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【桃太郎】結局、鬼の正体は何なのか?
【#150】20211126
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家を目指す大学生が思ったこと、考えたことを物語っていきます。是非、最後まで読んでいってください。
今回は、「結局、鬼の正体は何なのか?」というテーマで話していこうと思います。
☆鬼の正体は人だった?
僕は今、新しい桃太郎をnoteで共同制作しようという企画を進めています。「勧善懲悪」よりも「共生」をテーマにした方が今の時代に合っているよねという疑念から始まった物語です。
これまで、岡山県にまつわる桃太郎について話してきました。未読の方は、是非お読みください!めちゃくちゃ興味深い『桃太郎』に出会えると思います。
さてさて、一昨日の記事にこんなコメントが頂きました。
よく聞くのが、鬼や天狗は「外国人」だったという事です。
当時の日本人からすれば、その容姿は異様にも写って、未知なるものとして恐れられ、成敗せねば!的になったんでしょうかね?
そう!そうなんですよ!
鬼の正体は外国人なのではないか、という説は確かにあるんですよね。
昨日岡山県に伝わる『吉備津彦と温羅』という一風変わった桃太郎を紹介しました。大和朝廷の使者、吉備津彦が、吉備のある里で暴れているという温羅を退治しにいくという話です。これだけでは標準型の『桃太郎』とほぼ一緒ですが、実はこれだけでは終わらないんですよね。あるとき、吉備津彦の夢の中に温羅が出てきて、「俺、鬼じゃないんだけど……」とカミングアウトされます。
詳しくは、昨日の記事をご覧ください!
鬼として恐れられていた温羅なんですけれども、実はそれは真実ではなくて、なんと温羅は人間だったんです。それも朝鮮人、つまり外国人だったわけです。
確かに姿かたちが違うとはいえ、人間にあらず、鬼と見間違うでしょうか?という疑問をお持ちの方も少なくないと思いますが、温羅に関してはさらに補強する材料があります。
温羅と朝鮮人が結びつく理由がいくつかあるんです。
まず、吉備津彦と温羅がそれぞれ動物に化けて戦うシーンがありますが、そのモチーフが朝鮮半島にも見られるんです。
また、温羅が住んでいたとされる鬼ノ城は、朝鮮にゆかりのある古代山城。
それからそれから、温羅は鍛冶師だったのではないかということ。
鍛冶師とは金属を加工する技術師のことです。朝鮮半島から渡ってきた鍛冶師たちが鬼ノ城に住み、製鉄していたのではないかとされています。昨日紹介した『吉備津彦と温羅』でも言及されていました。
阿曽の里の人々は、温羅のつくった鉄製の農具や漁具のおかげで栄えた描写がありました。ここは、温羅が鍛冶師だったことを示していると考えられます。
その他にもいろいろ説はあるんですが、とりあえず、鬼とされていた温羅は朝鮮からやってきた鍛冶師であるとするのが、現在では主流のようです。従来は悪者として扱われてきましたが、いまでは、製鉄などの技術を伝え、吉備津彦と共に吉備の国の発展に貢献した人物として知られているそうです。
このあたりも面白いですね~。
☆考えられる鬼の正体
『桃太郎は盗人なのか?』という自由研究をした当時小学五年生だった女の子がいます。すっごい丁寧に調べられていて、書籍化されるほど多くの人に認められた研究です。めちゃくちゃ面白かったので是非覗いてみてください!
https://concours.toshokan.or.jp/wp-content/uploads/contest-summary/220003.html
そこでは、鬼の正体について四つの説を挙げています。
1霊魂説
2海賊説
3人間説
4神説
中国では「鬼」といえば霊魂を指していたようですね。良い霊も悪い霊も「鬼」と呼んでいたそうです。つまり、悪いイメージはなかったということです。
また、吉備のあたりの海で、つまり、瀬戸内海で船を襲っていた海賊だったのではないか、という説。
今回重点的に語ってきました人間説、そして、そのまつられる対象、神様なのではないかという説。
いろいろあります。これだけではないかもしれません。
しかし、一貫して共通しているのは、「得体の知れないもの、理解できないもの」を人は「鬼」と呼んでいるということです。死者の魂も、海賊たちも、姿かたちが違う人間も、神様も、普通の人間にとって創造の及ばない存在なのです。特に日本人はそうかもしれません。閉ざされた空間が、そのコミュニティの普通であり、常識であり、世界なのですから。
この歴史の流れもふまえて、僕たちでつくる新しい桃太郎に登場する鬼も、その正体が何であれ、「得体の知れない、理解できない」存在にしようかなと思っています。
みなさんは、鬼の正体は何だと考えていますか?そして、新しい桃太郎に求められている鬼とはどんな存在だと思いますか?是非、コメントしていってください!
新しい『桃太郎』の共同制作に興味を持たれた方は、是非、下のマガジンを覗いみてください。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
横山黎でした。
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