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現場に入って感じた「農福連携」の魅力

みなさんこんにちは!

金沢QOL支援センター株式会社障害福祉サービス事業部の塩浦です。

過去にWantedlyにて投稿したストーリー記事をご紹介します。
(2021年7月の投稿)

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普段は「リハスファーム金沢」という”農福連携”を軸とした就労継続支援B型事業所の方で勤務しております。そこで今回は農福連携の現場で働いたことを通じて感じた魅力や衝撃について深堀りしていきます!

そもそも皆さんは”農福連携”というものを耳にしたことはありますでしょうか?
私はこの会社に出会うまでは知りませんでした。

そして「就労支援」という分野に関しても、あまりよくは知りませんでした。自分から調べて知ろう、とはしていなかったという表現の方が正しいかもしれません。

正しく知ろうとしていない割に、

「低い賃金で雇われていてかわいそう」
「他の人がやりたがらない仕事をやっているんじゃないか」

そういった世間の声をどこか鵜呑みにして、納得して、自分で知ろうともせずに「そういうものなんだ」と思っていました。

だけどこの「リハスファーム金沢」という現場に所属して、その考えは180度変わりました。


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「思っている以上に”普通”だ」

最初に現場に入って衝撃だったこと。それがご利用者様一人一人が想像以上に「普通」だったということです。そもそも「普通」とは何か、と言う部分にも言及の余地はあります。

ただそれはいったん置いておいて。ご利用者様は作業出来ているし、コミュニケーションもしっかりとれる。もちろん人それぞれに”得意””不得意”はありますが、それは人間誰しものはず。

むしろ細かい部分への集中力だったり、話をよく聞いてくれる姿だったり、社交性だったり、ただ単純に「すごい」と思う部分がいくつもありました。そうやって関心したと同時に、いかに自分が世の中にある「普通」に縛られていたのか、ということが恥ずかしくなりました。

そして思いました。

この「リアルな部分」をもっと多くの人に届けたい、伝えたい、知ってもらいたい、と。

農福連携での一コマ

その人に合った仕事を任せている

やはり「就労支援」となるとどうしても、単調な作業を任せているのではないか、と思われがちです。それは農福連携であったとしてもそうだと思います。

だけど私は現場に入ってみて、ただ単純な作業を任せているのではない、ということに気づきました。

それぞれのご利用者様の特徴を見て、強みを捉えて仕事を任せているということに。

力がある方は肉体作業をすることもあります。一緒になって汗を流しながら作業をしています。バジルや小豆等を植える作業をしてくれる方もいます。手鎌やハサミを使って草刈りをしてくれる方もいます。中には大型の草刈り機を使って、草刈りをしてくれている方もいます。

その日に与えられたノルマに対し、どの作業にどのご利用者様を配置すれば一番輝けるか、それを常に考えながら作業をしているということがわかりました。

つまりそのご利用者様ごとにその仕事を「任せて」いるのです。だからこそご利用者様とのコミュニケーションも欠かせません。

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”生きている”と実感できる

加えてこれは”農福連携”の良さだと思うのですが、ものすごく五感をフルに使いながら、そして四季を感じながら作業できる環境です。

花の香りや鮮やかな色、土の手触り、虫の鳴き声、照り付ける日差し。
夏の暑さ、冬の寒さ、降りしきる雨や風。



もちろん大変な部分はあります。それでも頑張った後にみんなで食べるご飯は美味しいし、一緒になってノルマをクリアした時の達成感は何にも代えがたいものがあります。


他にも日中に汗水流して一生懸命働くことで、夜もぐっすりと眠れるようになります。そういった「生活サイクルの定着」という側面もあります。

室内での作業にはその良さもあると思います。
ただ農福連携のように屋外で行う作業には、屋外の良さがあります。

その一つが「”生きている”ということを実感できる」ことなんじゃないかなと感じています。

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新卒として農福連携の現場に配属されて約3か月。

農福連携に出会ったことで、私の「障害福祉」に対しての認識は180度変わりました。これをぜひ多くの方にも知っていただきたい。

でも知ろうとしなければ見えてこない現状であるということもわかっています。かつての自分がそうでした。

だから私はTwitter等で「農福連携日記」というかたちで現場の様子を発信し始めました。
これは農福連携の現場で働いている以上、続けていくつもりです。

そして私たちは平均工賃5万円を目指します。

「障がいあっても稼ぐ」を実現するために。

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個人的な話ではこの記事を投稿してから1年以上が経過し、私は社会人2年目になりました。そして所属する事業所も変わり、現在は就労移行支援事業所という場所にいます。

しかしながら私の支援の土台を築いたのはこの農福連携の場所での経験であり、支援を「楽しい!」と思わせてくれたのもこの農福連携の場所です。

この魅力が、もっと多くの人に伝わってほしいな、そんな風に思ってます。



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