を駆使して、担当者からの質問に答えました。

面接はスムーズに進み、担当者の反応も良好で、私は通訳者としての適性が認められたと思いました。
そして、実績として、東亜国内航空のDC-9のメンテンナンス通訳を半年ぐらいしていたことを伝えました。

それで決まりですね!
機体の通訳経験者なんて、
めったにいないだろうし。

意外な展開①嘘に見えるほどハマってしまった


ところが、ここで意外な展開になりました。三井物産の担当者が怪訝そうな顔をして「DC-9も当社の担当ですよ。あなたの説明はあまりにも調子が良すぎますよ。」と言ったのです。


えー!!まさかのマイナス印象?!

これは私にとっても驚きでした。
東亜国内航空のメンテナンスの通訳の仕事も教育の仕事も、代理店の三井物産が担当でした。
そして、私は実際にDC-9のメンテナンスの通訳を行っており、通訳にはかなり自信を持っていたのですが、それが相手の目には私が自信過剰なほら吹きに移ったようです。

意外な展開すぎる…(´;ω;`)


私は「DC-9の経験がある」という事実を伝えたのみですが、まさかそのためにマイナス印象を持たれ、疑われることになるとは、信じられませんでした。

私は三井物産の担当者が私に対して不安を感じた理由について考えました。おそらく、偶然の一致とはいえ私の説明があまりに辻褄が合いすぎて、信じられなかったのだろうと思います。

ピッタリ綺麗にハマりすぎると、
たとえ事実でも
噓に見えちゃうんですね…( ゚д゚)
嘘みたいな本当の話…。

その後は、ぎこちないやり取りが続きました。
三井物産の担当者は私に疑念を抱いたままのようでしたが、ひとまずSAAB340Bを使用するJACの、ジャパンコミューターのメンテナンスの通訳に関する説明を受けるため、メンテナンス担当者と会うことになりました。

JACという会社は、かつて東亜国内航空の子会社で、実際のSAAB340Bのメンテナンスは東亜国内航空が担当していたのです。
そして、そのメンテンナンスの担当者に会った時、突然、私にかけられた疑念が晴れることになりました。


意外な展開②偶然の再会

そのメンテナンスの担当者が、私を見るなり「あっ、先生。久しぶりです」と言ったのです。

えーー!!世間狭っ!!


その方は一時期、私の生徒だったのです。
私が通訳をしていた頃、東亜国内航空ではDC-9の導入を契機に海外進出を考えていたため、社員に英会話を教えるように依頼されました。
それで私は一時期東亜国内航空の社員向けに英会話のレッスンを行い、その方も生徒の一人でした。国内線のCAもかなり参加していました。

英会話の生徒だった方が偶然、JACのメンテナンスの担当者として現れたのです。

事実を話したことが理由で疑われたことも驚きでしたが、この偶然の再会も大きな驚きでした。

私が何を言っても信じられなかったと思いますが、メンテナンスの方の一言で、三井物産の担当者は安心したようです。「これで裏がとれた」と、安堵した笑顔で言っていました。


私も安心しました…(;^_^A

この出来事は私にとって予想外の展開でしたが、疑念が晴れただけでなく自分が適切な通訳者であることを証明できたと感じられ、喜びに満ちた瞬間でした。

確かに!!
狭い世間だけに、
悪いことはできませんね。
声をかけたくないほど
嫌な人だったら、
その時「先生!」とは
呼ばれなかったかも知れません。

今回は、経験と人脈は勝つ、
という印象の結末で、
とても興味深かったです。
最後は、言葉よりも、
態度と行動がモノを言う
ということを痛感しました。
普段から、何を言うかじゃなく
何をするかが大事ですね。

それにしても、三井の担当者は
少々懐疑的すぎるんじゃないか~?
という印象を受けました。


そうですね。
私はDC-9をやったと言えば充分な信頼を得ることができると思ったのです。それが逆だったので驚きました。
三井物産の航空部門も非常に大きなセクションで、当時はDC-9とかSAAB340とかで非常に多くの人が所属していました。

航空部分の人間が通訳に対応する時は非常に横柄です。
英語も下手糞なのに態度がでかいのです。DC-9の時の担当者はそうでもありませんでした。

DC-9も三井がやっているのを知っていたから、その経験があればもう問題ないと思っていました。
多分コイツがほんとうにDC-9をやったのかなと言う懐疑心が、最初からあったのだろうと思います。

航空機部門は英語かぶれした人間が多かったような気がしています。
飛行機で言うとDC-9の方がSAAB340 よりも、ずっと複雑で、大型であり、ずっと高額な飛行機でした。
多分三井物産でもDC-9の担当者の方がレベルが上だったと思います。

少々懐疑的すぎるんじゃないか?
という私の印象は
あながちズレてなかったようですね。
淡々と経歴の裏を取ればいいのに、
見た目の印象で相手の話を
見定めるあたりが好かんです。
櫻井さんの雇用実績があるか、
社内で確かめれば済む話ですし。

私がDC-9の担当者の名前を覚えてればよかったのかもしれませんが、通訳費用を負担するのは商社でも、商社の担当と接触するのは、面接を受ける時くらいで、ほとんど接点がありませんから、担当者の名前までは覚えていませんでした。

商社の人たちの最大の弱点は、面接の際に、我々通訳の英語力を試すことができるほどの英語力がない点でしょう。
我々通訳から見れば商社の人たちも同じ英語屋ですが、英語力だけを見れば通訳のようにはいきません。
通訳が外人と商社に行った場合に、英語の強い人材が出てくるわけですが、最初はなんとか自力で英語を話していても、難しくなると通訳の作業は我々に任せる、というのが多かったように思います。
商社の人間からすると、通訳は嫌な存在だと思っているでしょう。そういう心理から、「英語の職人」というふうに見下して見ていたと思います。
通訳で行くと、一回だけ”先生”と言われたことはありますが、ほとんどは”通訳さん”と呼ばれます。個人名を言っても名前では呼ばれません。

通訳マシーンじゃないんだから、
そこは名前で呼んでほしいですよ。

「事件は現場で起きてるんだ!」
のセリフが大好きな私としては、
お偉い人たちの感覚は
どうもしっくり来ませんね…
ついサブタイトルで
「上から目線で思い込みの激しい
生意気商社面接官に勝利した話」
って、つけたくなっちゃいます!!

しかし、商社の担当者が現場に来てチェックするような事はありませんから、そういう思いをすることはほとんどありません。
通訳の英語力というのは本人しか実際にはわかりません、大きなミスさえ起こさなければチョロイ仕事ですよ。


お勧めありがとうございます、
通訳の仕事、来世考えます(;^_^A


通訳業務は信頼と正確性が不可欠ですが、機体のメンテナンスの仕事が人生で最高の満足感を得る体験となりました。

この経験が後のTDLのメンテンナンス通訳で、ホーンテッド・マンションやスペース・マウンテンのコンピュータ・メカニック系の通訳で役立つことになります。メカニック系とは言っても双発ジェットや双発機よりはずっと簡単でしたから。


経験は無駄になりませんね!!
ありがとうございました。


私が今回学んだこと。

ピッタリ綺麗にハマりすぎると、事実であっても噓にしか見えない( ゚д゚)。。


次回は、「通訳で困ったエピソード」です!!
お楽しみに~~


この記事を読んで、櫻井さんと話したくなった方櫻井さんに英語を教わりたいと思った方は、以下のサイトからコンタクトをとってくださいね!!

英語は真似るだけ シニア英会話


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