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海外 PI にメールを送る

ご無沙汰しております、ひかりです。

本記事では、海外留学への出願前に PI へ事前コンタクトを取るための方法をご紹介します。


はじめに

前提として、筆者には、指導教官のコネクション等は全くなく、またこれまでの留学経験もありませんでした。したがって、筆者は、ひたすら気になる研究室にメールを送り続け、アプローチをかけるという戦法をとっていました。よって、同じような(厳しい)状況にいる方は、是非、ご参考にしていただけると幸いです。

そもそも事前コンタクトは必要なのか

これについては、「国や大学による」というのが正しいと思われます。アメリカなど、研究室単位ではなくプログラムへ応募する場合は、PI に事前に連絡する必要はないと言われています(諸説あります)。また、PI によっては、事前連絡はしてこないでほしいという旨を明記している場所もあります。よって、興味のある研究室のウェブサイトをよく確認してから、連絡を取るようにしてください。

一方で、イギリス等の一部の国では、事前のコンタクトがほぼすべて、というところもあります。そういう場合は、時期も早い方が印象が良いので、興味のある研究室が見つかったら、なるべくすぐに連絡を取ることをおすすめします。

時期についてはこちらの記事もご参照ください。

興味のある PI をリストアップする

最初にして最難関なステップとなりますが、まずは自分の興味のある研究室や PI を探し出します。探し出した後は、忘れないように、リストアップすると良いでしょう。

世界中の膨大な数の研究室から、自分の興味のある研究室を探すという作業は、言うまでもなく果てしない作業です。以下に、筆者なりのコツを置いておきます。

自分の研究興味が明確な場合

  1. 自分が何に興味があるのか、何を研究したいのか、言語化する。

  2. その分野の先行研究をよく読み、面白い研究をしていると思う研究室を探し出す。

自分の研究興味が曖昧な場合

  1. 留学したい国や地域はどこかを明確にする。
    英語圏かどうか(研究の場では英語が使えれば問題がないことがほとんどだと思いますが、日常生活などにおいて、英語が使えるか使えないかは考えておくべきだと思います)

  2. FindAPhD のようなウェブサイトから、学生を募集している研究室を探す。
    こういったサイトでは、「学生を募集している」研究室が集まっているので、需要と供給が一致しやすいです。ただ、取り扱っている国に偏りがあるのも事実です。

  3. QSランキング等の世界ランキングから、ある程度大学を絞り、興味がある研究室を探す。
    最終手段としては、大学ランキングから絞るという方法があります。なお、QSランキングには、分野ごとのランキングもあるので、こちらを使っても良いでしょう。

注意点

ただし、こうした研究室の選び方にはもちろんデメリットもあります。

  • 研究室の雰囲気がわからない(ブラック研究室を選んでしまう可能性)
    これについては、PI に連絡を取った後からわかる部分もあるため、メールを送る時点で完璧にわかっていなくとも大丈夫かとは思います。

  • ウェブサイトが更新されていない研究室は見落としてしまう

過去の論文を読む

いざメールを送りたい PI が見つかったら、メールを送る前に、その研究室で行われている研究について調査します。研究室のウェブサイトである程度は把握できるかと思いますが、少なくとも 1, 2 本の論文は読んでからメールを送るように心がけると良いでしょう。

実際、PI は世界中の学生から大量にメールを受け取っています。中には、誰にでもとりあえずメールを送るという学生もいるかもしれません。そうした学生との差別化をはかり、少なくとも「自分はあなたの研究に興味があります」ということを示すためには、特定の論文を挙げ、「この論文に興味を持ちました」ということを示すのが効果的だと考えられます。

メールを送る

準備が整ったら、あとは実際にメールを送るのみです。

案ずるより産むがやすし

どういった文面を書くか、迷う方も多いと思いますが、あまり深く気にせずひとまず送ってしまいましょう。なぜなら、メールの返信が来る確率は、3 割程度と言われているからです(筆者の体感では、国によります)。すなわち、メールを送ったとて、ほぼ返ってきません。なお、メールが返ってこない理由には、下のような理由が考えられます。

  • メールに気づいていない
    知らないアドレスからのメールは、そのままジャンクメールに入るように設定している PI も多いかと思います。その場合、PI の目には入らない確率が高いです。

  • 学生を募集していない
    往々にしてあります。それでも返信をしてくれるかしれくれないかは、PI の性格によります。

  • 忙しすぎて忘れてしまった
    メールの内容は読んで、返信はしようと思ったが忘れてしまった、というケースも考えられます。

  • 見ず知らずの学生は募集していない
    コネクションなしの学生は受け入れないという方針の PI も一定数います。

  • メールの内容や表現などの問題
    慣れない英語でのメールだと、時に、そのつもりはなくとも相手を不快にさせてしまうこともあります。

「メールが返ってこない=出願しても無駄」という関係性が成り立つかどうかは、正直、ケースバイケースだと思います。ただ、返信が来ようが来まいが、相手にネガティブな印象を与えてしまうのは避けたいところです。

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