膝を痛めないために知っておきたい足のこと

こんにちは! 理学療法士の「あらい」です。

 膝についてはいったん今回のお話で最後です。足から見たときに、どういう接地の仕方をしていて、どういう癖が良くないか?詳しく解説していきます。

①接地面が少なすぎても、多すぎても良くない。

 足の裏の接地面が少ない状態=”ハイアーチ”といって土踏まずと足の内側が異様に高い状態。逆に接地面が多すぎる=”偏平足”土踏まずがほとんどない状態。ハイアーチは小指側に体重が乗っているパターンと、ヒールなどの踵が高い靴をよく履いているパターンなど割と多くみられます。比較的活動量が多く、足の裏が硬くなっている人に多い印象です。偏平足は膝がまっすくぐ伸びない(伸展制限)パターンや、X脚変形を呈している人にみられ、活動量は比較的少なく、筋肉量が少ない方に多い印象です。前者は足裏マッサージや指の関節運動、インソールなどのケアがおすすめです。後者はふくらはぎ中心とした筋肉の活用、股関節周囲筋のトレーニングを行い筋肉量を増やしましょう。

②小指側に重心がかかっているとO脚に

 ①でも少し触れていますが、小指側に体重が乗るとハイアーチを呈しやすく、O脚となり長期化すれば変形性膝関節症に至るケースも多々見られます。ここで意識したいのが歩行時、足の指全体を接地させることと、親指の付け根に力を入れることです。ただし無意識の癖になっているので、指曲げ体操や、ビー玉・ゴルフボールを指で握る訓練から行ったほうがいいです。癖は長くなればなるほど、かつての使い方を忘れてしまいます。まずは使える環境を整えるのも重要です。ちなみに1番のおすすめ運動は「座った状態で両足の指を力いっぱい曲げ、親指の先で地面をタップ×20回」足の裏の筋肉が上手く使えていない人ほど、足の裏がつりそうになります。やった後とやる前だと、立っている感じも地面を感じやすくなると思います。ぜひ試してみてください。

③背もたれ+足は前に突き出してはいけない

 これはすでに変形性膝関節症と診断されている方に非常に多いパターンです。背もたれ+足伸ばした姿勢(踵しか地面についてない)リラックス姿勢を良くやっているという方要注意です。膝の角度は90°を目指しましょう。背もたれが恋しいと思うので、すぐにとは言いませんが1日少しずつでも背もたれにたれない時間を確保していきましょう。ここでのおすすめは座った状態でもたれず、お尻の横、背中とお尻の中間あたりをそれぞれ手のひら全体でゆーっくり撫でることをやってみましょう。割と強めに圧迫しながら、お尻の筋肉に刺激を入れ起こしてあげましょう。

 いかがだったでしょうか?足も股関節と同じくらい重要な部分です。特に感覚を脳に伝えているという点では、足は運動の始まりに影響してきます。足の裏がしっかり接地しているということは、そこからすでに脳に情報がおくられていて、いつでもOnになれる状態なのです。運動は運動していない時にすでに始まっていますので、高齢者のOFF→いきなり運動(起立)が難しいのはこのためですね。まずはOn状態を保持する練習からはじめてみましょう!

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