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人生の棚卸し③数学できない系中学生

私は中学2年生の時に、
どうにもならない壁にぶつかりました。

それが、「数学」です。

もともと、小学校~中1までも算数数学は苦手ではありましたが、まだそれでもまだ辛うじてなんとかなっていました。

しかし、2年生に入ったあたりから数学に対する苦手意識が強くなり、成績がガタ落ち。

2年生1学期の間に
一気に学年順位が30位以上落ち
「やばすぎる、家に帰れない!」
「川があったら入水するのに!」
と本気で思ったのを覚えています。

英語も苦手だったのですが、
英語を勉強しなくなった理由は
「興味が湧かない」からでした。

私は、興味の無いものには触れません。

しかし、やれば覚えられないわけではなかったので、まだ努力さえすれば何とかなる状態でした。

しかし数学は事情が違い、
「何回やっても、なぜか覚えられない」
のです。

私は子供の頃も今もそうですが、
単純な17-9といった足し算引き算さえ
ほとんど暗算ができません。

繰り上がり繰り下がりが出てくると
途端に混乱するのです。

筆算を書きながら計算するか、
指で数えながらじゃないと
計算出来ないため、

当然時間がかかるし、
公式なんてなかなか頭に入りません。

2年生になると学習内容も複雑になり、
成績が急に落ちた事で、
私は勉強に対する興味を失っていきました。

しかし、数学以外の教科の成績は
数学に比べればだいぶマシだったため
担任の先生や数学の先生は
そんな私の姿勢に疑問を抱いたようでした。

そんな2年生のある日のこと。

廊下を歩いていると、
黒板用のデカい三角定規を持った
数学のF先生(女性)が現れました。

…怖い顔をして
こっちに向かって来る!((( ;゚Д゚)))

F先生「れーこぉ!!」

次の瞬間。

私はF先生持参のデカい三角定規で
頭をパコーン!と叩かれていました。

「なんでできねんだ、おめはぁ!!」

その瞬間、
私はF先生が言わんとしていた事を察知しました。

『1年生の頃は、まだ出来てただろが!』
『なんで数学だけ勉強しねんだ!』
『おめはほんとは、やれば出来るだろが!』

F先生は、教師歴30年以上のベテランです。
3年間ずっと、私のクラスの数学担当でした。

1年生の最初の数学の授業の時に
「私に教われば、誰でも数学が好きになります」
と言っていた事が、とても印象に残っていて。

先生は悪くないし、
むしろ頑張ってくださっていることも、
分かっていました。

だけど、私の成績はヒドい。
期待に応えてあげられていない。

『うっわ、先生ごめん…!!』

その日から、
なんとか先生の期待に応えるため
(今思ってみても、
自分のためじゃなかった 笑)
それまでより数学の勉強に
時間を割くようにしました。

徹底して叩き込み、
「覚えた…!」と手応えを感じて
ノートを閉じる…

しかし。

恐ろしい程のスピードで、
覚えたはずの公式が頭から抜けていく事に気付くのに、そう時間はかかりませんでした。

歴史や生物とかだったら
大体一回暗記に成功すれば、
あとは多少復習をすれば、
その後も忘れず覚えていられる。

でも数学は違うみたいだ。
きっと、かなり繰り返しやらないと、
覚えないんだ。

そう思い、何度も挑むのですが、
一度覚えたにも関わらず
圧倒的なスピードで抜けていく事に
何度も気付かされるのです。


これは、私にとってはかなりの衝撃でした。

『こんなに、頑張ってるのに…?』

ずっと覚えておくことは、
私には難しいらしい。
覚えた事が、するすると抜けていく…

じゃあ仕方ない…
とにかくテスト当日までは
覚えていられるようにしよう…

そうして、数学に関しては
一夜漬け作戦を決行することにしました。

その甲斐あってか、テストの成績はそれまでよりは多少マシになったのですが、思った程手応えを感じられるものでもありませんでした。

通知表を見たら
F先生が大目に見てくれたのか、
テストの点数以外のところを見てくれて

実際よりも良い評定を
つけてくれていると感じました。

しかし他の科目に比べ、
思った程の手応えを感じられない事から、
少しずつ諦めの気持ちが募り
その状態のまま、
3年生の2学期を終えました。

受験を2ヶ月後に控えた
3学期に入った直後、
私はインフルエンザの合併症から
肺炎を起こし入院。
3週間ほど学校を欠席しました。

なので、3年生3学期の学習内容は
まるで吸収できないまま、

今から覚えるくらいなら
2学期までの内容で
勝負するしかないと思いつつ
3月の受験に挑みました。

幸いだったのは、高校入試の出題範囲が
3年生2学期に習ったところまでだった事です。

3学期の学習内容が含まれていたら、
アウトでした。

数学の成績、結局最後まで良くなかった。

でも、F先生が、カツを入れてくれたから
まだ良かったんです。

じゃないと、
数学のできなさに足を引っ張られて
志望校に合格できていなかったと思います。

その後、高校では
数学の勉強は全くしなくなり
1年生の間はほぼ毎回
赤点、補講

2年生に進級する前の科目選択で
数学を選択しなくてもいいコースがある事を知り、そこで私は数学と関わる事を終了しました。

人はそれぞれに
得意不得意があると思います。
でも、学生(特に義務教育)のうちは、
それぞれの科目が比較的
まんべんなく出来ることを求められがち。

私のように、特定の科目が苦手な子は
最近でこそ、学習障害、発達障害など

何か理由があるのではと
思ってもらえるようになったけど、

「努力不足」で片付けられちゃったケースって、結構多いんじゃないかなと思っていて。

こういった経験もあって、
今では私の場合は
不得意を乗り越えようとすることに集中するより

得意を伸ばすことで、
不得意と感じるものを
引っ張りあげようと
考えるようになっています。

数学がほんとに出来なかったけど、若干…ほんとに若干改善した経験もあるので、

不得意だからと
最初から諦めるのは
勿体ないと思うんだけど…でも

ある程度力を尽くしても
納得のいく状況にならない時は

素直に苦手を認めてもいいと思うし、
それを相手に伝える事や
好きなものに集中し、好きを伸ばす事を

意識するようにしています。

みんなは、どうしているのかなあ…。

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