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運動に重要な下行路

relief OTです♫

今回の記事では下行路・下行伝導路の話をしていきます。

なぜ下行路・下行伝導路なのかというと…

・運動実行に関与
・脳卒中後後遺症介入に重要
・整形疾患においても、考慮する必要性
・姿勢保持、バランスに関与
・人が動くためには下行路が必須

になるからですね。

理学療法士・作業療法士になる養成校在学の中で、下行路・下行伝導路について学んでいるかと思いますが、恐らく多くの方が十分に理解していないと思います。
私自身も正直、十分に理解しておらず、臨床にでて数年経ってからある程度理解できたという印象です。

なので、今回の記事で再度学んで頂き、臨床に活かして頂けたら嬉しく思います。


1.下行路とは

下行路とは大脳や脳幹から起始して脊髄へと下行する神経経路の総称である。直接もしくは間接的に脊髄運動ニューロンへと終止し四肢や体幹の運動動制御に関わる。起始する脳部位・神経核や下行する脊髄内の部位によって分類され、それぞれ異なる運動機能を担う。

脳から脊髄を下行し、脊髄にある運動ニューロン(α運動ニューロン)まで下行する神経の総称を下行路といいます。
下行路の興奮性が脊髄にある運動ニューロン(α運動ニューロン)に伝わると、運動ニューロン(α運動ニューロン)の先にある筋肉が収縮するということになります。

養成校時代は錐体路・錐体外路について学んだかと思いますが、そのことです。


高草木 薫 大脳基底核による運動の制御 臨床神経学 49巻6号(2009:6)より引用

錐体路(以下、背外側系)を、外側運動制御系または背外側系と言ったり、
錐体外路(以下、腹内側系)を、内側運動制御系または腹内側系と言ったりします。


2.背外側系と腹内側系

背外側系と腹内側系の役割について説明していきます。

なぜ背外側系と腹内側系というかというと…

背外側系:脊髄内の背側・外側を下行する神経系の総称
腹内側系:脊髄内の腹側・内側を下行する神経系の総称

ということになります。

おおまかな役割は以下の通り。

背外側系:随意運動、意識的運動、巧緻運動に関与
腹内側系:姿勢制御、バランス、姿勢保持、歩行などに関与

ということになります。

以上の役割を持つことから、私たち療法士が対象者の姿勢やバランス、歩行障害を改善したければ、腹内側系を考慮しなければなりませんし、随意運動、巧緻運動を改善したければ、背外側系を考慮しなければいけないということになります。

最後に下行路の神経ネットワークから捉える介入戦略についてお伝えしていきます。

3.神経ネットワークから捉える介入戦略

ここでは皮質脊髄路、網様体脊髄路、前庭脊髄路についてお話していきたいと思います。

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