「美味しい魚をリージョナルフィッシュから世界へ」 (飼育系研究員 高橋康平)
「食べ物を買うときに、味よりも安さが優先される風潮がとても勿体ないと思っています。リージョナルフィッシュの魚の美味しさを知ってもらい、味で選んでもらえるような魚を作っていきたいです。」
そう話すのは、エビの養殖から営業まで幅広い分野で活躍する高橋康平。社員インタビュー第九弾では、養殖や水産卸売業の調達、営業業務など、これまでの経験をもってリージョナルフィッシュを支える高橋さんに同社への参画理由、仕事におけるやりがいや、今後の展望について聞きました!
※取材当時の内容となるため現在の肩書・業務内容と異なる場合があります。
「幼少期からの「好き」が形となり、魚に携わる職を目指すように」
―――本日はよろしくお願いいたします!まず、高橋さんのご経歴について教えて下さい。
小学校のころから釣りをしていて、魚が大好きな子どもでした。知り合いとよく釣りをしていたのですが、兄弟の中でも自分だけ異様にのめりこんでしまい、一人でも釣りをしに川へ行っていました。釣りが好きすぎるあまり、中学生のときに中学校を卒業したら高校に行かずに漁師になると宣言をしたのですが、両親に猛反対され、渋々進学を決めた思い出があります(笑)
それだけ魚が好きだということもあり、大学は、近畿大学農学部水産学科を選びました。
大学では、現在リージョナルフィッシュの科学技術顧問を務めている家戸先生のもとで、ゲノム編集について学んでいました。過去に事例のない真鯛の遺伝子に関する研究を行っていたので、ゲノム編集をした魚に変異が現れるのかを確認する必要がありました。そのため、育てた個体から卵を採取して、その卵から孵化して成長していく様子も見ていく必要があり、ゲノム編集技術と養殖技術をどちらも学ぶことができました。
学生の頃は、ゲノム編集には技術としての面白さを感じていましたが、それを仕事にしようとは思っていませんでした。
就職を考える段階になり、魚を釣るのも食べるのも好きだったので、食品系の会社に勤めることを決めました。食品メーカー兼卸業者のような会社に就職し、営業を務めていました。国内外問わず営業をしていく中で、水産業界としての古いしきたりを感じたり、最終的に買われるものが、美味しさよりも安さ優先で選ばれたりすることが残念だと思うようになりました。少し値段が高くて美味しいものと、値段が安くて味が普通のものだと、どうしても後者が選ばれがちです。例えば、ウニはミョウバンが入っていると苦いと言われていますが、安いものしか食べたことがない方だと、ウニは苦いものだという概念が固まってしまいます。私はそれをとても勿体ないと思っていて、美味しいものを食べたうえで安いものを選ぶのならまだしも、本当に美味しいものが食卓に届かないことで、その食べ物は美味しくないものだと思う人が出てしまうのが嫌だなと思っていました。
このまま仕事を続けていていいのだろうかと思っていた時に、大学同期の大濱(現・リージョナルフィッシュ生産技術部)からリージョナルフィッシュが立ち上がった話を聞き、梅川(リージョナルフィッシュフィッシュ・CEO)と日本の水産業界の現状について話す機会があって、「自身がやりたいことをここではできるかもしれない、やるなら今しかない」と思い、リージョナルフィッシュへの参画を決めました。
今考えると、とてもタイミングが良かったのだと思います。
―――高橋さんは今どんなお仕事をされていますか?
主に無脊椎動物の飼育をしています。
学生時代は魚を相手にしていましたが、現在はエビなどがメインです。無脊椎動物の種苗生産は日本での成功例が少ないんです。自身が赴任した直後は、かえした幼生を稚エビにするところが全然うまくいきませんでした。そこを開拓していくことが、この仕事の難しいところでもあり、とてもやりがいを感じられるところになります。
また、最近は人手が増えてきたので、経験を活かして、営業も少しずつ行っています。実験で作ったエビを、水槽を空けるために売る場所を探し始めたのがきっかけでしたが、実際にやってみると楽しくなってしまって、どんどん市場を広げてしまったというのが正直な話です(笑)
前職でも食品の営業をしていましたが、リージョナルフィッシュの営業は、自分で育てたものを売っているので、より愛着と自信をもって商品の紹介ができています。
卵から大きくなるまでずっと見守ってきた子たちを売るので、生産者側の苦労や商品の推しポイントを身をもってお伝えすることができますし、その分熱量も高まります。自分の手で育てたからこそ、相手方にどう評価されるのかも余計気になりますね。
「スピーディーな意思決定でスムーズな研究開発を」
―――リージョナルフィッシュの魅力はどこだと思いますか?
社員の提案に対して、最短最速で意思決定がされるところです。
普通の会社だと、一つの事項に対して、段階を踏んで上司の承認を得て、ハンコを押してもらったものが下に降りてきてから実際に動き始めるという形になると思います。一方、リージョナルフィッシュでは、小さい組織である分かなり早く意思決定がされるので、何かをやりたいと思って提案したときに、方向性をすぐに確定できます。内容が良いものであればすぐに着手することができますし、再検討が必要な場合でもすぐに方向転換することができるので、とても仕事がしやすい環境です。
―――高橋さんは現在地方の養殖場で働かれていると思いますが、地元の方と近い距離で働くことのメリットなどを感じることはありますか?
いっぱいあります。
自然に囲まれて、空気も綺麗で、美味しいものも沢山あり、都会で働いていた時よりも体調が良くなりました(笑)元々海が近くにあるところで生まれたので、海が近いというのも嬉しいですね。
また、やはり地元の方々は、新鮮な魚を口にする機会がとても多いので、舌が肥えている方が多いと感じます。だからこそ、そのような方々に、リージョナルフィッシュで作った魚を美味しいと言ってもらえたらとても嬉しいです。皆さん率直な意見を下さるので、食べていただくときはとても緊張しますが、その分認めていただけると自信に繋がります。
「リージョナルフィッシュが生み出す魚の美味しさを多くの人に知ってほしい」
―――今後リージョナルフィッシュでどんなことをしていきたいですか?
多くの人に魚の美味しさをお届けしたいと思っています。
やはり魚を選ぶときはどうしても安さが重視されてしまうきらいがあるので、美味しい魚をできるだけ安価で皆さんに提供していけたらと思っています。魚の美味しさを知っていただいて、リージョナルフィッシュの魚だったら、少しくらい値が張っても買いたいと思っていただけるくらい、美味しい魚を作ることが一番の目標です。
―――高橋さんは今後どんな方と働きたいですか?
魚が好きな方がいいですね!
魚に接するのが楽しいと思える方であれば、新しいことを学んでいくのも苦ではないと思います。経験や技術はあとからいくらでも増やすことができると思っています。
魚が好きで、見るのが好きな方は、魚に餌をやるときに魚の様子も注意深く見ることができると思うので、何より魚が好きな方に入ってきていただけると良いと思います!